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ミンヒジンについてどれくらい知っていますか? / BE(ATTITUDE) Issue03 Part1 日本語訳

Editor:チョンジョンヒョン、キムジェフン、パクサナ、チンチェミン Contributing Editor:チャウジン Photographer:ソンシヨン

Artist Project
アーティストと交わす深い対話、シリーズでお会いしましょう。

《ビーアティチュード》はアーティストとの深度の深いインタビューを通してその職業の世界と創作に対する態度を共有する"アーティストプロジェクト"を進めています。これまでは、パクミニ、ラムハン、ノサンホなど同世代の視覚芸術分野で活動する創作者の声に耳を傾けました。そのような面で、今回四番目のインタビューは毛色が異なります。KPOP産業で20年余り活動しているミンヒジンにお会いしてみました。SMエンターテインメントのクリエイティブディレクター、ハイブのCBO、ハイブ新規レーベルADORの代表として国際的なネームバリューを重ねてきたミンヒジンとの独占インタビュー!気になりますよね?深度のあるそのインタビューにアーティクルシリーズでお会いしてください!


アーティストプロジェクト 04:ミンヒジン
私たちは"アーティストプロジェクトArtist Project"の四番目の主人公としてミンヒジンを選んだ。SMエンターテインメントのクリエイティブディレクターとして新韓流を代表するKPOP産業で常に話題を集めてきた彼女は2019年ハイブでCBOとして合流した。昨年末からはハイブの独立レーベルであるADORの代表を担い "ミンヒジンプロデュース ガールズグループ" デビューを陣を取り指揮している最中だ。《ビーアティチュード》は大衆文化評論家であるチャウジンをコントリビュートエディターとして迎え、ミンヒジンキッズとKPOP消費に積極的な内部人員をインタビュワーとして補強し、総5名のインタビュワーがミンヒジン代表と対談形式でインタビューを進行し、二篇のアーティクルを発行する。

Part1. ミンヒジンについてどれくらい知っていますか?

少し前、新鮮なニュースが回ってきた。ハイブ傘下の独立レーベルであるADORを率いるミンヒジン代表が世界的エンターテインメント専門メディアである《バライエティVariety》の "グローバルエンターテインメント業界に影響を及ぼす女性" リストに選定されたことだ。選定理由も明確だ。KPOPブランディング革新家として "コンセプト" の概念を再定義し、過去少女時代をはじめ新しいガールズグループ時代を開き、シャイニー、エクソなどを通して革新的なアーティストブランディングを提示したこと。あわせて2022年ADORで新しいガールズグループローンチを準備している点も大きな要因として作用した。実際にまだメンバーさえ公開されていない新人ガールズグループは "ミンヒジン ガールズグループ" として呼ばれ、今年最も期待されるKPOPガールズグループの一つとして数えられている。しかし私たちは実際に彼女に対してどれだけ知っているだろうか? メディア露出を極度に控えてきただけに、私たちが接近可能なソースは、初放送出演である〈You Quiz on the Block(유 퀴즈 온 더 블럭:tvNの韓国バラエティ番組)〉くらいだ。《ビーアティチュード》とミンヒジン代表の出会いは、グローバルになったKPOP産業の中心で縦横無尽に動き回る彼女の視覚を、深みを持って捉える機会を提供するだろう。

(チョンジョンヒョン)こんにちは。《ビーアティチュード》インタビューに応えてくださりありがとうございます。普段インタビューをしないことでよく知られていますが、今回私たちと共にやってくださることになったきっかけが気になります。

強迫的で正直な性格のせいで、言葉の意味を歪曲されたり傷つけられたりするとものすごく辛くなる方なんです。特に仕事の性格上、脈絡に関する理解が必要な複雑な話が大部分なんですが、通常のインタビューは文量制限があるじゃないですか。制限された文量内で十分に説明して脈絡を伝えるのが難しくて、インタビューは最小限の、必ず必要な場合だけ応えてきた方ではあります。受け入れた人が各自の理解度によって、同じ単語でも各々違う概念として認識する状況が一度や二度ではなく、断片的に理解する場合も多いからです。だけどむしろ、言葉を大事に惜しんでいたら生じる誤解もあります。

そんな理由で、昨年の冬の初めから放送出演をするようになりました。〈You Quiz on the Block〉という番組です。露出があまりになく、まるで "想像の中の動物" ー正確にこんなふうに表現していましたー を初めて認識することになると思うので、感情のある "生きている人" だということをわかってもらえればいい、と "ADOR" チームメンバーと知人たちから助言がありました。ちょうどレーベルもローンチして制作者がどんなことを考えているのかを知ってもらうことも必要だと感じたんです。そんな脈絡で《ビーアティチュード》は文量に制限のないウェブマガジンだという点が良かったです。そして少し突拍子のない話なんですが、インタビューを初めて要請なさった時、当然私が断るものとわかってらっしゃったみたいです。拒否する前からあらかじめ予想して長文の説得文章をくださった点が印象的でした。だからその予想をひっくり返したくて。(笑)

(チョンジョンヒョン)ははは。初めて経験した放送出演はいかがでしたか?

