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今の私を構成するたった1つのマンガ

「私を構成する5つのマンガ」というお題であれこれ考えた結果、最後に残ったのは「ヴィンランド・サガ」ただ一つだった。

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今回 「私を構成する5つのマンガ」というお題で書くにあたって真っ先に思ったことは、「これは時間がかかるな」だ。その証拠に、このnoteを書き始めてからかれこれ2ヵ月近く経っている。

何にそんな時間がかかったかって、ひたすらマンガを読み返していたのである。

なぜ2ヵ月もかけてマンガを読み返したかって、私にとってマンガは人生の教科書に等しいからだ。ドラマや映画といった実写のエンタメが昔から苦手だった私にとって、あらゆる人の、あらゆる感情を教えてくれたのがマンガだった。

友達、先輩後輩、恋人、家族……そういう色んな人との繋がりから学ぶのと同じように、マンガから学んだ。

だからこそ、仮に自分の原材料表を作ったときに、堂々とそこに名を連ねるであろう作品を選ぶ必要があった。「私を構成する」と言うからには、ちょっとおもしろかったとか、ましてやただ見たことがあるだけだとか、そんな生半可な理由で作品を選ぶわけにはいかない。

そんなわけで珠玉の「私を構成する5つのマンガ」を紹介したかったのだけれど、厳選していたら「今の私を構成している」と言えるマンガは1つに集約されることに気が付いた。

ヴィンランド・サガ:地の果てまで逃げる物語

今の私にとって、自分を構成していると思えるマンガは幸村誠先生の「ヴィンランド・サガ」、これしかなかった。

ヴィンランド・サガは11世紀ごろに実在したヴァイキングをもとにしていて、タイトルの通り「ヴィンランド」へ向かうサガ(物語)だ。

ところがどっこい、主人公のトルフィン(険しい顔でナイフ握ってる少年)がヴィンランドへ向かうことを決めるのは13~4巻くらいで、それまでは父親の仇を討つために戦場を駆け巡っていた。

ナイフを振り回して、家を燃やして、たくさんの人を殺す。それがヴァイキングとしては真っ当な生き方だったから、トルフィンは何も疑わず戦士として生きていた。

自分以外のヴァイキングが略奪を楽しむなかで、トルフィンは「戦のなにがおもしろいんだ」とヴァイキングの価値観に疑問を抱いてはいたものの、人を殺してはいけないなんてつゆほども思わない。

それがひょんなきっかけで全てを失ってから、「どうして平気で人を殺せていたのだろう」と過去の自分を俯瞰できるようになった。

そんなトルフィンが13巻で発したセリフがこれだ。

「いつも最初の手段を選び取れるようになりたい」

自分の過ちを俯瞰できるようになったトルフィンは、最後の手段ではなく最初の手段を選びたいと言う。

最後の手段とは、たとえば暴力だ。

言っても分からないなら、力に訴えるしかない。だから戦争は起こる。しかし私たちが暴力に訴えたいと思ったとき、そこには本当に最後の手段しか残されていなかっただろうか?本当に他の手段を選び尽くしたあとだっただろうか?最大限、伝える努力をしただろうか?

トルフィンは、本当に最後の最後まで最後の手段を選ばないために、地平の果てに逃げることを選んだ。それがヴィンランドだった。

暴力はよくない。そんなことは誰でも分かっている。分かったうえで、それでも暴力を選ばざるを得ないときがあるのが現実だ。

だからいざというときは全力で逃げること。逃げることもまた戦いなのだと、ヴィンランド・サガに学んだ。

ちなみに単行本を実家に置いておいたら、御年71歳を迎える母から「続きはまだか」と催促された。

母は普段マンガなんて一切読まない人なのだけれど、そういう人も続きを心待ちにする物語だ。私のようなマンガフリークだけがハマる話ではない。

少しでも興味が湧いた方は、ぜひアニメのPVだけでも観てほしい。これを観て昂った方なら、きっと楽しめるはずだ。

編集:アカ ヨシロウ

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