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イメコンとの距離感について考える

自分がやりたいことを考えた時、「かわいい」の表現や誰かへのオススメが感覚でしかできないので、理論的に言葉や文章で説明できるようになりたいと思いました。
そのため、カラーアナリストや骨格診断などイメコンに関することが分かっていた方が良いかもしれないと思い、今月はイメコン系スクールの説明見学会へ行く月間にしていました。
ちなみに私のイメコン経験値は、オンラインで簡単なカラー診断はしてもらったことがあるだけ(おそらくブルべ夏、との診断でした)。イメコン界隈の人のSNSのプロフィールに書いてある「PC」が何の略か分からないぐらい、無知です。

見学に行ったスクールは4つ。
どのスクールも良い意味でも悪い意味でも衝撃的なことがあり、特に心に残ったことを書きながら私とイメコンとの距離感について考えていきたいと思います。


①それ絶対納得してないやつ~!

最初に見学に行ったスクールの担当さんは、1対1で丁寧にヒアリングした上でスクールで学んだことをどう活かしていけるかたくさん提案してくれました。
その中で担当さんは骨格がストレートだけど元々ウェーブの方が似合うような小花柄・透け感のあるブラウスやハイウエストのお洋服が好きで、着ると迫力が出て似合わなくてずっと悲しい思いをしてきた、骨格診断に出会ったことでやっと似合わない理由が分かったとお話ししてくれました。

でもね、その話をしている時に「や、私はもう納得してるからいいんですけどね、好きなんですけど自分には似合わないのでこういった服を着てるんです。」と何度も言っていたんですよ。
目を逸らしながら言うし、それ「私はいいんだけどね~、でも〇〇って▲▲じゃない~?」て給湯室で後輩に圧かけるお局のソレじゃん(ド偏見)…つまり、全然納得してなくない?!て、ずっと思いながら聞いていました。
骨格診断で「似合う」服が分かってお洒落にアップデートできているはずなのに、何だか息苦しそうだな…と感じて私も苦しかったです。
「好き」なテイストの服があるということは、ぼんやりとでも「なりたい」何かなど理由があるんだろうなと想像します。
「好き」なものが明確にあるのに「似合う」が理論的に診断されてしまったがゆえに「好き」を楽しめないなんて…あなたみたいな人にこそ自問自答ファッション講座/教室を受けてほしい!!!!!と強く念を送りながら帰宅しました(誰?)。

②それ本当に"自分で"服を選んでる??

2つめに行ったスクールは、少人数グループに対して創設者の方(仮にAさんとします)が直接説明してくれたんですが、個性が爆発していてまじで超面白かったです。

Aさん曰くイメコンという仕事は、「自分で服を選べるようになって、服で人生がハッピーになるよう外見からサポートをする(超意訳)」ことだそうです。診断しただけではお客様が自分で服を選べるようにはならず、また、自分たちもリピーターができないため、Aさんはお買い物代行やワードローブチェックをすることが大事だと繰り返し言っていました。

私が違和感を感じたのは、「お買い物同行をするためにたくさんのお店を事前に下見して、たくさん取り置きして、どんどん試着してもらって『はい、これ似合う。はい、これ似合わない、次。』と選んでいって何十万と買っていかれる。お金持ちでもない普通の会社員の人たちが何十万と服に使うことに、それだけ責任の大きさを感じるけど『Aさんのセンスが好きだから、Aさんに選んでほしいから。』と言ってもらえることに喜びを感じる。」というお話。
イメコンの仕事は、お客様が「自分で服を選べるようになる」ようサポートするんだよね…?それ、お客様自身が選んでることになるの…?Aさんが選んだ中から診断に合う服を取捨選択してるだけだけど、Aさんがいなくても成立するの…?とずーーーーっと頭に「?」が浮かんでいました。
個人的に「自分で服を選べるようになる」ためには、お客様自身にリサーチしてもらって、お客様自身がお買い物の計画を立てて、そこに同行してアドバイスをする形の方が良いのでは?と思ったりしました。
たとえAさんが事前の下見と提案をする形だとしても「自分で服を選べるようになる」ためには、ただお買い物同行をするのではなく、その内容と結果をどうお客様にフィードバックするかが大事なんじゃないかな?と思うんですが、どうなんでしょう…スクールに通ったら教えてもらえるのかな……。
生きていく中で全てのプロになることは無理なので、ファッションという分野において信頼できる人をつくってお任せするのは必要なことではあると思うんですが、イメコンの目指す先と説明内容に乖離があって、スクールに通った後にどんなサービスをお客様に提供できるのか、イメージを持ちづらかったです。

