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適当とY字路と連想

高田純次自伝より

高田純次がデザイナーになるための勉強をしていた時のアイドルが横尾忠則だったそうで、特に好きな横尾の絵は「Y字路シリーズ」
どうしても欲しくなって、横尾のアトリエまで行って必死にお願いして、1枚譲り受けた。
その絵は今も高田のリビングに飾ってあり、毎日見ていると言います。

(以下引用)
どちらに行くか、迷ったとしても、T字路とは違う。T字路は右か左か、180度の違いがあるから、どちらに行くにせよ、はっきりした決断がいるよね。行く先が変わってしまうから、間違ったら大変だよ。
 けれど、右と左を間違ったとしても、すぐわかるよね。反対方向へ行っているわけだからね。気がついたら引き返せばいいわけだ。
 ところがY字路は角度が微妙。90度もあるし60度もある。40度だってあり得る。どちらに行っても、同じ目的地に着いてしまうようにも感じるし、途中で曲がれば正しい道に戻ることができるようにも感じる。
 逆に2本の道は、どんどん違う方向へ伸びて行っているとも考えられる。だから、誰でも微妙な葛藤をするんじゃないかと思う。
 つまり、T字路の場合は、白か黒かをはっきりさせなければならないけれど、Y字路の場合はそれがあいまい。このあいまいさ、微妙なことろが、俺には人生の選択そのものに思えて仕方がないんだ。
(引用終わり)

人生はY字路な意思決定の連続

私はY字路シリーズを知らなかったので、ググると横尾忠則とタモリさんの対談がほぼ日に載ってました

そこでタモリさんもY字路に惹かれていることを知りました

(以下引用)
タモリY字路にさしかかるまでは一緒に進む。

そして、いよいよ祐天寺と目黒不動に別れるときに、
ふたりは最終決定して、「それじゃ」ってそれぞれの道を行くんだけど、
Y字路ですから、急には距離感は広がっていかないんだよね。

まだ、なんか、余韻を残しつつ。

余韻を残して別れてくっつうのがね、
またよくて……。

直行する道路っつうのは、
お互いに何の影響も及ぼさないでしょ?
わたしはこっち、あなたはそっち、と。

おたがい、
何のコミュニケーションもとらないし、
もう、ああ、これはまったく
違う人だというような……。
でも、Y字路を見てると、
なんか、今言ったようなことを思うんです。

そのへんの曖昧さとか、
影響しあうところが、
なんか想像するとおもしろい。

江戸時代からある道を調べると、
Y字路も「右 大山 / 左 なんとか」と
書いてあったりする。

道が別れるところまで一緒にきて、
いよいよここであんたとお別れ、
ということになるんだけど……。

(引用終わり)

ここからさらに連想してあらためてググったのが

タモリさんは小沢健二の「さよならなんて云えないよ」の歌詞が大好きなエピソード

左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる

僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも

1996年の「笑っていいとも」での対談が印象的です *引用元

タモリ: でもね、よく考えられた作品だよね。あのね、まぁいろいろ優れてるんだけども、俺が一番驚いたのは鹿児島で、それも車の中でできた作品で。『道を行くと、向こうに海が見えて、きれいな風景がある』そこまでは普通の人は書くんだけれども。それが『永遠に続くと思う』というところがね、それ凄いよ。凄いことなんだよ、あれ。

小沢: ホンっト、ありがとうございます。良かったなぁ、ちゃんと…。
ボクはなんかね、聴いてて、なんていうのかな……。
たとえば、今お昼休みで、「笑っていいとも」で"ウキウキウォッチング"してるところと、「人生の秘密とは」「生命の神秘とか永遠とか」そういうのがピュッとつながるような曲を書きたいんですよね。
それで、だから…。
んー。

タモリ: だからまさにあのフレーズがそうなんだよね。あれで随分…やっぱり考えさせられたよ。

小沢: ありがとうございます。

タモリ: あれはつまり"生命の最大の肯定"ですね。

小沢: ものすごい硬い話になっちゃった(笑)。


タモリ: そこまで俺、肯定できないんだよね。


小沢: んー。そうなんですか。でもボクもねぇ、そんなわかんないんですけど。たとえば大学とかで勉強したりとか、あと普段嫌なことあったり、いいことあったりするんだけど、そういうのがギュッとこのぐらいまでは結構ありましたって、いちいち報告するようなものが書きたいなって思って。


タモリ: なるほどねぇ。個人的な話になって悪いんだけど。


小沢: いえ、すみません、笑えるような話じゃなくて。


タモリ: いいのいいの、笑えるような話じゃなくったって。で、しかもそういう凄いことを簡単に何の嫌味もなく書けるっていうのが一番凄いことなんだよ。人間の能力で一番凄いことは複雑な物を簡単にポッと出す事なんだよね。簡単なものを複雑にやるのが一番バカなんだよね。


小沢: あははは。


タモリ: よくいるじゃない。あれ一番のバカなんだよね。


小沢: ですね、人生の複雑なことをそのまま複雑に「人生の~」「生命の肯定」なんて歌ってたってしょうがないわけで、やっぱり僕としては『痛快ウキウキ通り』みたいなことにしたいし。


タモリ: それがスゴいことなんだよね。


小沢: そういうふうでありたいなぁと思ってます。ありがとうございます。
タモリ: いやいや、期待してますよ。いつも観てますからね。


小沢: ありがとうございます。なんか、すみません。お昼休みっぽい話じゃなくって(笑)。


タモリ: いや、いいんだ。だいたいこのフレーズは、本が1冊書けるくらい内容のあることなんだから。だから大学行って勉強した事が凄いものになってるんだよね。


小沢: うーん、それを反映しようとは思ってますけどね。ボクは大学であり、誰かは空手をやってたのかもしれないし、誰かはスポーツをやってたのかもしれない。あとタモリさんはずっと『いいとも』をやってきたのかもしれないし、その中のことをボクはたまたま曲にするのであり…っていう。
なんかすごい真面目ですね~(笑)。


タモリ: ふふ(笑)。

(引用終わり)

私は日々こういった色々な人たちの気づき・学びの共通点を考えたり、深みをしみじみ味わったりするのが結構好きです。
言葉だけではなく写真や絵、音楽、動画と組み合わせるのもまた一興。


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