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10年間いろんな人の転職を間近で見てきた私がスタートアップで一人目人事やってる話

初めまして!株式会社スカイディスク 採用担当のEmma(エマ)です。
ご縁あってスカイディスクに入社し、半年が経ちました。
入社までの経緯や入社後に感じていることなどを小説風に書いていきます。


布団を干しながら泣いた日

 JTCで昭和のような働き方をする夫と、1才&5才の可愛い娘たち。2回目だけど育休って最高だな〜とママ友ランチを楽しむ毎日は、それなりに幸せだった。今日は珍しく夫が早く帰ってきそうだからハンバーグにしよう、スーパーに行く前に洗濯して、いい天気だからついでに布団も干しちゃおう!そんな時に、ふと涙があふれた。これは何事…?突然の出来事すぎて、自分の感情を理解できなかった。いつもポジティブな私が急に泣く(しかも一人で)なんて、何か辛いことがあったっけ、と呆然とする後ろで、次女の泣き声がした。
 身支度をして買い物に向かう途中、大好きな本屋さんに立ち寄る。いつものように育児書コーナーで教育本を漁り、絵本コーナーで長女へお土産を選ぶ。お会計に向かう途中、就職試験の参考書コーナーが目に入った。面接対策、エントリーシートの書き方、業界地図…胸がざわついた。恐る恐る一冊を手にとる。ああ、これだ。今朝の涙は、これだったのか。

仕事していた頃

 育休中と書いたとおり、仕事はしていた。新卒で入ったSIerで10年ほど人事部で採用を担当していたのだ。新卒の頃は現場で金融系システムのコンサルティング、プリセールス、開発現場などを少しずつ経験したが、圧倒的に人事畑が長かった。
 新卒採用、中途採用、グローバル採用から障がい者採用、全社全職種の採用・研修に長年携わってきた私にとって、面接やエントリーシートという単語はこれ以上ないくらい身近なものだった。会社の魅力を発信すればするほど、会社が好きになっていくのが分かった。自分が採用した人たちが活躍している姿を見ては心が満たされ、転職していく人がいれば本気で泣いたこともあった。一期一会の出会いに感謝し、入社に至らなくても、選考を通してたくさんの気付きがあったとお礼の連絡が届くような、一人ひとりに寄り添った採用活動を心がけていた。周りからは「本当に人事に向いているよね」と言われ、候補者からは「Emmaさんが決め手で入社しました」と言われ、天職だなと思っては頬が緩んだ。つまりは、仕事が大好きだったのだ。

夫の転勤

 夫は夫で、今も昔も仕事人間だ。テレビドラマで半沢直樹が流行った頃、「この主人公めちゃくちゃ夫と思考回路似てるな」と思ったので、半沢直樹で脳内変換してほしい。私は気が利く半沢花にはとても敵わないけれど、それなりに応援はしているし、できる範囲でサポートはしている。そんな夫が転勤を言い渡された。引っ越しが必要なところに、だ。
 実は私は海外生まれなので、日本人の「単身赴任」が理解できない。家族のために働いているのに、家族との時間を過ごせないなんて本末転倒ではないか、という気持ちが強いからだ。0.1秒でついていく旨を伝え、復職直前に迫った自分のキャリアを一旦おき、すぐさま引っ越し準備に取り掛かった。家探しもスクール探しも、住民票や各種住所変更も、なんだか楽しかった。育児以外のタスクに追われている感じが、仕事していた頃の感覚に似ていて心地よかったのだ。これらが全部落ちついたら、私も心機一転仕事に戻れるのかなぁ、なんて考えながら引越し業者に電話をかけた。
 布団を干していた日は、その頃の話だ。「常に新しいチャレンジをしたい」とか言っておきながら、10年も同じ会社で同じような仕事をしていたのだから、自信がないのは当然だった。夢と現実の真ん中で、想いだけが空回りしていた。

スカイディスクとの出会い

 新生活にも慣れた頃、本格的に就職活動を始めた。引っ越しを機に退職をしたからだ。フルリモートで前職を続けたい気持ちもあったが、調整が難航しそうだったこと、そして何より、新しい環境になったことで心機一転、今度は本当に何かにチャレンジしてみたくなったのだ。というのも、夫も子供たちも新しい環境での成長には目を見張るものがあった。次は、私の番だ。
 久々に求人サイトにログインすると、企業からもエージェントからもスカウトが一気に増える。最終ログイン日でフィルターが掛けられるからだ。今までは送る方だったなと思いながら、届いたスカウトを読んでは「またテンプレか!カスタマイズしないと返信率悪くなるよ!」と心の中で突っ込みを入れる程度には楽しかった。
 そんな中で、目が止まったのはスカイディスクの求人だった。採用に軸を置きながら、なるべく多くの挑戦をしたいと伝えてあったエージェントからの紹介だった。「スタートアップ×ひとりめ人事。採用を中心に組織開発・育成・配置戦略など事業をグロースさせるためのHR活動全般に携わっていただきます。」という文面は、そんな私を呼んでいるように見えた。
 これまで私も夫もずっと大手グループだったので、正直スタートアップは視野に入れていなかったが、なるべく多くの挑戦をするなら、環境も今までと真逆なくらいが良いんではないかと思った。詳細を説明させてくださいとエージェントからの電話が、その気持ちを後押しした。

