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今日の140文字

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平日の1日1回、140文字ぴったりでつぶやきます。 とれてたのことば #今日の140文字 ◆以前のものはこちら◆ https://togetter.com/li/103…
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2019年8月の記事一覧

言葉に力があると思うのは、どうしても気持ちが引っ張られてしまうから。子どもに言われた「バカ」という言葉。子どもは意味がわからず使っている可能性が高いのに傷ついてしまう。自分が発するときにも、好きでもない人に「好き」と言ったり、反省していないのに「ごめん」と言ったりすると心が傷つく

問いに対してそのまま答えるのではなく「そもそもその問いは必要か?」みたいな話ができるとすごく楽しい。問いの質で答えの質が決まるところがあるから、問いの質を疑う姿勢はたまらなく本質的だ。でも人は問いを与えられるとつい答えを考えてしまうから、問い自体に疑問を投げかけるのはとても難しい

「自分より優れている(詳しい)人がいるからやらない」というのは、多くの人が陥りがちな落とし穴。「世界でもっとも優れた◯人しか活動してはいけない」なんてルールはない。例えば何かで有名なあの人は、その何かで世界一なのか、と考えればわかるはず。ひとクラスくらいを集めて一番ならいいのでは

雑誌の原稿で一番難しいのはリード文だった。特集の概要と魅力を伝え、全体を俯瞰して共通項を見つけて抽象化しつつ、必要に応じて適度に具体例も入れていく。なおかつ、読者にすぐさま自分ごと化してもらうとか、世界観や雰囲気を伝えるなどの役目も持つ。新人の頃はいつだって不安だらけで書いていた

漠然とした「実力」や「才能」を正確に測ることなんてできない。身長や体重、学校の成績と違ってそれはとても複雑だから。かつ、測る人にそれをキャッチする力がないといけない。自分の価値を信じてくれる人が現れたら、それはとてもすごいこと。そんな人に出会うためにも、自分でたくさん動かなくては

大人でも子どもでも謝れない人は人生を損していると思う。心から謝るというのは、つまらないプライドやこだわりなんかを自らへし折って相手に寄り添うってことだ。自分を傷めずに人間関係の傷を修復しようっていうのは虫がよすぎるし、自分の成長の機会を逃している。ポキッと折るからさらに伸びるのだ

子育ては、川に流す笹舟のようだと思っている。親がコントロールすることなんてできなくて、少し指先でちょんちょんと方向を直してあげるイメージ。それよりも流れるべき方向に流れる力が圧倒的に強くて、それに抗うことはできないし、流れに任せた方が遠くまで行ける。川の流れはなかなかに強力だよね

言葉はとても覚えやすい。対して、体感は記憶からこぼれやすい。だけどその情報量の差は歴然で、言葉は体感のほんの一部しか表せない。だから、体感そのものを言葉にするより、きっかけになる周辺を残して体感を思い起こす方に賭ける。だからできごとを記録し、あとから読んだ自分をその瞬間に戻すのだ

自分の感情を特定の誰かに伝えると、その人に何かを求めることになりはしないか。「悲しい」「苦しい」「楽しい」「嬉しい」を聞いた人は、何かをしてあげたほうがいいと思ってしまう。誰にもそんなふうに思わせたくないけれど、ただ気持ちを言葉にしたいときもある。それができるのが文章のいいところ

私は好きな人や尊敬する人に対して質問したいことが自然に思い浮かぶ方ではない。たぶん、その人が答えとして持っているものより、その人の着眼点とか視点とか発想の仕方とか、非言語のものを知りたいんだと思う。だから質問するのではなく同じ時間を過ごして、その人が何を見て何を考えるか見てみたい

人生は壮大な暇つぶしだと、ある時から思っている。これは誰かの言葉かもしれないけどよく覚えていない。長い長い暇つぶしだからこそ、終わりのその時まで退屈せず充実させたい。そう考えると人生になんの矛盾も虚しさもなくていろいろな辻褄があってくる。暇だったことを忘れるほどに色濃く過ごしたい

いろんな人に救ってもらってここまで来た。特に恩人のような人にお礼を言ったら「こんなことで救われるのなら、才能があるんだよ」と言われた。私に救われる才能があるのなら、今後何があっても救われながら生きていくのだろう。そう思うと自分が一段強くなった気がする。いろんな才能があるものだよね

感情が複雑に絡み合う瞬間が好き。映画でも、歌の歌詞でも、自分の生活に起こることでも。そこには葛藤や迷いやためらいが生まれてとても味わい深くなるし、その場所その瞬間にしか現れない唯一無二のものになる。その感覚をまるっと簡単に表す言葉はなくて、複雑なかたちを静かに繊細に感じるしかない

目指したいものがあるとき、私たちは今ある道を選びがち。目に付きやすいし、辿り着ける場所がわかりやすいし、考えなくて済むから。でもその道はずっと綺麗なままではなくて、たくさんの人が通ればでこぼこするしヒビも入る。本当は、誰も通ったことのない場所で、道なき道を進める力を付けた方がいい