『献身家』タイプ2は、4的な創造性を得ることにより人間味が増す

『医師と作家を兼業して気づいた「患者の治療には創造的思考が必要」という理論とは?』


バルーク氏は「若いERドクター(救急患者に対応する医師)は、勤勉で礼儀正しい一方で、想像力に乏しい人が多いです」と指摘しています。バルーク氏は医師としてのキャリアを始めたばかりの若い頃の経験で、患者の症状や健康状態、検査結果ばかり注視して、「なぜこの時間にしか病院に来ないのか」「結婚しているのにいつも迎えを呼んだり付き添いがいたりしないのか」などに考えが及ばず、「その女性患者が、夫からの虐待を長年受けてきた」ということに気づかなかったそうです。

アメリカのポストモダン作家であるドナルド・バーセルミ氏はエッセイの中で、「創造的な芸術一般は、『知らない』ことに対処するプロセスである」と表現しました。バルーク氏はこれを引用した上で、創作は知らないことを重要視して向き合いますが、医療行為は「知らない」という課題とは対極にあり、分析や発見は得意な一方で、創造的に考えを発展させていくことは苦手であると述べています。

しかし、患者の話に向き合うことは、創造的な調査であると言えます。話の中で描かれる風景の中に何が隠されているのか、話に何が欠けているのか、ということを敏感に察知しなければなりません。

「創造的」と言ったらエニアグラムの『芸術家』タイプ4を思い出します。

これを読みながら『献身家』タイプ2が統合の方向のタイプ4に向かえば、その優しさに加えて、創造的な相手に対する深い理解がプラスされて人間味が増すのだろうなと思ったしだいです。



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