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祈り

一心不乱に祈る姿は美しい
密かに声をあげるのさえ憚れる静寂の中
手を合わせ、頭を垂れて、祈る人

誰を想い、何を願ってか
1分が、2分が、10分経ってさえ
立ち上がりはしない

冷たい床に、跪いて、
風がよぎる
天からか神からか、
すうっと冷ややかな風がよぎる

願うも希うも、
人は最後のよりどころは、
祈ること。

世の騒ぎを、人々の苦を、静めて、
穏やかな日々を、
静かな笑顔を、
と、あの人は、祈っているのですよ。


いつのまにか、私の傍らにいた神父さんが、
教えてくださる。
私の疑問をなぜに神父さんは知るのか

あなたは正直な方、
あなたは眼で語り、眼で質問しています。

祈る姿は敬虔で、近寄りがたい
美しくも、祈りの背中は他者を拒む

信者ではない私、
しかし、
迷いごとがあると、足が向く

祈る姿は美しい

我が身ではなく、世を憂い、世の人々の平穏を祈る姿に
勇気をいただき、無であることの幸せを
気づかされる。