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Bリーグの「フェイズ2」~主要人事異動から推測する今後の方向性~

 2020年8月13日から8月16日にかけて、Webメディア「BASKET COUNT」にて、Bリーグのインタビュー特集「フェーズ2のBリーグを占う」が行われました。特集では、本年に入って行われた主要人事異動後のBリーグ「フェイズ2」について、Bリーグのトップマネジメントの皆さんが語っています。

第1回:Bリーグ代表理事COO 古川宏一郎氏
第2回:Bマーケティング執行役員 増田匡彦氏
第3回:Bマーケティング取締役兼Bリーグ執行役員 佐野正昭氏
第4回:サービス企画本部 副本部長 原田賢悟氏

 今回は、主要ポジションに就任した方のご経験や実績人事異動から、フェーズ2に移行した、今後のリーグの方向性を簡単に推測してみたいと思います。

Bリーグ:フェーズ0~1

 2005年から始まった、NBLとbjリーグの分断、2013年のFIBAからの「警告」など、バスケットボール界は混迷を極めていたため、川淵氏主導の改革によるリーグ統合が進み、2016年9月22日にBリーグが始動しました。
 その後、3期に渡り発展を遂げた大河体制の「フェイズ1」は、「立ち上げ前の混乱とは裏腹に、非常に良い滑り出しを見せた」と評されています。そして2020年、功労者である大河氏やマーケティング面を主導した葦原氏などの主要役職者が身を引きました。

Bリーグ:フェーズ2

 そして、千葉ジェッツふなばし(以下、千葉ジェッツ)を2019年まで率いてきた島田慎二氏が新たにチェアマンに就任し、周囲を固める人事にも変化がありました。バスケットカウントさんでもインタビュー記事が掲載されています。

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Bリーグ各クラブの経営健全化の必要性

 今回チェアマンに就任した島田氏は、千葉ジェッツでBリーグ始動開始から4年連続で観客動員数No.1、SNS数No.1(2020年8月現在)、天皇杯三連覇(2018-2020年)、収益力No.1(約17億円 / 2018-19シーズン)といった非常に優れた実績をあげています。Bリーグは、そのような好調なクラブがある一方で、資金面の悪化によりクラブライセンス資格審査に抵触するクラブが散見され、実際に下部リーグに降格したクラブも存在します。リーグとしては、今後ライセンス基準を引き上げることも明言されています。

 Bリーグの発展のためには、各クラブの経営が健全化し、全試合で質の高い試合の実現、観客数や視聴数の増大、リーグ全体の収益向上といった好循環を生み出す必要があります。島田氏には、Bリーグトップクラブの経営者という立場から感じていたであろう「Bリーグのあるべき姿」を、チェアマンという立場から実現することに期待できるのではないでしょうか。

Jリーグクラブにおける成功事例の転用

 今回代表理事COOに就任した古川宏一郎氏は、日産自動車を経て、関連会社である「横浜F・マリノス株式会社(以下、マリノス)」で代表取締役社長を務めました。横浜F・マリノスは世界トップクラブの一つである「マンチェスターシティFC」を含むシティフットボールグループ(以下、CFG)の一員です。

 古川氏には、国内トップクラブで推進してきたマーケティングノウハウや、またCFGの一員として世界トップクラブの知見を得た経験を活かし、Bリーグの各クラブの経営健全化支援や、今後のBリーグの成長戦略として掲げているアジア展開の推進に期待できるのではないでしょうか。されているのではないでしょうか。

まとめ

 Bリーグ全体の発展は、各クラブの発展なしには実現できませんが、Bリーグが「フェイズ2」に移行することで、各クラブの「フェイズ2」への移行に期待がかかります。
 今回の人事では、単に若返りが図られただけではなく、クラブの経営強化等の実績を持つ人材が登用されているため、リーグの立場から、各クラブの次フェイズへの推進とリーグ全体の発展を同時に実現できるのではないか、と推測しました。

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