2020年の冬に初オファーがあったのですが、私が芸能番組をあまり見ないので、初めはどんな番組なのか知らず、そもそも放送に出演するつもりがなかったので断りました。でも2021年の春、再度出演の提案が来て、どんな番組なのか気になり始めたんです。それで調べて見てみたんですが、率直で温かい内容にすっかり惚れ込みました。それでも出演を決めるのは難しかったんですが、数ヶ月にわたる作家さんとの対話で負担が少し薄れました。温かい気持ちで進行をしてくださったスタッフさんたちに本当に感謝している気持ちです。でも、放送で話した内容が違うように解釈されたエピソードもありました。

(チョンジョンヒョン)どんな内容なのかお伺いしたいです。

「業界で(私ではなく)他人が話してくださる時、聞きやすい単語が "世界観" と "アーティスト"だった」と話したんですが、その内容が「業界で一番聴き心地の良い二つの単語」と、少し違うように解釈されたんです。どちらにせよ十分な説明がなかったので、そう解釈されたんだと思います。私は普段、自らは "世界観" という表現はあまり使いません。少し複雑な説明になるかもしれません。
作業をする時、作業の方向性を構成するなら、それに合ったナラティブを自然に思い浮かべるようになるんですが、私は "可能な限り" 人為的に作り出した設定よりかは、対象の本来の姿が投影された自然な流れと伏線を好む方なんです。もちろん時によって設定が必要な時もありますけどね。とにかく自然に開かれた展開を望んでいるので、結末を決定づける方式よりかは、主に話題を投じる方式が好きです。そうすればその後の展開は、どの時でも遥かに自律性を持つようになります。だからこそ最近KPOPシーンでよく使われる "世界観" の意味や語感が、私には少しオーバーに感じます。だから本来、私が志向している脈絡とは距離がある感じでしょう。ですが、消費者が創作物で感じた感情と考えを括って "世界観" と称することは全く別の問題です。私の作業の方向性が、他人にはある "世界観" として十分に認知されるかもしれないからです。そしてそのように受け入れられていくということは、制作者の立場では有難いことでもあったりします。私が考える世界観の概念は、注ぎ込むものというより、自ら気づくようになるという概念に近いです。だから "私が直接作用するよりは、人たちが話してもらう方が良い" という意味で話したんです。言葉と文の役割が異なるということを改めて実感しました。だからこうしてテキストで載るインタビューでも応えるようになったんです。最近の人たちは読み物を嫌うそうですが、記録が持つ力がはっきりあると思っています。

(キムジェフン)今回のインタビューはヒジンさんにはどんな意味を持つようになるんでしょうか?

SMエンターテインメントを退社した後、個人インタビューはもちろん、各種出演提案を全て断ってきました。過去を論じたくはなくて、現在と未来に集中する時だという考えがあったんです。個人的には放送ですら、できるだけ以前の会社と仕事に対して話したくなかったです。でも過去の制作があったから今の私がいるわけじゃないですか。こんな自然な話を不便に考える自らを見出して、私がその期間いろんなストレスに悩まされていたということに気づくようになりました。トラウマから逃れたくて、以前の会社を代弁した立場ではなく、はじめて私が話をできるようになったというような気がします。そして今回のインタビューでは、偶然にも多様なインタビュワーが参加されることになった点が気に入っています。
インタビュワー構成を見て "大衆音楽評論家" 、"実際にKPOPを消費し楽しんできた20代"、"KPOP話題度に注目する大衆" としてグループを分けられたと。いつか供給者(制作者)の立場から"批評家/実際の消費者/間接消費者" という全ての消費集団に一度に会って、同じテーマで対話を交わせたら面白そうだと考えたことがあるんですが、なんだか手短に実現した感じというか。

(チャウジン)私たちが知っているヒジンさんは、SMエンターテインメントのアートディレクターとクリエイティブディレクターで、ハイブのCBO、そして現在はADORの代表です。対話に先立ってアートディレクター、クリエイティブディレクター、CBO、レーベル代表に対する用語整理が必要ではないでしょうか?私たちが知っていることとヒジンさんが考える隙間を減らしたいなと思いまして。

用語整理のためにインタビューの文量を割きたくはありません。(笑)私には肩書きやタイトルが重要ではなくなってから、かなり時間が経ちました。組織内では役割という概念は確かに重要です。ですが、自発的であるという前提下で、業務を遂行する領域が元々与えられた役割以上のものになった瞬間、タイトルというのは既に意味を喪失していて、むしろ邪魔になる妨害要素になり得ます。もちろん全ての人が与えられた役割以上をやり遂げなければならないという意味ではありません。役割の拡張は、基本的な遂行領域を忠実に行うことに基づいて始められるでしょう。明確な目標や目的を成し遂げようとすれば、本来の業務以上のことが必要になったりもするので、役割の拡張は自然発生的に起こるもので、むしろ無理に作り出そうとするのが難しい概念だと思っています。そうして役割が拡張され始めたら、どうせ一つのタイトルだけでは表現が難しくなります。タイトルは組織内業務を行う過程で効率性のために必要にもなり得ますが、そうしてそれ自体にこだわる必要はないと思っています。重要なことは個人の意識水準でしょう?

