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子持ち鍼灸師に捧ぐ「子どもが発熱したら」マニュアル

子どもが産まれて、ある程度の時期になって、
「さぁ仕事するぞ!」っていうやる気まんまんなわたしたちを容赦なく襲う事態。そうそれが【子どもの体調不良】です。

これは、結婚しているか、シングルかどうか、実家に頼れるか、とかでまた変わってくるとは思うのですが、あくまでもわたしはこうして乗り切ってきています、というのを書いてみたいと思います。
ちなみに現在、娘が絶賛発熱中です。心配。そわそわ。

対策①シミュレーションしておく

まずはこれ。

子どもが体調不良になったとき、夫婦のどちらが休むのか。交代で休みをとるのか、メインで休むのが母親になるのかとか、その時に決めるのではなく、事前に話し合っておくほうがいいですよね。

そしていざ看病するとなったとき、お互いの親にどの程度頼れるのか。このご時世なので、コロナが陰性である、という事態になるまではなるべく他人を家にも入れられません。

ちなみに発熱がある場合、発熱した時刻はしっかりとメモしておきましょう。インフルエンザと同じで、発熱から12時間経過しないと、PCR検査を受けても正確な診断ができないようです。それまではなんとか鍼灸でしのぎ、翌日になったら病院へ行きましょう。

陽性ならもちろん家庭内でも隔離といわれますが、幼い子どもだとそれも難しいので、母親がメインで看病するならこれはもう感染覚悟で、父親と他のきょうだいにはなるべく感染しないような対策がとれるといいですね(理想論)。きょうだいはもうしゃーない。もう片方の親だけは生き延びろ!そして買い物よろしく!

陰性であれば、選択肢は広がります。お互いの親、近所のお友達、行政サポート、病児保育。病児保育はいきなり使えないので、事前に登録しておきましょう。(残念ながら住吉区にはない……)

あと、これはメインで仕事するほうの人に言っておきたいんですが、
メインで仕事を休んで看病するほうの人は、まじで毎回、職場や患者さんに対してしぬほど申し訳なくなっています。これだけはわかっててほしい。

子どもがいると、当たり前に仕事をできていることが幸せだと思わないといけなくなります。決して当たり前ではない。働いてる方がえらいわけでもない。だから、メインでいつも休む担当になっている人の気持ちだけは考えていてあげててほしい。毎回毎回、頭を下げまくって、予約も調整して、評判も落ちてるかもしれない相手のことを。

だからほんとは、交代で休めるといいよね……。
お互い、仕事が大事なのは変わらないから。

対策②日頃から小児はりをしておく

これはガチ。

もちろん完全に体調不良を防げるわけじゃないけど、病院に行く頻度はかなり減ります。あと、普段の様子に気を配ることで、とにかく早めの対処が可能になります。

こんなに暑かったり湿度が高かったり雨だったり雷だったりしてると、そら体調もくずしやすい。特にうちは小学生なんですけど、ランドセルは重いし、マスクだし、雨でもプール(そもそも回数が少ないから無理してでも入る)し、今の子どもはほんとに昔よりいろいろしんどいと思う。

ちょっとした違和感や、しんどそうかも?ていう視点で接していると、「ちょっとはりしよか」「お灸してから寝よう〜!」ていう声かけができますし、そうしてケアしているとやっぱり体調はくずしにくくなりますね。あとはもちろん早く寝ること。生活リズムだいじ。

そうしてケアしていても、もちろん体調くずすときはくずします。でもそこでも治療したら、早めに寛解すると思ってます。

わたしはだいたい、発熱したら、少商に刺絡します。
あとは頭痛・吐き気・咳などがあればその都度応じて選穴して施術。
寒気があれば、背中の大椎・肺兪・身柱はしっかりあたためます。

発熱を促すなら、合谷・大椎がいいですね。曲池も。

お灸は厚さがわかりにくくなっているので、聞きながら、しっかりめにやります。台座灸もいいし、わたしはひねるお灸でやることが多いです。ちいさいお子さんだと、線香灸もいいですし、危なそうなら温灸がおすすめ。

病院の薬ももちろんもらうんですが、うちの子はあんまり飲まないです……。それより寝てるほうがええわ、的な。わたしも、まぁ鍼灸してるしええか、ってなかんじで無理に飲ませてません。(絶対必要やろ的なやつ以外は)

このへん、一般の親よりもだいぶ心に余裕のある看病ができるのは、鍼灸師ならではやと思う。

対策③普段から患者さんと関係性をつくっておく

やっぱこれやと思います。

わたしは、6年前に開業したとき、次女が1歳で、保育園があいてなくて預けられませんでした。なので毎日、子連れで出勤してたんですよね。患者さんには、「わたしには子どもがいます」ってことがもちろんわかる状態だったし、【バリバリ働けません・子ども優先です】ていうメッセージを伝えていたつもり。

それでもやっぱり、子どもの体調不良で休むのは必ずわたしだったので、患者様に迷惑をかけるのもいつもわたしでした。(元夫の患者様は夜までいらっしゃったので、わたしが休むほうが影響が少なかった為です)
めちゃくちゃ申し訳なかったし、最初は「こちらの都合でキャンセルや変更をしてもらったので、次回は無料で結構です」なんて言ってました。

でも患者さんは「そんなんええですよー!みんなあることやし。気にせんといて!それよりお子さん良くなってよかったね」と言ってくれるような方ばっかりだったので、もうほんとにありがたかったです。

いま、わたしは一人治療院を開業していまして、それこそ患者さんへの連絡や調整は自分ひとりで行わないといけない状況です。
が、必ず全員LINEを知っているのと、予約以外のメッセージやりとりもしていることが多い(施術翌日には、体調をお伺いする連絡をするので)ので、わりと皆さん返信をくださるんですね。

今回も、娘が発熱してコロナかもしれないので今日これ以降の予約を全部キャンセルさせてくださいという連絡をしたのですが、みなさん「娘さん、お大事に」と言ってくださるし、「先生も無理なさらないように」とかわたしのことまで気遣ってくださるのは、わたしが離婚して、シングルマザーであることを公言しているせいもあると思います。

かっこつけてもできないものはできないので、自分の守備範囲がどこまでなのか、ご迷惑をけるとしたらどこなのか、っていうのは先に明示しておけば、お客さんとのミスマッチは少ないかなと思います。

今回は、患者様の中でももう何名もコロナ感染者の方がおられたので、「自分の経験から言うと」ってことで、お得だったネットスーパーや、救急の連絡先など、コロナ自宅待機のときに役にたちそうな情報をいっしょに送ってくださる方も数名おられて、もうほんまみんなめっちゃやさしい。泣ける。
コロナじゃなかったら、買い物とか代わりにいきますよー!って言ってくださる主婦の方もおられました。きっと天使。

もちろん、仕事が再開できるようになったら、自分のもてる精一杯で恩返しをしたいと思ってます。誠意をもって施術をすることがなによりですよね。こういうのって、普段から患者さんとどうやって関わっているかが如実に出るのかなと思うので、なるべく両思いで仕事したいなって思います。
わたしも患者さんのことがすきだし大切だし、向こうもそう思ってくれてたらありがたい。


そんなわけでわたしがやってる対策はこんなかんじでした!
わたしの周りには女性鍼灸師さんがたくさんいて、みなさん「育児しながら仕事することの大変さ」をおっしゃってるので、そのなかでもダントツに困る体調不良時について書いてみました。

そらそうやろ🤤てかんじなんですが、なにかの参考になればうれしいです!


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