初めまして、CFO

 役員とのカジュアル面談を調整すると連絡が入った。カジュ面から役員が出てくるのか、これはもう初めから前職と違う香りがプンプンするぞ、と胸が踊った。しかし、待ってほしい。なぜCFOなんだ。カジュ面とはいえ、CFOが出てきて何を測ろうとしているのだろう。社員全員に徹底的なコスト管理が求められるの会社なのだろうか。そんな憶測をよそに、想定していたよりはるかに「カジュアル」なカジュ面が始まった。
 話の内容は割愛するが、CFOが管理部も見ている、という謎の状況がスタートアップらしくて思わず笑顔になった。そのせいか緊張は解け、総じて自然体でいられたなという印象が残った。今まではこういうキャラに見られたいとか、こういうキャラを求められているとかで、シーンや相手に応じて自分の立ち振る舞いを随分調整してきたものだ。その後の選考で会った役員たちとも、こんな地声でありのまま話して良かったのだろうか、と思うくらい自然体でいられたことが単純に嬉しかった。
 一方、事業の話になると、ブルーオーシャンの市場に熱い想いで挑む話をする彼らの姿を、仕事って本来このくらいのパッションで向き合うべきだよなと見ている自分がいた。そして、今まで安定志向のぬるま湯に浸かっていたことを、挑戦したいと言いつつも守られすぎていた環境であったことを、そういう選択をずっとしてきた自分のことを、恥ずかしく感じたのであった。この人たちと同じパッションで、同じ目標に向かって走れる仲間たちを、私が採用する。入社に迷いは全くなかった。

ゼロベースの挑戦

 勤怠管理システム、従業員管理システム、経費精算システム、契約書管理システム、NotionにSharepoint、SlackにGather…一体いくつアカウントを発行する気なのだろう。社用メールにログインした私は、未読メールの山を見つめた。今までは全てのドキュメントが「人事部フォルダ」に入っていたし、ほぼ全ての情報管理をグループ内の管理システム1つで行なっていた。いろんなところに情報がある、それだけでスタートアップに入った感じがした。
 採用業務については一通りの経験があるのでキャッチアップが大変だと感じなかったが、採用戦略やKPIの考え方、PDCAサイクルを回す速さなどは流石の一言だった。理想とする形でアウトプットできないことに焦りが募り、良い歳をして悔し涙も流した。そんな時に上長は顔色ひとつ変えず、的確な指摘と共に「これを読んでみてください」と本を紹介してくれた時、こんなロジカルな対応は私には絶対できないなと驚いた。私は後輩に泣きながら相談されたら貰い泣きするタイプだ。でも、正反対なタイプだからこそ、最高のチームを作れるのではないかと思う。本を何冊も片っ端から読み、SNSで関連アカウントをフォローする。初心に戻って採用の勉強会に参加し、スタートアップ界隈の人事ネットワークを作る。今までの経験から判断するのは、もうやめよう。常にゼロベースで考えるのは、刺激的だ。でもこれがスカイディスクでの「普通」なのだ。

仕事とピアノ

 「ママ、ジンジっていうお仕事って楽しいの?」ある日、オンライン会議を終えた私に長女が聞いてきた。理由を問うと、ピアノを弾いている時と同じ顔をしているから、と。確かにそうかもしれない。私はピアノが好きで、子どもたちの前でもよく弾いている。とはいえプロのように上手ではないので、弾きこなすまでに何度も練習を繰り返し、徐々に形になっていくプロセスと私の表情の変化を、子どもたちも見ているのだろう。
 ピアノは小学生の頃に2年ほどピアノ教室に通っただけで、後は独学で練習してきた。クラシックがベースで、如何に間違えず譜面通りに弾くかにフォーカスしていたように思う。それに対しここ数年、Jazzを弾き始めた。Jazzのスウィングを調べ、気分に合わせてリズムを変える。おしゃれな装飾音もつけちゃう。小さな音の違い一つで、大好きなピアノをもっともっと好きになれる。そこには、bestではなくbetterを追求する世界がある。そんな感情に近しいものを、スカイディスクでの日々で感じているなと、娘の問いかけで気が付いた。
 クラシックな採用をしてきた経験をベースに、今度はJazz採用をする。採用という楽器を演奏するのは私だが、私だけじゃ辿りつかないスウィングを周りが自然に提示してくれる。「なるほど、確かにママにとってお仕事は、ピアノみたいなものかもね。」そう娘に笑いかけた自分が誇らしかった。
 明日は久々に、布団を干そう。

これからも、人事として

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。これを書くにあたって、スカイディスクの仲間たちだけではなく、当時一緒にキャリアに悩んだママ友や、新しい環境に飛び込んでいった前職の仲間たちを思い出しました。皆それぞれ事情がありながらも、幾つになっても夢に向かって頑張っていく姿を、これからも応援していく人事でありたいと心から思っています。
 あなたのキャリアの続きを、スカイディスクで描いてみませんか?転職ありきではなく、ただのキャリア相談も大歓迎(実はキャリコン保有者です)!カジュアル面談でぜひお話しましょう。申し込みお待ちしています!


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