見出し画像

【14】遠くにも

【14】遠くにも
年に一度コンサートに行っている場所がある。ちいさな円形劇場で、演劇などがメインのホールだから音響はとてもデットで、演奏するのは結構大変だ。これまでは、コロナの制限できなかったことが多かったけど、今年は自由にプログラムを組めた。コンサートひとつを行うのに長い時間をかけてなんどもやりとりをする。メールのやりとりをするのはひとりでも、その後ろに、たくさんの人が関わっている。わたしはわたしだけの身体ではなく、たくさんの人の交渉の末、舞台が成り立っていることを忘れてはいけない。でも、結局どんなに調整しても最後は、現場でいろいろなことが決まることもある。決めすぎないことも現場にとってもよい場合かあるのかもしれない。デットなホールでは音響の力を借りる。曲目ごとの響きの調整、それから響きでおぎなえない演出は、照明もわたしたちを助けてくれる。現場で、多くの関わりがあるのだ。年に一度のことだけれど、毎年そこで助けてくれる人がいて、任せることのできるありがたみを感じた。遠くにも演奏を支えてくれる人がいること、それは素直にありがとうと伝えたいと思った。また来年も会えるといいな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?