オススメ本#1~関 正生 著『世界一わかりやすい 英語の勉強法』
私の「英語」に対するイメージを変え、更に言語化してくれた名著
自分の本棚を開示していこうとする第一弾。
何がいいかな…と考えつつ、たくさんある中でも、やはり私ならまずこれを選ばないとかなと思い、こちらをご紹介させていただきます。
英語の知識がなくとも、こういうアプローチから物事を考えるという観点からも、非常に参考にあるところが多いものです。
この本を初版の2011年に購入し、その後改訂版が出されていますが、内容・根幹は変わっていないものと思います。
それでは早速、こちらについて私のおすすめポイントも含め、ご紹介したいと思います!
英語を学ぶ意味について
私も英語教科を指導を一定期間行っていました。(全く専門科目といえるほどの力を持っているとはいえませんが)そもそも、中学・高校時代は「英語が嫌い」「英語が苦手」と感じていた自分がです。
嫌い・苦手の原因は、中学・高校の時に、英語の「学び方」を全く知らなかったというのが要因です。
一年間の浪人の期間で出会った予備校の講師(現在も現役のようで、本当にお世話になりました!)から教わった学び方・考え方のおかげで、苦手意識もなくなり、最終的に英検準1級レベルには到達できている状態にまでなりました。
なぜこの話をしたか。私の変化した大きな要因は「英語を学ぶ意味を知ることが出来た」ことなんです。これが実はそもそも伝えられているか。
”学びの動機付け”はとても大事です。
・世界の人とコミュニケーションが出来るようになる。
・海外旅行の時に困らない。
・これからのグローバル社会を生きていくうえで必要。
・社会に出る時に、必要なスキルとして今後必ず役に立つ。
申し訳ないですが、どれもピンときませんでした。ただ、予備校で英語学習をしているとき、スッと頭の中でブレイクスルーが起きたとき、自分の中で何かが起こっているはずなのに、それは何なんだろう?と思っていたわけです。
それを、この本の中では、私が言語化できてなかったことを、明確に伝えてくれていました。
まさに「これだ!」となった瞬間でした。
そもそも、日本語は「主語・述語」の考え方なのに、英語は「主語(S)・動詞(V)」さらに「目的語(O)」「補語(C)」、こんなに違うものをどう理解するの?という疑問もあった自分からすると、
思考の違い・価値観の違いを理解する
というここがストンと腑に落ちた瞬間でした。
※いまだに私は英語学習の目的はこの「多様性の理解」や「複眼的思考力を鍛える」ということが最重要だと思っています。
会話…そろそろ「ポケトーク」とか「Google翻訳」で事足りませんか?
単語力…これだけ調べるツールがあるのだから、ただ単なる暗記必要ですか?
と、英語専門の教員の方が聞いたら、怒られることを思ってます。
一番つまずきやすい「何から学べばいい?」を示す構成
皆さんは英語を学ぶとなった時に、何から始めますか?
海外旅行に行きたいから、話せるようになりたいので、リスニングとか会話練習かな?
大学受験で使うから単語かな?
様々な考え方がありますが、「基礎体力」をつけるということは、どのようなスポーツでも大事。これは語学学習でも大事です。それを具体例を示しながら、こうした順番で学ぶといいという「地図」を示してくれています。
そしてその「地図」を使って、それぞれの道順を歩み始める時のいわゆる「心構え」「方法論」を示してくれています。
もはや「旅行のしおり」レベルですよね。
だったら、一回この「旅行のしおり」に従って実践してみようと気持ちを前向きにさせてくれるわけです。
この本の特筆すべき箇所は、単なる「英語の学習本」ではなくて、「心構えや学習に対する姿勢」まで言及してくれているところだと思っています。
こうした心構え、姿勢は、全ての学習に通ずるものですので、
「(英語という教材を題材にした)学びの心構えの指南書」
としても読み進めることが出来ると思います。
具体例を的確に使い、納得度を高める巧みさ
この本では、学習(トレーニング)の進め方を
「単語力」「文法・リーディング力」「リスニング力」「ライティング・スピーキング力」としています。
各章ごとにその具体的な学習方法や解説がされているのですが、特筆すべきは、「わからない人のツボを上手く抑えていること」です。
・単語が覚えられない
・文法が苦手(というかそもそも必要?)
