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[ビースト覚醒 感想] 新たなるヒーローがここに誕生した瞬間である

最高。

新たなトランスフォーマー3部作の1作目である今作。

情報が飛び交い、交錯する、複雑化した社会に比例し、人々の悩みも複雑化している現代。そんな現代において、生まれるべくして生まれた等身大の、ヒーロー誕生の最高のプロローグなのではないだろうか。

確かに気になる点はあったがそれを凌駕する良い作品であった。

以下特に気になった点を2点。


1.音楽との親和性

作品の舞台は1990年代。なので作中の挿入歌は全て90年代のものに統一されている。今作の舞台はブルックリン。ブルックリンといえばやはりストリート文化に象徴されるアメリカンヒップホップのルーツ。要所要所でアメリカヒップホップのLEGENDたちの曲が使用されていた。

その中でも、ペルーに向かうシーンで流れた

Notorious B.I.Gのhypnotize

そしてバンブルビー復活のシーンで流れた 
LL Cool Jの mama said knock you out

世界観、雰囲気、そしてバンブルビーのリベンジとLL Cool J自身のルーツが重なり、劇場で頭ぐわんぐわんに揺らすのをなんとか抑えた。

さらに今回、吹替版で鑑賞したのだが、日本語版の主題歌でsexy zoneの楽曲が使用されていた。公開前は不安視される声もあったようだが、作中挿入歌との親和性バッチリで且つめちゃかっこよかった。

とにかく音楽表現での満足度がえげつなかった。90,sのヒップホップ好きの方は特に満足できるはずだ。

2.他でもないノアのストーリー

マイケルベイが手掛けた以前のシリーズでは、オプティマス率いるオートボットの面々のド派手な3Dアクションと、それに巻き込まれる人間の主人公が人として成長していく外的要素と内的要素の2軸がメインの趣旨だった。

今作では、オートボットとの絆を通し、最後は主人公のノア自らが”友達”のミラージュのアーマーを身に纏い、己の星を、大切な友人と家族を守る戦士として立ち上がるのだ。漢なら戦わなければいけないときがあるのだ。
ノアにとってはまさにそのときが来たのだ。

個人的にはこの展開は大好きだ。
ただの恵まれない青年がスペシャルワンとして成長していく様がとてもいい。

誰もが誰かの大切な人を守るヒーローになることができるのだ。

敵の脅威もかなり絶望的だが、一作目に丁度いい絶望感だった。

そしてラストに何気ない台詞から伏線を回収し、これから広がっていくストーリーのワクワク感を見せて幕引き。

ラスト30分は興奮しないシーンがなかった。

これはオートボットの戦いを描いたストーリーではなく、ノアディアスというニューヒーロー誕生のプロローグに他ならないのである。


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