(チャウジン)韓国コンテンツ産業の早い成長を目の当たりにする立場から、その代表的な例がKPOPだという点を否定することはできません。KPOPの成長は多様なアーティストのおかげでしょう。ですが、KPOPの成功で公式でよく言われる "視覚的な強み" は、ヒジンさんが占める部分がかなり大きいと感じます。主流のKPOPデザインにも、ある流れというものが生まれました。自らを考えるとき、KPOP産業に寄与したところは何だと分析されますか?

私自らは、その期間進行してきた業務領域を視覚的な部分に限定していません。先程言及したように、私は肩書きを、組織が組織管理のために付与する"分類名"くらいに考えています。実際、業務領域を包括できなかったり、表現できない場合が生じることもあります。説明しようとしても、それぞれが持っている既存の役割に関する固定観念や偏見が作用するので、完璧な理解が難しかったりするんです。事実、誰がどう思うかはそれほど重要なことではないと思うんです。欲しい結果を得る方が重要でしょう。魂のある作業をしたいと考えてきました。私がSMエンターテインメントに初めて入社した当時でさえでも、KPOPに対する認識が今と相当に違いました。当時の固定された認識を改善するために、個性を与えたかったんです。主流アイドル市場に関心がなくても、仕事で飛び込んで行ったことが、ここから始まったようです。

既存のものとは異なる方式でやりたかったんです。そんな面で、自らは "KPOP産業の可能性を拡張している" という概念に意義を置いています。視覚要素とデザインに限定された話は多少小さな概念になりますが、同時代的な側面と可視性の観点からは依然として重要なので、こうした視覚要素が真の強みとして表されるためには、実は視覚以外の領域に対する理解と知能的な融合が必須だという事実を認識しなければなりません。視覚的な部分だけに従って切り離して考えることはできないということです。職業の根本に対する理解に基づいて、ビジネスモデルの拡散と結合を基盤にした新しい試みが、むしろ視覚文化のジャンルを広げられる糸口にもなり得ます。

(チャウジン)レーベルを設立した理由が見えてきたような気がします。

これまで、マネージャー、タレント、作曲家、プロデューサーが主な芸能マネジメント会社を設立して運営してきました。マネジメント出身の代表が音楽や視覚分野に関与することや、作曲家出身の代表がマネジメント、視覚分野を管理するのは珍しいことではなかったじゃないですか。先程申し上げたように、既存の役割と実際に行うことのできる技量は全く別の話だからです。だから私がレーベルを設立したのも、事実驚くようなことではありません。クリエイティブディレクター出身だからもっと可能にできることでもあります。私が描く大きな絵を完璧に実現するためには、何よりも私が望んでいる音楽が土台でなければなりません。そして私が求めるキャスティング、トレーニング、デザイン、事業までも繋がっていなければならないんです。だからレーベルを設立した、ということでもあります。青写真*が確実になるためには、よりそうするしかなかったと思っています。

*青写真:構想、具現的な計画の意。

TommyHilfiger © VOGUE

(パクサナ)ヒジンさんは2000年代後半からKPOPアイドルの新韓流を率いて、"ミンヒジン感性" と呼ばれるほどに一つのブランドになりました。ミンヒジン感性の核は何なんでしょうか?

外部の認識と私の個人的な視覚が少し違うみたいですね。いずれにせよ私は、自分の制作について全てわかっていますが、外側から認識する私の制作というのは、どうしても接した一部のこと、あるいは記憶したい領域に限られたものになるしかないんです。そこに隙間があるんだと思います。これまでいろんな作業をしてきましたが、大多数がf(x)の〈ピンクテープ〉だけに言及することと同じように。ですが、一貫したある情緒があるのも事実です。私が撮影した写真を見たあるスタッフの言葉の中で、気に入っている表現があります。 「ヒジンさんの写真の中の人は、"サヨン"があるように見えます」と。"サヨン*" という言葉は含蓄的な意味が込められていて、翻訳するのに難しい、非常に韓国的な表現です。私は制作を通して、異なる個々人の話を伝えてあげたいんです。誰も予想することのできない、各々だけの "サヨン" をです。

*サヨン:事情、わけ、経緯、エピソード、思い入れなど。物語性のある出来事や個人的な事情・話に使われることが多い。

(パクサナ)今までたくさんのアイドルのイメージを成功的に作られてきました。画一化されやすい産業の中で、アイドルに個性を付与するためにどんな戦略が一番重要で、急がれるものなのでしょうか?その過程で生じる難しさはどう克服したのか、お伺いしたいです。

