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【備忘録】においとの付き合い

はじめに:この記事では人間の体臭に関する話などが出てくる。
もちろんこれは私自身が、他人のもつ匂い全部が気になったり嫌いであるという話ではない。それに、自分自身が他者にとって不快な匂いを纏っていないみたいな自負があって述べるわけでない。
あくまで現在私が嗅覚に意識が向きすぎている、という独り言だということを承知してほしい。



じつは匂いとアートについて本格的に研究し始めて、まだ一年と二か月程度である。

卒業論文はもちろん嗅覚と芸術に関するものを書いた。
嗅覚芸術のはじまりから今後の見通しについて執筆した。

そればかりか、嗅覚芸術を自分でも制作し始めた。
自分であるものから匂いを抽出したり匂いのついているものを作品の重要なマテリアルとして扱っている。

だからといって香りものを元々好んで使っていたわけではない。
むしろ、苦手な匂いがかなり多い。

それでも、いつかツイートしたけれど
「苦手ということは敏感に感じ取れること」
だと考えている。
だから私は人よりも嗅覚が敏感なのかもしれない。(他人との比較のしようがないけれど)


最近研究のために嗅覚芸術に関するスイスの研究者の論文を読んでいる。科学の用語が多くて辞書を常時片手に持っていないと読み進められない。
それでも、香気成分(匂いを感じさせる元となる成分)の知識が増えるのは喜ばしい。

そして、論文を読み進めるごとに匂いの知識が増えて、自分の匂いに対する意識が向上しているように感じられる。
自分の匂いとの付き合いの現状は誰かのためになるような話でもないから、普段誰かに伝える機会はあまりない。
しかし自分が今どんな状況なのか把握して文章にしておくことはいつか私の研究の役に立つかもしれないから、書いておきたい。


先日、名古屋市見晴台考古資料館に行く機会があった。
しかし初めて訪れる土地だったため、マップアプリを使っても場所がよくわからず立ち尽くしていた。
その時にふわりと香ったものが恐らくシロツメクサから立ち上がった香りで、これを感知した時は少し心が和んだ。

また、研究室の雰囲気を自分がコントロールするために室内芳香剤を購入した。それが何の匂いなのかあまりきちんとした記載がないため把握できていないものの、確実に気分が落ち着く空間になった。これは自分が匂いのもつ影響力を知っていて、うまく付き合っていけている証拠だろうと思う。


しかし匂いに敏感になるあまり、自他ともに、人間の体臭や使うフレグランスへの体の影響力も大きくなっている。

具体的には、地下鉄内で数分間同じ空間に留まる人の匂いからはなかなか離れられないため、だいぶ参ってしまうことが多い。
特に、目の前の匂いが他のどんな匂いと似ているのか割とすぐピンとくるようになったことでしんどさが増している。

例えば、目の前に立っている人から「切りひらいた牛乳パック」の匂いがしてかなり参ってしまった。人間らしい体臭が快の匂いとも思わないが人間でない匂いが香ってくると、自分の中でその情報を処理しきれなくてなんだかすごく疲れてしまう。

次に、自分の話もしておきたい。
先週私は久しぶりにパーマで髪型を変えた。
パーマをしたことがある人はわかってくれるだろうと思うが、パーマ剤の匂いは数日間継続する。シャンプーもヘアミストもヘアオイルも意味をなさず、やや不愉快な匂いが自分の頭から漂う。寝るときが一番辛かった。

あと昨年の秋ごろにブリーチ剤を初めて髪に使ったときはもっと悲惨だった。刺激臭に驚いて美容師さんに尋ねると、ブリーチ剤にはアンモニアが使われているらしい。なるほど……


しかし気を付けなければならないのは、人間は自分の匂いを感知するのはなかなか難しいために必要以上に過剰になって精神的に疲弊することがあるということ。
自臭症という、自分の体臭に不安を覚えて恐怖する精神的なプレッシャーも存在していると聞いたことがある。(医学的な知見が何もないためここでこの話を広げることはしない)
実際自分もこの一年くらい、以前より自分の体臭などを気にしている。
エチケットとして大事な部分でもありつつ体臭を無にするのは不可能だから、気にしすぎることは無いようにしたい。

そして私はこのブログで読んでくれている人にも無駄なプレッシャーは与えたくないと思う。



こんな具合で匂いの影響がかなり強いのだけれど、特にそれを実感したのは昨日だった。

先週一週間、なんでかわからないけれどずっと自室にいると気分が落ち込んでしまい、かなり参っていた。
その状態を脱却すべく部屋の環境を綺麗にしたいなと掃除をはじめた。
すると、すぐに気分が落ちていた原因がわかった。

部屋のクローゼットに、京都で購入した伝統的な衣類用防虫剤を仕舞っていたいたことに気が付いた。
私の部屋は換気がしにくく、尚且つ自分の鼻の高さに置いていたことが原因だろうと思った。

気になって調べてみると、衣類用防虫剤にはどうやら人体に影響を与える物もあるようだ。
しかし購入品には構成成分や注意事項などが何も記載されておらず、少し使用するには危ないだろうと感じた。そして即刻、缶の箱にいれて匂いがしないよう蓋をした。

この防虫剤が私の体調に100%の悪影響を与えたとは言い切れないため、購入した店の名前や商品の写真はあげない。しかし防虫剤の使用成分には気を付けたほうがいいかもしれない。


衣類用防虫剤を買われる方のご参考までに。
防虫剤によく使われているパラジクロロベンゼンに関して書いてあるwebサイト▼



匂いとの付き合いで嫌な気分になったこととして衣類用防虫剤の話を挙げたが、これはむしろ有益な話だったのかもしれないと感じ始めた。

嗅覚が元々危険を察知したり飲食物の安全性を確かめる感覚だったのは言うまでもない。しかし視覚と聴覚の重要性が上がっている現代では嗅覚を使用する機会は激減している。

この時代に嗅覚で危険を察知して自分の体調の不具合の原因を突き止めたのは、嗅覚が敏感になったことの利点といえるかもしれない。

まだまだ嗅覚に関する知識も匂いとの付き合いも浅いが、今後も自分の中で変化があるに違いないから何か気付きを得るたびに文章に出来たらいいなあと思う。


備忘録ってこんな感じでいいのかな。

ちなみに記事の写真は祖母からおさがりでもらった香水の写真。

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