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“名もなき家事”ならぬ“名もなきストレッサー”に注意を

名もなき家事ということが少し前に話題になりました。
掃除や洗濯などのように家事として具体的な名前はついていないけれども、生活する上で必要な細々とした作業を指しています。例えば、「洗濯機のフィルターのホコリ取り」「植木の水やり」「結露取り」「ペットボトルのラベルはぎ」「ごみの分別」「トイレットペーパーの補充や消耗品の詰め替え」「ダイレクトメールの宛名ラベルはぎ」「クレジットカードの明細確認」などなど、、、キリがないほどあります。

その一つ一つはちょっとしたことかもしれないけれど、それがいろいろ毎日繰り返し起こってくることで、結構な負担感があります。ストレス症状を引き起こすきっかけとなる出来事をストレッサーといいますが、こうした名もなき家事もストレッサーと言えます。

ストレス研究において、ストレッサーは人生の大きな出来事(引っ越し、入院、入学、転職など)は“ライフイベント”(life event)と呼ばれ、日常の小さな出来事は“デイリーハッスル”(daily hassle)と呼ばれています。

このデイリーハッスルは”名もなきストレッサー”とも言えるもので、例えば、通学の満員電車、授業の発表で否定的なコメントが返ってきた、友達が約束を破った、寝坊して遅刻した、バイトで客に絡まれた etc. あるあるですね?

アスリートの人はつい「そんな取るに足りないことでパフォーマンスが落ちてると言われたくない」と思うようですが、一つ一つは大したことでないかもしれないけれども、毎日繰り返していると、積もり重なってボクシングのボディブローのように一発でノックアウトにはならないけれども、知らぬ間にダメージを受けることになります。でも、いちいちそれが大変と思っていたら日常が回らないと思うほど“名もなきストレッサー”は日常にあふれています。それがストレス社会と言われる現代社会の日常です。

またこの3年間はコロナウィルスのために、本当にずーっといろんなことに気を付けて、ある意味警戒状態が続いていたわけですから、誰もがストレスレベルのベースラインが上がって過緊張になっていてもおかしくありません。

マスクもいらなくなり、一見元の生活に戻ったようです。
でも、この3年間に起こったことは無くなりません。
みんな無意識に良くも悪くもいろんな影響を受けています。
もし、コロナ前のレベルに戻っていないなと思ったら、早く戻らない自分を責めるのではなく、コロナの間結構名もなきストレッサーを溜め込んで頑張ってたんだなと自分をねぎらって下さいね。
みんな本当に大変だったんですから。