見出し画像

空白の台本

a.m.10:00

僕の気持ちとは裏腹にカーテンの隙間から
眩しすぎる太陽が朝を知らせる

どうしようもなく無気力な僕を横目に
時計の針が刻一刻と時を進める
また今日も1日が始まった
眠気を抱きしめ鉛のような身体を無理やり起こす
キラキラと心地の良い音を立てて流れる透き通ったそれと
このお守りを体内へと流し込む
果たしてこの歪な僕を救えるのだろうか

消えることのない渦がまた今日も脳内を侵食する

どうしようもない気持ちから逃げるように煙草に火をつける
血管が縮まる感覚で生を感じる
今日もなんとなく生きている

依存性の高い煙と光 そして人
それらに生かされている僕は空っぽ
「本当にそう?」
『きっとそう、そう思って逃げたいのかもね』
脳内の会話も天使も悪魔も何ら変わりなく

いつも通りだ

ただ一つ違うとすれば机の上にあるあの写真
写真といっても楽しかった思い出や綺麗な景色などではない

そうだね、あれは僕が僕のために撮った“遺影”

そして今日は僕が僕のために決めた“命日”

それ以外は何ら変わりない日常だ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?