ジャストインタイムに生きていくのか?

最近よく目にする
「持つものを最低限にしてシンプルに生きようとする考え方」
これ、「生き方のカンバン方式(ジャストインタイム)」に見えることがあります。

その都度、その都度、必用なものを補充する。足りなくなったときだけ対応する。
これは、日本(人)の危機への対応もこのような感じです。

起きたときに騒ぐ、事前に考えることはしない。想定なんてしない。
ジャストインタイム。

日頃は危機対応を断捨離だんしゃりしている。
危機対応がカンバン方式になっている。

これに関連して思い出す話があります。
2013年1月にアルジェリアであった、日本人が死亡した人質事件。
これについて外国人の専門家が、
日本企業はリスクを真正面から受け止めるというよりはむしろ、それを無視する傾向が強いと長年感じております」
日本人は『もし何かが起きたら』という発想に乏しいと感じられます」
「もし犯罪者やテロリストがあなたに銃を突きつけてきたとしたら、『時すでに遅し』です」
という指摘をしてました。

ジャストインタイム。


以前あった、
「保育園落ちた日本死ね!!!」
のときに、
この問題がなぜ解決しないかを解説した人がいて、
それは、
「直前まで興味をもっていない」「興味をもったころには遅い」「急な対応はできない」「対応を求めようとする間に、この期間を脱してしまう」なので、何も解決しない。
そのうえ「持続して問題に関わる人はまずいない」それで、問題が継続され、残ってしまう。
という説明があって、
ジャストインタイム(プラス 自分本位)で生きていると、問題が残ったままになるわけです。

働く人にとっての問題は保育園だけではありません。他にもあります。
働く人にとっての介護に関する話は以前より身近なものになってきています(もちろん働く人かどうかに関係なく介護は大変です)。

最近、介護のこんな話がツイッターで出ていました。

#拡散希望
財務省が、要介護2まで軽度にして介護保険使わせないようにしたろ、と言ってます。
総合事業ではとても要介護2の介護は出来ないし、収入激減して介護職いなくなり、介護難民が大量発生します。
財務省公式に意見を書き込む所があるので、要介護2は軽度じゃない旨書き込みを是非!

ポイントとしてはいくつかあると思いますが、自分がぱっと見思いつたことは
①低予算の総合事業のデイ(※ デイサービス)では採算が成り立たない&要介護度の高い場合のデイはハードルが高くなる→結果としてデイの事業所の事業継続の難易度がかなりあがること
②総合事業に移行=自治体により差がかなりでるであろうから、基礎体力のない過疎地域の市町村、働き手が少なくなる地方の市町村では要介護者がデイに実質いけなくなる可能性がでてくる
③要介護1,2って実際かなりの認知症患者さんが含有されているので、総合事業に移行されて仮にデイのハードルがかなり高くなると、それらの患者さんの在宅療養が現実的に難しくなる=施設への移行が多くなる
④自治体により要介護認定の基準がかなり変わってくる可能性あり??
などでしょうか。

在宅医療やケアの現場で働かれている方はよく理解していると思いますが、実際要介護1,2の人って結構大変なこと多いんですよね。”動ける認知症患者さん”であることが多いです。寝たきりの要介護4,5の人よりもサポートが必要、そんな場合も結構あります。
かりに要介護1,2を総合事業に移行するのならば、今後は介護区分の認定方法の見直しも併せて議論されていくべきかなと思いますが・・・(以下略)


話をツイッターの投稿に戻して、まとめから、いくつか紹介します。

要介護2を総合事業にとかケアマネの自己負担とかは、若者の介護負担が増えるだけです。

ちなみに要介護3って、自力では足が立たないとか、ディープな介護が必要なレベルです。
うちの母(軽度認知症、脳梗塞の後遺症で機能障害あり、入浴や食事に補助必要)でやっと要介護2。
このレベルまで介護保険使えないと、介護に時間取られて働けない人激増するで。
アホタレお花畑財務省めが

これ(注:自民党による改憲案「一、家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」)と、今日引用RTした財務省の「要介護2まで介護保険使わせねえぞ計画」が組み合わさると、なにが起きるかわかるー?


それで、このまとめの題名に「何が起こるかわかる…?」という言葉が入っています(正確には「組み合わさると、なにが起きるかわかるー?」ですが)。

これも、似た感じがするものです。
政策の断捨離。
一方で、これに影響を受ける日本人の動きはにぶいです。自分の身に問題が起きたときに騒ぎ出すのでしょう。事前に考えることはしません。
ジャストインタイム。
危機対応までもがカンバン方式になっている。

ジャストインタイムというよりは
ぶつかってはじめて向きを変えるおもちゃ的な対応だな、と思ったりもします。

もう少し、かしこくあって欲しいものの、今の自分の最小限だけ考えて、後は断捨離だんしゃりして、怖いものは極力見ないようにして、その都度その都度対応すればよいと思っているようです。それで、自分に混沌こんとんが降りかかると急に「日本死ね!!!」なんて言い出すわけです。


愛知にエキノコックス定着 肝障害寄生虫、道外で異例: 日本経済新聞』
というニュースもありました。

キツネや犬や猫のふんを介して、人体に入ると重い肝機能障害を引き起こす寄生虫に「エキノコックス」というものがあります。日本では北海道の風土病になってしまった病気です。
これが愛知の知多半島で定着してしまったそうです。

今、愛知県は様子を見守るのに終始しているようです。

感染研(国立感染症研究所)は「知多半島で定着したと考えられ、調査対象を他のイヌ科動物(キツネ、タヌキ)に広げる必要がある。半島外への流出防止策が必要だ」と警鐘を鳴らす。

一方で県は「調査対象を広げるとなれば、一からの態勢づくりが必要だ」と慎重な姿勢だ。県内の人への感染報告はこれまで3例あるが、いずれも北海道や海外で感染したとみられるという。

北海道でのエキノコックスも当初は一部地域だけだったが1980年代後半以降、道内全域に広がった。住民への検診や、キツネの餌付け禁止などの対策が取られているが、ある自治体の担当者は「いったん広がると駆逐するのは難しい」と早期の対策の重要性を強調している。

これも悪いジャストインタイムの見本です。
愛知県民は肝炎が広がってからジャストインタイムで騒ぎ出すつもりかも知れません。ですが、そのころにはもう手遅れです。「時すでに遅し」です。
愛知県の大村秀章知事は新型コロナ対策である程度有名になったかたです。大村秀章知事は火事場の対応は上手いものの初期消火は下手なのかも知れません。

ネットのコメントには、

(北海道のように土壌が汚染されて)日本100名水みたいなのがそのまま飲めなくなるの時間の問題かもなあ。10年後はキャンプ場や山の水場も持ち込みや浄水器をつけたり持ってくことが必須になるか。

というのがありました。
こうなって欲しくないから、初期の段階で火種を鎮火させて欲しいのですが、日本人には難しいのでしょうか?

こういったものは、他にもあると思います。
日本人として、そのジャストインタイムな生き方の弊害も自覚して欲しいところです。

参考
エニアグラム、「魂の成長」の前に
エキノコックスについて


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