アイドルという概念に対する認識が違うと感じます。私は今も "アイドル" という用語を使用する時、いつもぎこちない気分になるんです。何だか、もともと間違って使われた言葉が日常語として定着された感じ、標準語ではない言葉が標準語として使われるのを目の当たりにしているような気分というか。どんな産業でも、安定化してくるとシステム内固有のプロトコルの下で運営される体系が生じます。こういうシステムは好まない方なのですが、現実的な効率性のために、システムを否定できない複雑な状況にぶち当たるようになります。特別な克服の方法があるというよりかは、その時々で最善を尽くして克服可能な解法を探して、やらなければならないことをしてきたような気がします。必要だと思うならやり遂げる重要性と、それに伴う疲労感も当然のものとして受け入れてきました。システムの破壊を望みながら、同時に保存もしなければならなかったので、そのジレンマはものすごく私を疲弊させました。

クリエイティブ領域でシステムを構築するということは、どうしても矛盾を伴います。システムの依存性が強くなれば、没個性になりやすくなるからです。ですが、システムは安定化を導いて資本力を向上し、生体系の根本を構築したりもするでしょう。結局 "バランスが重要だ" というありきたりな話にしかならないんですが、こういうバランス感覚を保とうとするなら、組織内の一つのパートを担う戦略だけでは足りません。結局全体戦略が重要という観点に帰結するんです。仕事をしていて直面することになる各種のジレンマともどかしさを解消したいという思いが、結局レーベル設立にまで至ったんだと思います。

(パクサナ)前回のインタビューと制作を見てみると、ヒジン氏が固守する観点があるようです。例えば "正反合" といいますか、お互いに相反することを一緒に扱おうと努力するだとか、"隠された本物" を追求するとか、本質と真正性に忠実であるとか、といったことです。創作するとき、どんなことを心に込めて忘れないようにされるんでしょうか?

無理に思い浮かべようとせずとも、自然に浮かぶ考えかと思います。たとえ当面する現実で相手にされなくとも、本質を守ろうとする最小限の努力はいつも裏切らないと思っています。だからある意味、"努力" それ自体がエナジーのような気もします。

Krystal_[I Don’t Want To Love You) © SM Ent.

(チンチェミン)KPOP業界でアートディレクターとしてヒジン氏ほど有名な人はいません。ですが、以前ミーティングで「有名になりたいという欲がない」とおっしゃられたので、みんなが驚きました。(笑)大衆に認識され始めたら、仮想空間で絶えず話題になって、批評と解釈の対象になり、賞賛と非難を浴びて消費されがちです。自らの意志と無関係に流れていくこの状況をどう受けていらっしゃるんでしょうか?

関心を多くいただくのは本当にありがたいことです。ですが、中途半端に知られて、苦しいことも事実です。これがまた、誰かに見栄だと誤解されないか、もうすでに余計な心配をしています。仕事をしている間、商業的な提案を本当にたくさんいただきました。広告モデル、放送、出版など種類もさまざまでした。ですが、それに応えたことはありません。SNSもやっていません。それが私のキャラクターを曝け出すことだと思っていたんです。有名税で付随的な儲けを得ようという気持ちがありませんでした。だから、有名税による苦痛ばかり受けてきたようで、すごくつらかったです。でも、どこにも現れず情報がないからそうなのか、また余計にまな板の上に上がり*やすくなったようで、昨年末に放送にも出演して、インスグラムのアカウントも開設してみました。

*まな板の上に上がる:批判の対象になる、問題視されるの意。

それでもいまだに私自身は、今の時代とあまり合っているタイプの人間ではないような気がしています。コミュニケーションを強調する時代に生きていますが、今の形態が望んでいたものかどうかはわかりません。コミュケーションは相手に対しての理解を伴うので、事実これほど難しいことはないでしょう。あえて努力して力を注がなければならないことです。だから、ビジネスの側面から、消費者と本当のコミュニケーションをしてみたいという欲求が生まれたんです。念入りに作ってきたのに、誤解が生じたらあまりにも腑に落ちませんから。解法を模索して作っていこうとしている最中です。思う通りにうまく行けばいいんですけどね。(笑)

(チンチェミン)意志と無関係に流れていく状況に対しての解法は、無視、または平静しかないんでしょうか?

批評と解釈の対象になることは、私の好き嫌いとは別に、当たり前で自然なことなので、当然受け入れます。ですが、根拠のない荒唐無稽な内容は、私を辛くさせるんです。理由がわからないんですが、私と全く関係のない事案で引き合いになる、おかしな場合があるんです。例えば、他のレーベルでローンチするチームの特定メンバーのスカウトを、私が主導したという記事が出たこともありました。参考に、私は会ったこともなかったんです。また、他のレーベルチームの解体に私が関与したとか、だいぶ悪意的な噂があったと聞きました。こういう根拠のない噂の根源地がどこなのか本当に気になります。

(チンチェミン)"ミンヒジン 万物説" なんでしょうか?(笑)そういう噂に接したらとても大変でしょう。

怖いでしょう。あと悲しいです。むしろ、あまりに非常識的なら笑って乗り越えられるんじゃないかと思われるでしょうが、私も初めは無視していました。私はゴシップを追うような性格ではないです。でも、見なくても入ってくるんです。そんな突拍子もない内容が記事化でもされれば、根拠のない内容でも信じる人が続出して、その内容が非常識であるほど噂の根源地の見当がつかず、摘発するのも難しいです。特に出所のない噂が記事化されることを経験したら、世の中が怖くなります。以前の職場に通っていた時も悩まされてきましたが、まだ適応できていないことです。