これはタイトルからズレるかもですが、診断でカテゴライズできたとはいえ、「自立」を促すための支援が画一的なのはどうなの?とも思いました。
たとえ同じカテゴリーに入っても、「服が選べない」理由は人それぞれだと思いますし、みんながみんな「似合う」が分かれば服が選べるようになるとは思えないんですよ…。
これは前職の看護師時代に、患者指導において「患者が自立して退院後も自分で〇〇ができる」を看護目標に挙げてきた後輩に対して「この患者さんにとっての自立って何だと考えているの?」と何度も聞いてきたことが影響しているのかな~。
看護師ー患者、イメコンアナリストー客、では求められるものや関係性が異なりここまで突き詰めなくても良いのかもしれませんし、イメコン・ファッションにそこまで求めるのは間違っているかもしれませんが、耳障りの良い言葉だけが並んでいる気がして私はダメだ~!となりました。


③全ては顔?!

カラーと骨格が分かって、その通りに服を選んでもしっくりこない人がいる、というのは何となく聞いたことがありました。
その上でAさんが辿り着いた答えは、「顔」。「肌の色、骨格は個性になりません。顔です!」と笑顔で言い切っていて、「そ、そんな殺生な~!」とひっくり返りそうになりました。
カラーはイメージをつくる、骨格はスタイル良く見せる服が分かるだけで、顔タイプが分からないとスタイルが分からない=個性にならない、ということだそうです。
ええ~、じゃあ診断結果を元にスタイリングしていったら、同じカテゴリーの人は同じ個性になって?つまりそれは個性なのか?!と禅問答を始めましたが答えはまだ出ていません。個性って何なんでしょうね…?


④人はスタイルを良く見えるために服を着る??

骨格診断はスタイルを良く見せるためのもので、お洒落に見えるものではないそうです。「だけど、みんなスタイル良く見えた方がいいよねえ?」と言うAさんに、私は「そうかなあ~?」と思っていました。
たとえモデルのような体型をしていても隠したい人もいるだろうし、芸人のバービーさんのように豊満なヒップをアピールしたい人もいるだろうし、自分を知るためのツールとして骨格診断を使うのは良いことだと思うけど、スタイル良く見せるために使うツールとして提示されると苦しく感じてしまいます…。
K-POPオタク最盛期の時、韓国語教室の先生が「韓国で『スタイルが良い、好み』と言うと内面も含めたその人らしさや生き方を指すのに、日本は外見だけという受け取り方ですよね。」と言っていたことをふと思い出したりしました。
外見を診断して、外見から「その人らしさ」を導き出すものだから仕方がないとは思いますが、ルッキズム助長させてない?大丈夫?と心配になります…。

⑤え!ないの!?!??!

「骨格診断はスタイルを良く見せ、カラーはイメージをつくり、顔タイプはスタイルをつくる。服は色、形、素材で構成されており、それぞれ「似合う」が分かるのがイメコン。でも、この3つ全てが叶う服はない。全てが叶う服を探すとなると大変だし、2つの要素をうまく組み合わせることで素敵になれる(超意訳)」
これを聞いた時、イメコンについて無知な私は「え!ないの!?!??!」とシンプルにびっくりしました。てっきり3つの診断結果を元に、それらを組み合わせながら素敵になれると思っていたので…。
分析して、数値化して、理論的に「似合う」をそれぞれ出しても、3つの要素を叶える服は存在しない。
希望と絶望を一緒に味わせてくれるいイメコンの世界、なかなか茨の道のように感じました🥀

