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健康経営コラムvol.13 治療と仕事は両立できる。“万がいち”のときまで社員に寄り添う会社

※本記事は2分で読むことができます。

「健康経営優良法人」企業の取り組みインタビュー
株式会社向茂組 様

■ 取材企業 ■

・企業名:株式会社向茂組
・業種 :建設
・従業員:72名(男59名・女13名)/グループ全体:141名(男122名・女19名)2021年4月現在
・所在地:滋賀県
・認定部門:中小規模法人
・会社HP:https://www.mukoshige.com/?_fsi=jF4AP3ac

建設業が向き合う課題

労働人口の減少や、残業時間規制によって厳しい局面に立たされている建設業界。その中で、もともと行ってきた取り組みが評価されて健康経営優良企業(中小規模法人)に認定されたのが、滋賀県の株式会社向茂組だ。従業員の多くは50歳以上、高齢のドライバーも多く抱えている。加えて、公共工事や災害復旧などを請け負っているため、業務時間のコントロールも難しい。以前から、従業員一人ひとりの体調管理には特に力を入れてきた。

「鬱で体調を崩されたり、再検査を受けずにガンで亡くなってしまう従業員もいたので、健康に関しては留意してきました」と語るのは、向春美社長。社員それぞれに、時には厳しく定期健診や再検査の受診を呼びかけてきた。定期健診の項目も、眼底検査を取り入れるなど同規模他社に比べて広範囲にわたって行っている。
健診の結果で異常が見つかれば、会社に通知が来るような体制を整備。従業員もなにか問題を抱えている場合、気軽に会社に相談できる雰囲気も当たり前として根づいている。「昔から、なにかあったときに病院に付き添ったり、復職について相談したりという体制ができていました。最近も、定期健診で同時期に三人の方のガンの発見につながり、ようやく取り組んできたことが実を結んだのかなと実感しました」と、社員との密なコミュニケーションは病気の早期発見にもつながっている。

疾病した場合まで考える 療養しながら働ける職場へ

「定年を迎えるまで、安心して長く務めてもらいたい」。その思いから、予防や体調管理だけではなく、“万がいち”の場合についても対応を行ってきた。病気が見つかった場合でも、治療を続けながら仕事を行える体制を整えている。かかりつけの医師と定期的に連絡をとりながら、可能な範囲で業務を続けられるよう調整。疾病した当事者が、会社や同僚に自分の体調について相談しやすい環境も、この制度を支えていた。

「療養で家や病院にこもりきりだと、気が滅入ってしまうという方もいます。本人の無理のない範囲で、周囲の協力も得ながらできる環境をつくっています」と、これまで数名が治療と仕事の両立を実現してきた。
今後は、コロナ禍で滞っていた社員旅行や、希望者にトレーニングジムへの入会補助制度の実施なども視野に入れている。「高齢の社員も多く活躍してくれているので、今いる方に、健康で長く働いてもらうことが一番大切だと思っています。会社としてできることは精一杯手伝いたい」。労働人口の減少や高齢化が進む中、一人ひとりのコンディションを整え、生産性を高めることが会社として求められる。定期健診や再検査の受診率を高めたその先に、病気を抱えてしまった従業員とどう向き合うか。そこまで寄り添うところに、向茂組の強みがある。

※取材、文:株式会社empheal(エンフィール)


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