直接的に大衆に露出された分野で仕事をしてみると、ディレクターとして、各種の疲労感がありました。一貫していない物差し(*不公平、ダブルスタンダード)で測られる経験もしました。酷評の時は無条件に個人のせいにしたかと思えば、好評なら「一人でやったの?」と言われたりだとか。それでもこういうことはディレクターの宿命だと思って受け入れてきました。総括責任者は称賛も批評も、代表として受けるものですから。ですが、根拠のない噂は精神を疲弊させます。私が経験した社会と世の中である大部分が、縦糸と横糸のように複雑な過程と理由で編まれているんです。ずばり一言で要約するのが難しく、誰かを単純に断罪するのが難しい場合がほとんどでしょう。こういう複雑で微妙なレイヤーを一気に平らに潰してしまうことほど、残酷なことはないと思っています。まさに私の仕事のためだけでなく、みんなのための健康な社会のために、よくわからないことに対して無理に話さない文化が定着することを切に願っています。

f(x)_[4 Walls] © SM Ent.

(キムジェフン)ヒジンさんは "奇怪な美しさ" のような単語の組み合わせでコンテンツを定めたり、アイドルのフィルムに古いイタリアのジャズを重ねるなど、相反するものを結びつけて人々を惹きつけるところがあります。人なら誰もが持つ矛盾から、心が動かされるのでしょうか?だとすれば、こういう矛盾の法則を活用した創作は、時代や場所を問わず成功できるのでしょうか?

誰かを熱烈に好きでいる気持ちがあったとしても、表現のしかたが定型化されていたり、いつも同じような感じだったら、すぐに興味がなくなってしまうのが一般的でしょう。特に、アイドルの制作・消費のやり方において、そういう典型性がたびたび現れたりするんですが、そういうやり方はあまり好きな方ではないので自分なりに努力してきました。だから、一定のフレームを付けて見る消費者の立場では、一種のツイストされた概念として見えているんだと思います。特に、私のこういうディレクションのやり方は、私が関与する前の初期SMスタイル ー 1世代のアイドルの成功に伴って定着したSMの象徴的なスタイル ー が存在していたから、それと対比して興味深くもなり得ます。当時の既存第1世代SMスタイルの反対概念から出発したので、異質的な感じと共に、好奇心の対象になったんでしょう。産業的観点からも、既存アイドルの典型性から脱皮した概念として注目を受けることができました。内心、そんな反応を期待していて自分なりの計算の下で作業を進めていました。一般的に、集団の大きさとイノベーションの速度は反比例するものなので、皆さんの予想を裏返す試みだけが、イノベーションの印象を作ることができます。従って矛盾の活用、それ自体で有効というよりは、適期と適所を把握して、立体的に攻略する方法が遥かに賢いと思っています。

(キムジェフン)とても興味深いです。ですが、困難も多くあったでしょう。

一般的に規模がある組織で、誰も期待していなかった意外なものが出てきたら嬉しいものです。ビジュアル的な完成度のためのチャンスというよりは、会社の未来のために必ず必要なことだと考えていました。寂しいけれど、今の豊かさは過去の困難を見えづらくさせます。その時だけでも、視覚要素の重要性に対しての認知自体がなかった時代でした。従って今と違って、重要な概念だという認識がなく、予算編成やそれに時間を割くことに対して配慮がなかったんです。産業において重要な戦略や概念として認識させることまでも、思ったよりかなりの時間がかかりました。情熱を持ってやりましたが、それ以上に本当にすごく大変だったと思います。そうして、退社する時まで10年余りの間SMのビジュアルを具現する方向性は、私が構築したやり方で完全に再編されました。だから退社する当時、何の未練もなかったです。私がやるべきことを全てやったと思っていましたから。

SHINee_[Married to the music] © SM Ent.
Red Velvet_[The Red] © SM Ent.
Red Velvet_[Perfect Velvet] © SM Ent.
SHINee_[Odd] © SM Ent.
EXO_[SING FOR YOU] © SM Ent.

(チンチェミン)ヒジンさんは毎日目の回るような1日を過ごされていると思います。創意的な仕事に対しての生産性が、絶対的な面でも相対的な面でも、全てすごく高い気がするのですが。こういう目覚ましい生産力はどこから来ているのかお伺いしたいです。それと、業務の効率性に対する見解もまたお聞きしたいです。

業務の効率は自らの目標の意識水準から出てくると思っています。誰かが無理に植え付けられない概念でしょう。生まれ持った才能がそれぞれ違うように、効率的なやり方を公式化することはできません。公式化した代表的な例が "詰め込み教育" です。皆がその弊害を分かってはいるけれど、今でもずっとそれを維持しています。自発的に気づくことなく、他人が詰め込む効率には限界があるということを思い起こさないといけません。

(チンチェミン)KPOPのステレオタイプははっきりと存在する思っています。こういうステレオタイプを超えるため皆が努力していますが、成功した例はなかなかありません。ヒジンさんはこういう問題をどう解決しようと努力されますか?

