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ダイエットの話

今日はちょっと長い。「軽肥満は肥満じゃない」とつい最近まで思っていた私のダイエット話である。

プクプクの子供時代

私は小3で祖母の家に引っ越した。母は、父と離婚して子供が3人ともついてきてしまい、死にものぐるいで働かなければならなくなった。そんな母に代わり、私たちの身の回りの世話をしてくれたのが祖母であった。祖母はたくさんご飯を用意して、たくさん食べさせてくれる人であった。料理はいつもおいしかった。おかげさまでよく食べよく寝て、私は子供の頃から軽肥満であった。

ダイエットことはじめ

最初にダイエットに取り組んだのは高3の冬だった。卒業を間近に控えたタイミングで、「もうすぐ東京の学校に行くのだ私は」と意識した途端、急に思い立ってダイエットに挑んだ。方法は炭水化物抜きダイエットである。白米の代わりにキャベツを食べた。白米を我慢した分、白米への愛がかえって深まってしまった気がする。白米のない生活を続けるなんて私には無理だった。長続きしなかったし、体重もあんまり減らなかった。

ちなみに母や姉は、ダイエットに勤しみ空腹をこらえる私を面白がって、夜中に目の前でカップラーメンを食べたりしていた。ダイエット経験者に聞くと、そういう心ない行いをする家族はけっこう多いようだ。なぜ人はあんな意地悪をするのであろう。

学生時代

神奈川に出てきた学生時代は、ダイエットのことなどすっかり忘れ、食べてばかりいた。金はなかったがたくさん食べていた。何を食べていたんだろう。おそらくこの頃が人生で一番太っていた。当時の写真を見たら、肩から太ももがぶら下がっていてビビった。

初めての成功体験

就職して働きはじめて、お金を自由に使えるようになった私は、マイクロダイエットを買った。1日の食事のうち1〜2食をシェイクに置き換えるやつである。

マイクロダイエットはお高い。1箱14食入りで約18,000円。1食あたり約1,300円である(数箱まとめ買いするとウソだろってくらい割引になる)。買う前、ビビって母に電話した。「マイクロダイエットを買おうと思う」と言ったら、明るく「お! いいんじゃない?」と言われて背中を押された。

元々が60kgオーバーの軽肥満だったせいか、1カ月ほどで7kgくらい落ちた。

人生で初めて、空腹を我慢することを覚えた時期であった。空腹と向き合う時間は、自分の人生と向き合う時間であった。私はゆっくりと時間をかけて理解した。「これまでが食べすぎていたのだ」と。

この頃は運動も行なっていた。多摩川の河川敷を歩いたり走ったり。初めて強風で体がよろけた時には感動した。ただ、私は53kgから先がなかなか落ちなかった。でも周囲からは「痩せたね、頑張ったね」と言われるようになっていた。調子に乗って気が緩み、食べ、運動をサボり、リバウンドした。

3〜4年くらい、そういうことを何回か繰り返した。

何度目かの成功

25歳くらいのときだったか、Twitterを見ていたら、美人レイヤーさんが自身の高校時代と直近の比較写真を上げているのが目に入った。もうフェイスラインからして別人のようであった。「とにかく一回痩せてみなよ、人生変わるから」という旨が書かれていた。そっか〜、人生変わるのか〜と思って、またマイクロダイエットを購入した。

同い年の友人知人も結婚を意識しはじめる時期である。気の合う友達だってみんな家庭に入るかもしれない。私は遊び相手がいなくなる可能性に少々焦っていた。結婚したい人は特にいないが、いつそうなってもいいように、自分の準備をしておこうと思った。

運動もすると続かなくなることは経験済みであったので、この時は運動一切なしで食事だけに気をつけた。53kgの壁を粘り勝ち、ひたすらに自分と向き合い、最終的に48kgまで落ちた。

せっかく体重が減ったので、髪型も服装も変えた。美容師さんオススメの髪型にしてもらった。軽肥満時はちょっと変わった形&柄&布の服を着ていたが、シンプルな服を着るようになった。

久しぶりに会う人が、自分の変わりように絶対に驚くようになった。それが面白くて人に会うのも楽しかった。同人イベントの楽しみも増した。

元軽肥満、優しさを知る

体重が減ったら、急に周囲の人が優しくなった。軽肥満だった頃は、でかいダンボールを一人で運んでいようが、誰にも何にも言われなかったのに、普通体型になった途端、小さなダンボール一つ持っていても「大丈夫!?」と言いながらドアを開けて待っていてくれるのであった。マジか〜。世の中の女性、というか人間、こんなに人から優しくされているのか〜。マジか〜。

とかいう話を、最近になって母にしたら、「へぇ〜!?」と本気でびっくりしていた。母は今でこそどっしり体型であるが、若い頃は痩せていた。私の軽肥満時の体重=母の妊娠時の体重であったらしい。私とは違い、若い頃からおしゃれにもお化粧にも関心のあるレディであった。きっと人から優しく接せられる機会も多かったのだろう。母の反応からするに、優しくされているという自覚もないくらい当たり前のことだったのではないかと思う。

母は同時に「それはあんた自身の態度が変わったっていうのもあるんじゃないの」とも言っていた。それもあるかもしれない。自分で言うのもなんだが、軽肥満だった時より今の方が心は丸い。

脱マイクロダイエット

くろちろこさんと一緒に住みはじめてからも、体重が増えたことがあった。なんか最近体が重いな、ダイエットするかあ……と、例によって私がマイクロダイエットをポチろうとしたところ、「やめなよ、えんぴつはこの先も太ったら一生その高いやつ買うの!?」と言われた。

ウグーー!!

あまりにも真っ当。ぐうの音も出ない。以来、私はマイクロダイエットを買わなくなった。その分、他社製の置き換えシェイクを使うこともあったが、マイクロダイエットと同じ使い方をしていてもしばらくすると風邪をひいたりして、あんまり良くなかった。マイクロダイエットは栄養があったんだなあ。他社製品に比べて味もウマイしなあ。宣伝のようになってしまったが別にお金をもらっているわけではない。

マイクロダイエットには、とても大切なことを教えてもらった。「これまでが食べすぎだったのだ」という気づきである。しかし、この先お世話になることはない。ようにしたい。と思っている。現時点では。多分ないと思う。

現在

私に48kgの時があった……? またまた〜(笑)という状態に戻っている。しかし軽肥満には足を踏み入れないように気をつけているし、体調も悪くないし、良い感じである。
なるべく長く健康に生きていきたい。ぽんちゃんさんと走って急停止しても大丈夫なように大腿筋も鍛える。食べすぎずに生きる。ように善処したい。多分。頑張る。

終わり

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