英雄の真価~ベートーヴェンのカルテ

19世紀初頭。
難聴だったベートーヴェンはトランペットみたいな形状の補聴器を使って、オーケストラの音をチェックしておりました。
もちろん、現代の電子補聴器には遠く及ばない、単に集音器としての役割しか果たさないようなシロモノでしたが。
それでも、ないよりは良かったらしく。
眉間にシワ寄せたベートーヴェンが、やたら大きな補聴器を使用する風景を想像すると、ちょっと可愛い・・・。
というか、それよりも。
これ、レオノーラ・カリントンの『 耳らっぱ』じゃあないですか!?
それって実在してたのぉ(*º ロ º *)!!と。
幻想小説ファンとして、妙に感動いたしましてね。
だって、音を出すはずのラッパで音を聞くなんて、単なるナンセンスモチーフだと思ってたんですよ。

それでなくても、最近。
コーヒーを煎れるにあたっては、その都度、豆をきっかり60粒数える・・・・。
そんな可愛らしいエピソードを、どこだったかで読んで以来、ちょっぴりベートーヴェンのファンになっておりましてね。
たまーに聴いてるんですよ。
時代的にもフランス革命期にあたるベートーヴェン。
背景がイメージできると、少し聴こえ方も違うみたいで。
この頃は、ベートーヴェンのジャカジャカ威張った交響曲っぽいのも悪くないなあ❤
というか、時系列で聴いてみたら。
やっぱりベートーヴェンって凄いんじゃん!?
ということが、ようやく腑に落ちたというか、なんというか。
イベント的にコンサートには行くけど、特にクラシックファンってわけじゃない人間が音楽の神様を語って良いのだろーか?
というあたりは、棚に上げさせていただきまして。
ちょっとお喋りしちゃおうかなあ、と思っております。
よろしければお付き合いくださいませね。

そもそも。
ベートーヴェンって。
作品もジャジャーンとしてますが。
言ってることも、結構ジャジャーンとしております。
権力者におもねらないぞ!とのハナイキも荒く。
空気読まずに、周囲をハラハラさせる困ったオッサンぶりは、個人的にやっぱりちょっぴりツボなので。
伝記っぽいのは、ちょいちょい目についてしまうのですが。
確信犯? もしくはセルフプロデュースなの?って勘繰ってしまうKYエピソードも多々あったりいたしまして。
「ベートーヴェンの聾は実は詐病だった説」とか、個人的には大好きなんですよ。
障害を隠れ蓑に。
ウィーン体制に反抗して秘密諜報員として大活躍(。ì _ í。)!
なんて。
とーっても楽しい。
んですけれど。
ベートーヴェンの個人主義的な自由主義からすると、どうやら、そういう政治活動はしてなかったようにも思われ。
そもそも、そんな活動する余裕がないくらい、ベートーヴェンの人生って不幸で忙しいんですよねえ。

ここから先は

4,512字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?