太陽みたいな希望の彼 J-HOPことホソクと「Outro : Ego」
「下手くそだなあ」と悩んでいることがある。プレゼントをもらったときのリアクションだ。
誰かからもらう贈り物は、贈る側が「あの子が喜ぶんじゃないかな」「いま彼女が欲しいものはコレなんじゃないかな」と、懸命に考えてくれたものである。どこか店まで赴いては悩んで、もしかしたら何か所かの店舗も回ってくれて、それらは私のためを想って使ってくれた時間であり、とてもありがたくて尊い。
だから、私のために品を選んでくれた相手に最大限に「ありがとう」と伝えたい。そして貰い手である自分のリアクションが薄いことで、がっかりさせたくない。
プレゼントを貰ったその瞬間に歓声をあげて、包装袋から勢いよく品を出し、実際にその品をみて「本当にうれしい!」と大きなリアクションを、私はしたい。
そんなイメージは頭の中にはあるのに、なかなかスムーズにできない自分がいる。歯痒い。
それをお手本のように出来ちゃう人が、BTSのJ-HOPE(じぇいほーぷ)である。
ダンスの才に魅了される
7人で構成されたメンバー内では3番目のお兄さんで、本名はチョン・ホソク。ファンの呼び名はそれぞれだが、私は勝手にホビとかホソクと呼んでしまっている。
ホソクと言えば「ダンス」だ。事務所に所属する以前から才があるダンサーとして名を馳せていたそうで、BTS内でダンス番長である彼のパフォーマンスは、まるで重力がないみたいに軽やかで、完全素人目から見ても高速で難易度が高いであろうダンスを、「飄々とこなしているよう」に見せてくれる。素晴らしいアーティストだ。
私はホソクの「全身の姿」がすごく好きなんだけれど、彼はとっても頭身のバランスがよくて、そして線が細い。あの身体の細さでどうやって激しいダンスをこなしているのか全く分からないけれど、どんなスタイリングでも着こなしてしまうスタイリッシュさがある。彼自身とてもオシャレな感性の持ち主らしく、空港ファッションなどで見せてくれる自前の着こなしもさながら、常に整理整頓されている部屋のインテリアは、抜群にセンスがいい。
また、中性的なその美しい顔立ちには、思わず見とれてしまうときが多々ある。鼻筋がスッと高くて、彼の横顔はうっとりするほどきれいだ。
そんなホソク氏は、羨ましいくらいに人を喜ばせるリアクションと、肯定する言葉を持っている。
幸せな気持ちをくれる人
「ボンボヤージュ」マルタ編のビハインドで、ジンとテテとグクが遊園地に行く場面があった。鮮やかな色のグミが並ぶお店を見つけて、グミ好きなジンがとても喜んでいるなか、テテはフラミンゴを見たことがないホソク兄さんのために、「僕ホソクさんのためにフラミンゴをとってあげたいです」と、景品がフラミンゴのぬいぐるみである射的にトライしていた。
宿に戻ったテテはホソクとナムの部屋に向かい、「人形を取ってきました」「射的で……」と控えめに手渡すのだけれど、その時のホソクのリアクションたるや、本当に尊敬しかない。
「うわあ!!!やばい!!!!」「すごい!見せて!」と人形を掲げるように持って、同室のナムさんにも見てみて!と自慢して、きゃはは!と嬉しそうに甲高い声をあげる。
さらに「兄さん!本当に可愛い!」と通りすがりのジンにまでフラミンゴのぬいぐるみをみせる。
ジンが「それはテヒョンが20ユーロも出してとったんだよ」とまた素晴らしい言葉をかけるんだけれど、「本当に!?」「すごい!」「これすぐに作業室に置くから!」とぬいぐるみを離さない。
別の日にもテテは「マルタの雰囲気に合う」という理由で、馬の置物をお土産にホソクに嬉しそうに渡していたけれど、テテは「これもみてください」とばかりに自分で買った指輪もホソクに見てもらっている。それに「すごくかわいいんだけど!」と返しては、プレゼントを机にひろげ「ホースホース!!」と「これはいいよね!」と、テテの指輪も褒めた上に、さらに贈り物に対しても最大級の喜びをみせていた。
これなんです……これを私はしたいのだ。
だってプレゼントをあげてこんな風に反応してもらえたら、とっても幸せな気持ちになる。
目の前でこういうリアクションしてもらえたら絶対嬉しい、そんなことを「素」で出来ちゃう人がホソクという人なのだ。
僕はすごく好きだよ
また、ホソクはメンバーに対し、日々すっと肯定する言葉をかけてくれる人だ。
「RUN! BTS」カナダ編での夕飯時。料理を担当していたユンギに「肉がしょっぱい」と物申す末っ子に「お前が最後に塩をかけたんだろ」と、まるで家族のような言い合いが始まるが、ホソクはスッと「お肉はしょっぱくないし美味しいよ」という言葉を、その会話のなかに落とす。さっと流すみたいに一言を添えてくれる。
「ありがとう」「おいしいよ」「すごいね」「それいいね」「僕はすごく好きだよ」
いつもホソクからは、ポジティブなワードがどんどん飛び出してくる。
弟組たちと仲も良くて、面倒見がいいのがまた彼の素敵なところだと思う。
「RUN! BTS」で「遠足」と称してさまざまな遊びをしては宿先に入り、その休憩中、ジンやユンギ、ナムさんは昼寝をするなか、ホソクは弟達ときゃっきゃと遊んでいたのが、とっても微笑ましかった。末っ子のグクは長兄のジンに対してまあまあ強気な感じだけど、ホソクにはふわふわと甘えているときがある。ボンボヤのマルタ編で髪を半分染めたときもホソクの部屋に向かってはその仕上がりを見せ、「お前が好きなことをやればいいんだ」と真剣に言われて、グクはちょっと嬉しそうだった。またテテが<奇跡の天使様>という、なかなか想像しにくい話を興奮しながらしているときも、一人だけ聞いてあげていたホソクの姿と可愛いテテは、画面越しに見ていて笑顔になった。