⑥イメコンを目指す人がみんな同じに見える

いろんなサイトでイメコンを受けた変化を見せるためのbefore/afterのモデルさんを見ていた時、「生き生き」とした「自信にみなぎった」「笑顔が素敵」で「姿勢の良い」「女社長」のような写真ばかりで違和感を覚えてしまいました。
何か、長い髪を片側に寄せて、斜め45度の角度で足を組みながら会話する感じ(伝われ)。相槌うつ時「うん、う~ん⤴︎」と鼻息多めな感じ(伝われ)。
参加者の方たちも同じような印象で…もちろん全員着ている服はみんな違うんですが、印象が同じに感じられました。個性とは何か、という禅問答がまた始まりそう。
これは完全に私の人間性が問題なんですが、「あ~、糖衣かなり厚めにしないと話せなさそう~!」と直感してしまったんですよね。その証拠に、相談会ではピアスを髪で隠してました。


⑥内面は話し方やしぐさだけ?

3つめのスクールは、内面も含めて「似合う」と「好き」を組み合わせたスタイリングをしていくという内容があり、おお!と前のめりになって聞いたんですが、内面の要素が話し方としぐさの2項目だけでした。
話し方やしぐさはいくらでも印象操作できるような気がするんですが、関係性のできていないお客様のどこを見て判断して点数化するんだろう…自問自答ファッション的に言うと糖衣と正露丸、どちらを纏って外に自分を出しているのか/出したいのか、によってスタイリングはかなり変わる気がします。
何よりお客様がその話し方やしぐさになるまでの過程や考えが大事だと思うんですが、外見から「その人らしく素敵になる」ためのアプローチをする方法なので、外から見える部分だけピックアップしてスタイリング提案していくのは仕方ないのかな。
たとえそれらがヒアリングできたとしても無視するのはお互い悲しい気がします…でも、そこまでいくとカウンセリングになるから難しいか……。
カウンセリングまでいかなくてもヒアリングできるようになるための講義や実技はあるのかなと思いましたが、説明してくださった方の話し方からは、そこまで個別性に沿った対応をしてもらえる印象は持てませんでした。



ここまで書いてきて、「イメコンdisしたいだけかよ。」と思われるかもしれませんが、そんなつもりは全くないです。むしろ、私は元々突き詰めて考えることをせず、「へ~、そういうことなんだ~(大の字)」とぼんやり納得しながら生きてきたタイプなので、なぜ「似合わない」のか考え、理論的に証明する人に対して尊敬の気持ちを持っています。
似合わなかったら「うーん、なんで似合わないか分からないけど、着た時に自分が求める姿にならなくてテンションも上がらないから仕方ないか。別のもの着よ~!」で終わり。そうやっていろいろ買って、着て、失敗して、なんとなーく自分に似合うものを見つけてきた完全にPDCAの”D"しかしてこなかった人生なので…。

でもどうやら私は内面と外見を割り切って人を見ることができないようで、イメコンとは考え方が合わないように感じました。これは私自身が外見なんて当てにならないんだな~!と感じてきたからだと思います。
私の第一印象には、「清楚・物静か・かわいらしい・女子アナっぽい」といった言葉がよく並びます。
でも内面は、「声がデカい・大口開けて手を叩きながら笑う・下ネタどんとこい・動きが変・面白いことや好きなことに一直線」と割と騒がしく活発な人間。
高校時代の友人に「最初はフローラルの香りがする子だと思ってたのに、実際は掃きだめみたいな香りだよね。」と言われたこともあります。
服を買いに行くと「似合う」とされるのはピンクや淡い色、ふんわりとしたトップスにAラインのきれいめなスカート。これらは自分でも「顔面に似合ってるな~!」と思う反面、「心が死ぬな~!」と思って頑なに着てきませんでした。
ピンクをおすすめされればされるほど、黒を選んできたように思います。

自分を知るアプローチとして外見/内面から、どちらも必要で優劣はないですが、答えの出ないことをぐるぐる考えることが好きな私には、イメコンは深めるのではなく知識として知っておく程度の距離感が良いな、という結論です。
スクールそれぞれに特徴があって面白かったですし、説明見学会を通して自分について改めて考え知ることもできたので良い経験になりました✨
最後に個別相談会をしてくださったスクールは代表の方と直接お話しできたんですが、お話ししていてワクワクしたし、自分がやりたいことに対していろいろと提案もしてくださり(無料の相談会なのに!多謝!)、個人的にめちゃくちゃ良かったです。
情報と経験を揃えたので、今後どうするか自問自答していきます!

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