・発音が聞き取れない
・英作文が上手く書けない、しゃべろうと思うと言葉が出てこない
これ誰しも当てはまりそうですよね?これを示したうえで、原因・理由を明確にして、対策を説明する。ある意味、基本的なことなのですが、こうした構成になっている学習本は本当に少ないです(少なくとも私はそう思う)。
そしてその対策や本質を話すときに、本当に巧緻な文章だと感心してしまうのが「具体例の上手さ」です。2つだけ紹介させていただきます。
これ忘れませんよね?ちなみにちょっと補足すると、
book=本 が一般的だと思いますが、これは”名詞”として使う場合。
動詞の場合には、『予約する』とか『記帳する』『契約する』なども使うことが出来ます。
普段使っている言葉、知られている言葉と結び付け、英語にリアリティを持たせる具体例。絶妙だと思います。
そして学習の方法に関しても、具体例を上手く使っています。下の事例は英単語を覚える方法について
これも絶妙なんですよね。その後、こう続けているのです。
つまり、「単語に触れている回数が少ない」ということを説明する内容なんですが、この例は本当にその通りだなと感心しました。
だからこそ、単語に会う回数をたくさん増やせばいいんだ!とつながりますよね。
こうした事例を通しながら、ではどの程度の回数出会い、どのくらいのペースで何か月後に、こうなるためには、こういうやり方をした方がいいという「旅行のしおり」が続くのです。
文法も発音も、「目からうろこ」がたくさんあります。
英語学習の方法は、人それぞれかと思いますので、一概にこの方法論が全てということではないと思いますが、個人的には、本当に多くの英語学習者に読んでみてほしいと思います。
※読んだうえで、自身の取捨選択をすればよいので、まずは読んでみる!が必要ですよね。「多様性の理解」の観点からも、読まず嫌いは勿体ない!¥
「結論の重さは、過程に支えられる」を体現している姿勢
こちらの内容は、こうした全体構成を踏まえた上で、学生・社会人を含めた「英語学習者全員」にとって、まさに「理にかなった学習法」といえると思います。
なぜこれが「理にかなった」といえるのか。
私はこの本を通信制高校の職員時代に、生徒に読んでみたら?と勧めました。そして実際にやった生徒がグンと成績が伸びているのです。
かくいう私も、試しに…ということで改めてこの本から学んだ学習方法や考え方のおかげで、英語力の向上がありました。
こうした過程があり、感動を皆さんに伝えたい。その想いでこの書籍を紹介しているわけです。そして、この本の著者の関正生さんは、以前(今もかもしれませんが)、必ずご自身が受検されたTOEIC満点の試験結果を公表していました。それも何度もです。
まさにプロフェッショナル。
英語の指導者たるもの、というあるべき姿に真摯に向き合い、それを体現しながらも、さらに後進の育成を実践されているそのアティチュードが結論の重さを物語っているものと思います。
この本を読んだ時の「感動」はいまだに続いています。
是非皆さんもこうした「感動」を体験していただきたい。
私もまだ職業病というか、本屋に行くと必ず「参考書」コーナーのところは歩いてしまいます。新たなものないかなーと毎回チェックしてしまっているほど、ファンの領域なんでしょうね笑
そして関正生さんが書かれた
『真・英文法大全』
も現在購読中ですが、こちらも素晴らしい内容です。
”日本人は英語が苦手”?と呼ばれる時代ではなくなるのも、そう遠い未来ではないような気がします。ぜひこちらもお時間があれば!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?