「RTX4060/4060ti炎上事件」とは?良くなった所も沢山あるよ


PCを新調した

最近、5年ほど使い続けていた古いPC(Ryzen3 1200 + GTX1650)が壊れたので、ドスパラでガレリアPCを買いました。RTX4060tiが入っているそれなりに高性能な奴です。

CPU:Core i5-13400F
グラフィックス:GeForce RTX 4060 Ti 8GB
メモリ:16GB
ストレージ:1TB NVMe SSD

GALLERIA RM5C-R46T 『Minecraft: Java & Bedrock Edition for PC、Xbox Game Pass同梱版』
https://www.dospara.co.jp/TC30/MC12691.html

僕は現在無職なのに、なぜこんな大きな買い物ができるかというと…まぁ色々あるのです。そんなに大した理由ではないんですけど、ちょっと秘密です。宝くじを当てたんだなとでも思ってください。
さて、本当ならGTX1650→RTX4060tiという劇的なスペックアップに僕は大喜びの記事を書くつもりだったのですが、僕は今までPCの性能を使い切れたことがあまりなく、またPCで好きなゲームもそれほど多いわけでもなく、「ふう、新調したぜ。少しは、動作面でストレスを感じることが減るかな」という、だいぶテンション低めな感想となっております。なので、長々と書くことはしません。
世の中には、ゲーミングPCが欲しいけど買えない人がたくさんいるというのに、仕事もしていない僕があっさりこんなに良いPCを買って、さほど喜んでいないという事実に、少しだけ罪悪感を感じているくらいです。
まぁ、ゲーミングPCの性能は、ゲーム以外にもいろんな用途に活用できますし、腐らせることは無いと思います。
それに、来月発売されるゲーム「スターフィールド」は多分発売日買いすると思うのですが、このゲーム、動作要件的に僕のPCの性能をフルに活用できるはずなので、それは楽しみにしていますね。
色々と微妙な気持ちを書き連ねましたけど、なんだかんだ新しいPCを買うというのはテンションが上がるものです。上がらないわけがないのです。僕は、こんなに良いPCを、今後5年、10年と使い続けられるかもしれないのです。こんなに長い期間に渡って、QOL(生活の質)を上げてくれる買い物を僕はほかに知りません。
ゲーミングPCは高価だとよく言われますが、一度きり投資するだけで長い期間使い続けられることを考えれば、とてもコスパの良い買い物だといえます。ゲームに使うもよし。画像編集や動画編集の仕事に使うのもよし。AI関連に活用するもよし。ゲーミングPCを買うだけで、とても充実したPCライフが約束されているのですからね。

本題:RTX4060tiの評判が悪かった

さて、今回の記事の主題に入りましょう。RTX4060/4060tiシリーズの炎上騒動に対して、ちょっとした雑感を述べるという内容になっております。
元々PCが好きで、PCパーツ関係の話も昔はよく調べていたのですが、最近はPCに対する興味が薄れていたので、「おっ、ドスパラで最新世代のGeforceグラボの60tiが結構安いじゃん!買うか!」という場当たり的な買い物だったんです。
RTX4060tiのPCを手に入れたテンションが上がった僕は、「一体このPCはどれくらいすごいものなんだろう」という好奇心(と優越感に浸りたい気持ち)から、YouTubeでRTX4060tiの動画を見て回ったんですよ。
すると、前世代のRTX3070 3060tiのほうが良いと主張する動画や記事が続々とヒットし、動揺してしまったのです。もしかして、僕の買い物は失敗だったのか…?看過できない事態なので、僕はその一日を潰す勢いで、全力でRTX4060/4060tiシリーズ問題について調べたのです。
普通、グラフィックボードに限らず、半導体関連の製品は、年月が経てば経つほど価格対性能、つまりコスパが良くなっていくはずです。
特にグラフィックボードは、世代が進めば性能が大幅に上がるのが慣例です。
だから、GeforceやRadeonといった、グラフィックボードの新型の発表はお祭り騒ぎになるわけです。
ところが、僕が買った問題のRTX4060tiは、3060tiからベンチマークがほとんど上がっていません。上がっているには上がっているのですが、ほとんどのスコアで、前世代のRTX3070に敗北しています。
この結果には、衝撃でした。RTX4060tiという選択は、間違いだったのか?
どのレビュワーを見ても、酷評を下している人がほとんどでした。「RTX3060tiからメモリのバス幅が256bit→128bitに半減した」「希望小売価格が上がった」「はっきり言ってRTX3060tiかRTX3070を買った方が良い」といった酷い言われようです。

