朝ラーメンの思い出
明け方の新宿で麺を食べています。
もう20年近く前の話になりますが、喜多方で演劇指導をしていた時のこと。
毎週末泊まりがけで行っていたのですが、行くたびに現地の方々から手厚くおもてなしを受けまして。
酒蔵の街らしく、日本酒をたらふく飲み、
地元ならではの料理の数々に舌鼓をし、そろそろ〆ようと、明け方に近い時間に眠りにつく。
かと思いきや。
本当の〆は、寝起きに始まる。
喜多方には『朝ラーメン』という文化があるという。
「これを紹介しなきゃ、喜多方にわざわざ来てもらってる意味がない!」らしい。
うつらうつらとし始めた頃、携帯の着信音が鳴り響き、『ラーメンですよ、支度をば!』と起こされ、すでにホテルの下で待機されている。
喜多方の人って…元気だな。
とはいえ、なかなか大食いの私。
しかも20代半ばなんて酒も食べ物も無限に腹に放り込めた。
食べること自体は結構余裕だった。
30代になってから食べられるようになったものが3つある。
・鍋
・味噌汁
・ラーメン
それまでは何が美味しいのか分からず、特にラーメンは存在自体が不思議で仕方なかったほど。
酒の〆にラーメンなんて言語道断だよって話。
…。
喜多方の朝ラーメンを経験したことにより、無理なものは無理!と好きなことしかやらないし食べてこなかった私は、少し大人になったと思う。
めちゃくちゃ美味しいものを必死で食べていたことをいまだに申し訳なく思っている。
そしてラーメン大好きな今こそ、喜多方の朝ラーメンを味わいたい。
なんなら朝ラーはしごしたい。
ちなみに今は、富士そばを食べて〆ている。
近所に『坂内』できないかなあ。
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