ステレオタイプを超えるため "皆が" 努力していると考える前提から、暗黙のうちに学習化された概念ではないかと思っています。私が経験したところでは、"安定" それ自体を追求する人も相当に多い気がします。新しさを追求することが普通で正しい概念であるように認識されているからそうなのか、教育された正しい概念と、個人が現実で望む実際の内容は大きく異なることもあります。表では模範的で安定した生活が理想だと言っていても、実は心の中ではいろんなことから逸脱することを夢見ている人が多いように。だから、大部分が新しさを望んでいると言いますが、本当に心から新しいものを望んでいるのかはよくわからなかったりもします。

新しければ、慣れないのが当然なんです。ですが、じっくり、ちゃんと中を見てみる前に、すぐに不慣れなものに対する不平や非難が先行する場合をよく目の当たりにします。"時代を先行く悲運の○○○"…私たちみんな、たくさん見てきたじゃないですか。(笑)だからといって、新しいことが何でもかんでも良いだとか、慣れないものが無条件に新しくて良いものだという意味でもありません。

(チンチェミン)もう少し具体的に聞きたいです。

例えば、"新しさのための新しさ" は、典型性とはまた別の問題を引き起こします。まさに、"新しさという仮面を被った慣性" はむしろ、新しさという概念に間違った認識を引き起こすことのもあるので、分けて考えなければなりません。結局、新しい(慣れない)という概念に取り組むというよりかは、新しいものを渇望する理由、その本質に究極的に注目しないといけないということでしょう。意外とそれぞれが本当に望んでいるのは何なのかを分かっていない場合が多いです。そういう人たちが集まって言葉だけで新しいものを見つけようとすると、大混乱パーティーが開かれてしまうでしょう。みんなそれぞれの目線も違うので、誰かには新しいものが、他の誰かにはありふれたものである場合もあります。なので、皆を新たに満足させることはある意味ほぼ不可能に近い神技のようなものです。にもかかわらず、本質を想起して、新しいものに向かって挑戦することに対する疲労感を受け入れる、というのが私の努力です。レーベル代表になって仕事がとてつもなく増えました。重圧感がものすごくて、たまにやり遂げないといけない仕事の山々を思い浮かべては圧迫感で眠れない時もあります。私が全ての状況を見当して計算しようとしても、常に予想のできない変数(*状況を左右する要因、ハプニングなど)が発生するんです。ですが、そういう不確実性に対する余地を認めて、むしろ期待しようとするところは長所といえば長所なのかもしれません。

(チャウジン)ハイブは "音楽産業で問題解決をする" を産業の方向性として見立てています。ビジネスは根本的に "問題解決を通した価値創出" だと思っています。最近ヒジンさんがCEOを担ったハイブ傘下のレーベルADORはどんな問題を解決しようとしているんですか?

論文を書けるくらいのテーマのようです。問題がない業界は事実存在しないでしょう。テーマに重みがあって一言で言うのが難しいですね。私がレーベルを設立した理由でもあって、長い説明が必要な内容ですが、要約すると、既存産業の同じようなルーティーンから逃れて(ありふれた言葉ですが、実際現実で実現するには相当難しい問題です)、勇気を持って新しい活路を積極的に模索して、代案的な出口を作ってみようという意志があったとも言えますね。

(キムジェフン)今まで数多くの選択の岐路を経験なさったと思います。選択という行為に対して、どんな態度を取る方でしょうか?ヒジンさんにとって一番重要だった選択は何だったのかお伺いしたいです。

大部分その時その時すべきことが何なのか、本能的な勘から来ていると思います。毎回私の選択には自分なりに必然性がはっきりしているので、実際に優先順位として羅列しようとすると、後の方に押し出される他の選択に申し訳なくて、選ぶのが難しいです。にもかかわらずやっぱり一番大きく迫られたのは、長く働いた会社をやめることでした。

(チャウジン)クリエイティブ産業ではバランスとテンションが非常に重要だと思います。創意的な人は、現実の感覚と夢想家的な気質を同時に持ち合わせていなくてはでしょう。クリエイター・ミンヒジンとCEO・ミンヒジンはバランスとテンションの三角関係についてどう定義し、調整しているのですか?