プロセスルールの進化とベンチマークの矛盾の不思議

でも、これって不思議ではないですか?RTX3000シリーズから4000シリーズに以降するにあたって、内部の半導体の製造プロセスはSamsungの8nm→TSMCの5nmに進化しているのです。
一般的に、半導体が進化してプロセスルールが微細化すれば、消費電力あたりの性能は飛躍的に上昇します。
過去にはプロセスルールの変更がなくても、アーキテクチャの改良で大きな進化を遂げたGTX900シリーズ(Maxwell)のような例も存在しますが、基本的にはグラフィックボードの性能向上はプロセスルールの微細化とセットです。
Samsungの8nmとTSMCの5nmにどれほどの差があるか詳しくはわかりませんが、「1. 同じプロセスルールならSamsungよりTSMCの方が高品質」「2. Samsungの8nmは同社の10nmのリネームのようなものという噂(つまり7nmよりはほぼ10nmに近い型落ちプロセス)」「3. そもそも7nmと5nmの差はそれなりに広い」といった理由から、TSMCの5nmという非常に高品質なプロセスルールを使っているRTX4000シリーズが、Samsungの8nmを使っているRTX3000シリーズに苦戦しているというベンチマーク結果がまずおかしいわけです。
必ずどこかにしわ寄せが来ています。調べた結果、おそらくメモリバス幅が半減したのが原因だろうということでした。

NVIDIAの選んだトレードオフ

では、NVIDIAはなぜメモリバス幅を半減させたのでしょうか。ネットを見た感じだと、「コストを削減して利益率を上げるため」と言っている人が多いようです。
確かにそれも大きな理由のひとつでしょうが、NVIDIAの公式声明で「メモリバス幅を削減することでパフォーマンスが落ちるのは事実だが、代わりにL2キャッシュを強化することである程度ボトルネックを解消することができ、さらにワットパフォーマンスが上昇する」という声明を出しているようです。
もちろんNVIDIAの大本営発表ではあるので完全に鵜呑みにはできないかもしれませんが、RTX4060tiはRTX3060ti比でTDPが200W→160Wに大幅に低下しており、また筐体サイズも一回り小型化されていることを考えれば、少なくともNVIDIAは嘘は言っていないということはうかがえます。
そして、これは僕の個人的な好みの話にはなるのですが、省電力、低発熱、コンパクトなのは好感度が高いです。
まず、省電力ということは、電源ユニットを多少はケチれるということですし、電気代も下がります。発熱が下がれば、PC温度や排熱機構に安心が持てます。静音にもなります。
また、コンパクトになれば、グラフィックボードに支柱を立てる必要がなくなります。
ハイエンドのグラフィックボードを使っている方は、重さが不安で支柱をセットしている人が意外とたくさんいるようです。元々補助電源不要のグラフィックボードを渡り歩いてきた僕としては、「グラフィックボードというものはPCI-Expressにセットするだけで使えるものであるべき」という拘りが強いので、見栄えの悪い支柱はセットしたくありません。その点、軽量で支柱が必要ないRTX4060tiは、僕の拘りにマッチしていて、好感度が高いです。

結論:これはこれでアリ?

メモリバス幅が半減というのは確かに衝撃的ですが、そういった側面を理解したとき、僕としては色々と腑に落ちましたし、RTX4060tiを選んだのは間違いではなかった、という結論に至ることができました。
RTX4000シリーズのミドルレンジは、年々重厚巨大化する一方のグラフィックボード競争に、一瞬のクールダウン期間を設けるようなコンセプトのように感じました。
数年に一度のグラボのアップデートなのに、性能があまり上がっていないというのはがっかりする人も多いのかもしれないですが、僕としてはこういう路線もたまにはアリだと思います。
近年グラフィックボードは性能競争が激化しすぎて、TDPは上がる一方で、筐体サイズも大型化する一方でした。
数年に一度のグラボのアップデートなのに、性能があまり上がっていないというのはがっかりする人も多いのかもしれませんが、加熱しすぎたものはいったん冷却する必要があるのだと思います。「省電力」「低発熱」「小型」といった要素に「安心感」を覚えるのは、僕以外にも居るはずなのですから。
最近「RTX5000」がTwitterのトレンド入りしていましたが、結局RTX5000シリーズも2025年以降になるといいますし、買い時は欲しくなったとき、というのは間違いないのだと思います。以上、ネットで中々語られることのなかった「RTX4060/4060tiの良いところ」の話でした。

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