同番組で「水遊び」する回もあって、ホソクが体調を崩してしまい、途中ふたたび収録に参加することがあったのだけれど、ホソクが戻ってきた途端に、皆が「きいてきいて!」とそれまでにあったことを彼に次々に話し始めるのが、印象的だった。ホソクは甘えても構ってくれるであろう、自分を受けて入れてくれるような、安心感がある人なんだと思う。
それでいて、ダンス指導の時は鬼のように厳しいらしく、BTS内ではナムさん以外にリーダーの人選をあげるなら「ホソク」らしい。
先日放送されていた「RUN! BTS」エピソード97でそれがなんとなく分かったように感じたのだけれど、ナムさんとジミン、グクがふざけ始めて幼稚園児のように遊んじゃうなか、ジンやユンギは笑ってそれを見ていたけれど、ホソクが「早く戻ってきて」「集中!」と、いつも上がっている口角を下げては「仕事」に彼らの士気を戻していた。
ホソクは「仕事だぞ」とばかりに、緩んだ空気を正す。
収録時間が限られている現場で、制作スタッフからすると、こういうメンバーがいてくれることは、めちゃくちゃ有り難い存在だと思う。
メンバーのちょうど真ん中あたりに、彼みたいな人がいてくれるこのグループは、良いバランスがとれているんだろうな、と感じる。
希望を名乗る彼
私は、最初に彼の芸名を知ったとき、「じぇいほーぷとは??」と不思議な名前だなあ、と思っていた。けれど、芸名のなかに「希望」がつけられている彼は、決まって自己紹介のときに「防弾の希望・皆の希望・J-HOPEです!」と自ら名乗っていて、それってなかなかしんどいはずなのに、凄い人だなぁと感心してしまったのを覚えている。
希望というワード、それを名乗る彼は、いつも画面越し、太陽のような陽気さで明るくいてくれている。
最新アルバム『MAP OF THE SOUL: 7』。発売前に先行公開曲「Black Swan」、カムバックトレーラーとして「Interlude : Shadow」が披露された。
その頃、まだ私も彼らについて知ったばかりの浅い知識ではあったけれど(今も勉強不足なので恐縮しながら)、
「どきどきしない これ以上音楽を聴いても」と綴られたブラックスワンの歌詞や、ユンギの影に追いかけられているMVを見ては、私はファンとして少し落ち込んでしまっていた。
アルバムのコンセプトであろうことを感じるが、応援している側として、彼らは「もしかしたら苦しんでいるんじゃないかな」という勝手な妄想が、随分はたらいてしまっていたからだ。
そんなときに、J-HOPEが主人公のトレイラー、MV「Outro : Ego」が発表された。
まず、歌詞を書くとき受け手の共感となるように、「私」「あなた」「ぼく」という一人称が当たり前だと思っていたので、その歌い手の本名が出ているものをあまり私は触れたことがなくて、そこに驚いたのだけれど、
まるで本人の生き様を語るように歌っているこの曲は、「7年間の苦悩も口の外へ」と中盤伝えられるも、「ただ自分自身を信じて」「信じるまま 向かうがままに」「進む」と綴られていて、希望であふれていた。いろんな考察をとばしたうえでのざっくりすぎる感想だけれど、MVも明るくて鮮やかに色とりどりに彩られており、様々な趣向に溢れていて、見ているだけで楽しいし、刺激的だった。
何よりアップテンポのメロディは聴いているだけで、みるみる高揚感に包まれる。
深夜0時に解禁されたMV、それをまったく言葉も分からず初めて見たそのとき、「彼ら自身が活動を楽しめていないのでは」という私の勝手な妄想・懸念・不安が、全部ぶっとんだ瞬間だった。そして、とっても素敵に口角をあげる彼に、改めて「J-HOPEは希望の人なんだ」と思わせてくれた。
その役割をもしかしたらずっと背負ってくれているのかもしれないけれど、その重さみたいなものを、ポジティブさで上回えてしまう天性の強さが彼にはあるように思う。
最近、「Outro : Ego」を毎日のように聴いている。
仕事が多忙を極めてきて深夜まで作業をしていたりもするが、クリエイティブ脳が刺激されるようでめきめきに今、仕事が楽しい。けれどかたや、未知のウイルスへの不安がずっと隣り合わせにあって、ぎくしゃくした毎日を送っている。
「Outro : Ego」が発表されたあの日の深夜、私はチケッティングをして、北米ツアーのトロントのスタジアムで、初夏に踊りながらたくさん声を出して、この曲をノリノリで浴びようと想像していた。異国の地で、世界中から集まった彼らのファンとともにめちゃくちゃにはしゃぎたかった。
とてもとても、ライブで聴きたい一曲だった。
昨日、ツアーの延期の発表があった。
リスケのスケジュールもまだ決まっていないし、ぜんぜん先が見えないけれど、待っている。
マスクをしながら、今日も「Outro : Ego」を聴いている。「希望の彼」が歌うこの曲は、やっぱり太陽の光を浴びているかのように気分を高めてくれる。
彼の、ホソク自身のストレートな声で聴けた日にはきっと、私は嬉しくて泣いちゃうんじゃないかな、と予想している。
JHOPEに関する記事です☆
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※この記事はほかのサイトから修正しながら転載しています(同筆者)
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