【創作ss】 こねこ座

ぼくはねがったんだ。
いままでいろいろなものになってきた。
でも、やっぱりあのこのところでまたいきたいって。

そうしたら、かみさまがきいていたみたい。
ぼくにこういったんだ。

『ひとつ、今までのように声を発することはできない。
 ふたつ、未来を自分で決めるということは、
 輪廻の輪から外れることになる。』
『それでもいいのなら、私がお前に自由な身体を与えてやろう』

そうしてぼくは、かみさまにこねこのからだをもらったんだ。
30ねんまえに、ぬいぐるみだったぼくをたいせつにしてくれたあのこのところでいきるために。


かみさまにもらったからだは、あのころのぼくのすがたとかわらない。

じゆうにうごけるようになっても、そのほかはなにもできないままなんだ。
からだもおおきくならないし、こえもだせない。

だけど、あのこがくれたくびわのすずをならすことで、ぼくはあのことおはなしできるようになれたんだ。

あのこはぼくに、いろいろおはなししてくれたんだ。
あのこはさいごにわらいかけてくれた。ぼくはそれだけでうれしかった。

いまはね、おそらからあのこをみまもっているんだ。
ぬいぐるみのすがたでも、こねこのすがたでも、ぼくをたいせつにしてくれたこ。

ずっとずっとだいすきな、ぼくのたいせつなこ。


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