クリエイターとして存在していたくてCEOになった、と説明するしかありません。それぞれかなり違う役割ですが、同時にものすごく繋がっていることでもあるんです。資本で置き換えられない商業創作物は、生命力が落ちていきます。同様に、創作物と異質的な事業は大成しづらいという先例を無数に見てきました。浅はかな自尊心のために、商業物では創作と資本が密接に結びついているという当然の事実を無視した瞬間、全てがこじれていきます。

私はCEOというタイトル自体には興味がありません。経験している渦中ではありますが、かなりの責任感に基づく、以前とはまた違った筋のつらさや疲れに追われる役割です。自分が望む意志決定のためにレーベルを設立したので、選ぶしかなかった職責だった、というだけのことです。良い創作物が効果的な事業と出会って、産業的に成功として花開くようになれば、どれほどの幻想が繰り広げられるか、こういう想像の翼を広げて、その日のために今のバランスを見つけようと努力しているところです。

(チンチェミン)KPOP好きのファンとして、ずっと気になっていた部分があります。アイドルとファンの心理的距離を意図的に調節する事務所の戦略についてです。ヒジンさんがコンテンツを作るとき、こういう距離感をどれくらい重要だと思っていますか?

私は基本的に最大限近いのが好きです。そもそも私は駆け引きするタイプではなくて、何でもしてあげたいタイプなので余計そうなのかもしれません。疲れるのはうんざりです。駆け引きをしようとしたことがないので、どのくらい重要なのかはよくわかりません。私はただ私がやっていて主導している作業でくらいは、いつも正直で親切でいるのが好きです。

(チョンジョンヒョン)海外KPOPファンが投票した "2022年最も期待されるKPOPガールズグループ" としてADORのガールズグループが選定されたんですよ。まだメンバー構成も発表されていなかったのに、"ミンヒジンガールズグループ" と呼ばれているようです。それだけヒジンさんに対する期待がものすごいということが伺えます。今年デビューするガールズグループの秘密は、いつ解き明かされますか?

2019年9月にオーディションを行って、その年の年末くらいにオーディション外のキャスティング作業まで終えて、2020年初めから約2年間練習してきた子たちです。初めは合同プロジェクトとして始まって、2021年ローンチ予定だったのですが、コロナ19のために遅れ、その間に私のレーベルローンチが予定より前倒しで2022年にADORとしてお披露目されました。かなり前から私が描いてきた、新しいガールズグループに対する方向性があります。今年第3四半期中にローンチ予定です。

(パクサナ)方向性があるとは、メンバーが気になってきます。

急なデビューは幼いメンバーにとって大きい負担にしかなりません。私が激務に悩まされる苦痛を知っているので、みんなを焦らせたくはありません。ですが、ファンの方たちが長く待っていただいていることも看過することもできず、はっきりとしたタイミング上で適期というものもあるので、どちらかに重きを置くより、全ての要素を考慮して一番合理的な時期を導き出したのが、今年の第3四半期です。

メンバーたちは誰に言われるでもなく、すでにものすごく熱心に努力しています。にもかかわらず自分に対して常に足りないところを考えていて、心配が多いです。そもそも私たちがやっている仕事は、エンターテインメント(娯楽)を目的にしている仕事です。記録を更新したり点数をつけることを目的に始まったことではないでしょう。私が本当に望むのは、お互いに楽しく最善を尽くす状況を作ってみることです。楽しくなかったら意味がないでしょう。最善を尽くすこと自体も、一朝一夕で生まれてくるわけではありません。楽しむ心で最善を尽くすこと自体が始まりとなって、そのために最善を尽くすための練習が必要です。そしてそういう努力のエナジーは、はっきりと違うように発散されると思っています。だから私は、私のチームの目標を "熟練" よりは "楽しむ" に置いています。心から楽しむ人から出てくるエナジーはものすごく強力なので、見ている人までも踊り出すようになるんです。

(チョンジョンヒョン)話を聞いているとどんなチームが出てくるのかもっと楽しみです。

私たちなりの基準点を作って最善を尽くしています。そういう面で、私たちのチームのエナジーは本当に卓越していると思っています。コツコツと実力を磨き上げているところです。理想的に聞こえるかもしれませんが、心から望むのは、みんな一緒に楽しむ文化を作ってみたいということです。普段個人的に、本当にもどかしく思うのは、楽しむ文化の中でも競争意識を持っていることです。程よい競争は健康な緊張感を誘いますが、何でもやりすぎは問題になるでしょう。長い間見てきた矛盾ですが、青少年労働に対する認識改善やアイドルの人権に対して声を高めながら、同時に他の側面では幼い子供たちに多少過度な期待をかけたり、成績やランク付け、酷評する行為といったことです。日常で経験する矛盾を、楽しむ対象にまでそのまま投影させるのはアイロニー(*皮肉)でありながらも不憫なことです。今年は本当に多くのチームがデビューするのを知っています。私たちのチームだけでなく、会社からデビューする全ての子たちにもあたたかい応援をお願いいたします。KPOPが競争より楽しむ文化として定着することを願っています。

(チャウジン)乱暴に定義するならば、KPOP産業は "アーティストシップをプロデュースするシステム" だと考えています。これに同意されますか?ヒジンさんが見るには、KPOP産業は過去2010年代に比べて、現在2020年代に至って果たして何がどれくらい変わったんでしょうか?一番大きく変わらなければならないと思う部分は何でしょうか?

