推し活のメカニズム 3月27日(水)朝日記

人はなんで人を推すのだろう。
ひとたび推せば財布の紐は緩み、フットワークは羽が生えたように軽くなる。

「推し」とは、好きな人やもの、応援したい人やもの、人に勧めたいほど気に入っている人やもののことを指します。

ファイントゥデイ資生堂による定義

この調査では、

気分が落ちた時に力をくれるものを聞いたところ、(中略)「推し」には睡眠やお風呂を超えるリカバリー力がある。

ファイントゥデイ資生堂による調査

とまで言っている。

一体何がそこまでさせるのか。
自分の推し活を振り返ってみようと思う。

私史上最大の推し活は、ラーメンズだ。
一番ハマってた高校時代は、ラーメン屋の看板を見るだけでドキドキしていた。

それまでは、関西のコテコテ漫才や、Mー1にどっぷり浸かっていて、コント自体にあんまり興味がなかった。

Mー1きっかけでおぎやはぎを見てみようとなって、TSUTAYAにビデオを借りに行ったら、『君の席』というユニットのライブを見つけた。
そのメンバーが、おぎやはぎ、バナナマン、そしてラーメンズだった。

なんかやたらと演技くさい人が一人いるなーと思ったのが小林さんで、逆に何も考えてなさそうだなーと思ったのが片桐さんだった。

お笑いコーナーを見ると、ラーメンズの品揃えが異様に良いので、何者なんだと思い、「東京のお笑いも勉強せねば・・・」という謎の使命感で借りてみた。

そこで初めて、ツッコミとボケが存在しないお笑いというものを見た。
特に『レストランそれぞれ』というコントが好きで、別に何も特別なことは起こらず、コントを見て、笑いではなく幸せ感が込み上げてくるのが新鮮だった。

かと思えば、『採集』『小説家らしき存在』のように、コント見てるのになんでゾッとさせられなきゃいけないんだ!と不安に思ったのも、ラーメンズが初めてだった。

ここでしか摂取できない栄養がある・・・!
そういう直感がむくむくと実感に変わっていった。

いつの間にか、ロングインタビューが載っている『広告批評』という定価500円の雑誌を、プレ値5,000円で買ったりして、完全に沼にハマっていた。

そうやって情報を集めていくと、台本を書いてるのは全部小林さんで、普通のお笑いを作ろうと思ってもできない人なんだということが分かってきた。
だから自分のやりたいことを煮詰めて煮詰めて、こんなヘンテコなものを出しているのかあ、と思うと俄然愛おしくなった。

次第に、「このセリフめっちゃ小林さんっぽいな〜」とか「そこに目をつけちゃうとは愛いやつ」とか、コントじゃなくてそれを作っている小林さんに焦点を合わせて見るようになった。

ラーメンズだけでもお腹いっぱいなのに、小林さんが椎名林檎の『茎』という曲にPVにゲスト出演していたのを見て限界突破した。
林檎ちゃんにもどハマりしていた時期なので、このコラボはズルすぎた。

大人になってからはもう追いかけていなかったのだけど、こないだふと情報が飛び込んできて、KREVAと小林さんのコラボで「新しいラップの教室」というのをやるらしい。
今度は彼氏が好きなKREVAとコラボかい!と、また不思議な縁に導かれてチケットを買ってしまった。

私の場合、

①そもそもお笑いが好きだった
②今まで見たことないお笑いを勉強したい(半分義務感)
③思ったより自分の常識とかけ離れていてびっくり
④どうしてそんな発想になるのか気になる
⑤知れば知るほど愛おしくなる
⑥他の好きな人とのコラボでドライブがかかる

という流れで推し活をしていた。

意外と義務感はじまりだったんだなあという発見。
あと③の衝撃が大事ってことも分かった。

そして、④くらいまで好きになっている分野がポツポツあるので、それを深掘りしていけば⑥の可能性が広がって、推し活の連鎖が起こせそう。

そんなことより、久々にラーメンズ見たくなったから見ます。

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