急激な成長とともに、KPOP産業に対する意義や定義もまた本当に多様になったと思っています。これがまた論文みたいで、短く要約するのが難しいんですよ。10年近くの間、本当に多くのことが急激に変化しました。認識の変化も大きく異なりました。従って投入される資本力も向上したんです。私が離職した後、最近3年間の音盤、ミュージックビデオ制作で使った予算規模だけ見ても、以前とは大きく変わっていました。ですが、供給(制作)や消費のしかたが、規模外の領域において急激に変わったフェーズほど発展したのかはわかりません。

個人的に一番大きく変わってほしい部分は、変化を受容する力です。いつからか固定化されたパターンに安住して、一貫したやり方に従わなければならないかのように、似たようなコンテンツが量産されて消費されています。供給者と消費者、皆同じで、誰により問題があるのかと問い詰めることは "鶏が先か卵が先か*"の問題とも同じように見えます。空の下、もうこれ以上新しいものはないと言いますが、努力する人には少しでも違う概念を見つけることができると思っています。挑戦には何より勇気が必要でしょう。ですが、飢え死ぬかもしれない挑戦は誰も強要できません。消費のない供給というのは存在しないんです。だから先ほど、供給者と消費者間の認識の改善、競争よりは楽しむ姿勢に対するお願いをお話ししました。

*鶏が先か卵が先か:どちらが先かわからない、何が原因かがわからない、辻褄の合わない状況の例え。

コロナ時代の悲劇なのか、激化した反目*が個人的にすごく残念です。ささいなことでも、過度に深刻な基準と検閲を立てて争う姿をほとんど毎日目の当たりにしている気分です。広い包容力と受容力が生まれたらもっと大きな楽しみを楽しむことができるはずなんですが。単にクリエイティブ領域だけでなく、産業を見渡す視覚にも適応されなければならないと考えています。こういう当面の基本課題を無視したら、未来の理想を論じることは意味のない空念仏と大して大きく変わらないと思っています。

*反目:互いににらみ合い、仲が悪い状態。

Artist
ミンヒジンはSMエンターテインメントのクリエイティブディレクターとして活躍し、少女時代、シャイニー、f(x)、EXO、Red Velvet、NCTなど所属アイドルの実験的なコンテンツを主導した。2019年ハイブのCBO(最高ブランド責任者)として合流しハイブブランディングと新社屋空間デザインを総括した。2021年下半期からハイブが新規ローンチしたレーベルであるADOR(All Doors One Room)の代表を担い、現在最初の新人ガールズグループデビューを準備中だ。2022年アメリカのエンターテインメントメディア《バライエティ》で "グローバルエンターテインメント業界で影響を与えた女性" として選定された。

Editor
チョンジョンヒョンは、国民大学校で視覚デザイン学を勉強している韓国文化観光研究員RAとして社会生活を開始した。《月刊デザイン》《SPACE 空間》《ノブレス》でエディターとして仕事をし、デザインマガジン《CA》と《ハフポストコリア》で様々なコラムを書いた。住居建築を扱う《ブリック》副編集長、編集委員、クリエイティブディレクターを執り行った。現在デザイン・建築ジャーナリストとして《朝鮮日報》《ジエディット》《LUXURY》などに文を寄稿している。《ビーアティチュード》の編集長でもある。

Contributing Editor
チャウジンは大衆文化評論家として、見、聴き、読み、書いてきた人物だ。ファンダムとコンテンツ/音楽産業、クリエイター生態系を扱う。ニュースレターTMI.FMを通してメディアとコンテンツ産業に対するコラムを書いており、様々なメディアで音楽とライブスタイルに対する文を寄稿している。『インディペンダントウォーカー』 『音楽産業、状況が変わった』 『青春のサウンド』 『大衆音楽の理解』 『アイドル:H.O.T.から少女時代まで』などの本を書き韓国コンテンツ振興院から発刊する音楽産業白書およびフォーラムなどに企画諮問を担当している。ネイバーオンステージ、韓国大衆音楽賞、現代カードミュージックライブラリーなどのコンテンツを企画・制作した。

Photographer
ソンシヨンは、ソウルを基盤に活動するフォトグラファーである。アメリカ・ニューヨークのスクールオブビジュアルアート(SVA)で写真を専攻していた。様々な音盤のカバー制作に参与し、ドイツの《Zeit Magazin》、アメリカの《W》、韓国の《マガジンB》などと協業した。

元記事はこちら

*翻訳後記

全文を通して、意外にも感覚的な表現や言い回しがほとんどなく、体系的な言葉を好む方なんだな、という印象を受けました。(記事だからかもしれませんが。)本文でも難しい漢字語がかなり多用されていて、対応する日本語はあるものの、日常的に使われる言葉ではないものが多く、そのまま語彙を反映させるか、日本語的にわかりやすい表現にするべきか悩みました。結局、このインタビューでは私の感覚的な解釈を経由しない方が良いと思い、なるべく本文の語彙をそのままに反映させています。そのため、日本語でも難しい言い回しや理解が難しい箇所もありますが、ご了承いただけますと幸いです。英語版のリンクも下記に記載します。英語がわかる方であれば、全体的な概念や話のニュアンスを理解するには、英語版の方が助けになる部分もあると思います^^

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