執着を「愛」と呼ぶなら
むかしむかし。
彼氏とわたし、そして彼氏の女友達(わたしにとっては先輩)で鍋をしていた。
何かの話の流れで、彼氏の女友達が、
「(彼氏は)えみちゃんのものだもんねー」
と言った。
わたしは、
「〇〇(彼氏)は誰のものでもない、です」と答えた。
その夜、二人の時に、彼氏が
「俺って、えみのものじゃないん?」
と改めて聞いてきたので、
「え、わたしの……ではないよね。あなたはあなただよね」って冷静に返して、「そっか」ってなんだか残念そうにされたのを覚えてる。
だれかを所有したい、だれかを独占したい、という感情って、
そのときはよくわからなかった。
わたしは、彼氏の元カノとも仲良くふたりで飲みに行ったりしてたし、あんまり嫉妬もなくて。わたしが知らない昔の彼氏を知ってはる、というのは、歴史だなぁ、と感じてたことはあったと思うんだけど。
そのあとも、いろんな人と付き合うたびに、「彼氏彼女」という契約関係ってめんどくさいなぁと思った。心は自由だし、その時、自分が一緒にいたい(あそびたい)と思った人と一緒にいるだけで、怒られたり、縛られたりする。
それを、さらにめんどくさくした契約が「結婚」なんだと思うんだけどもw
世の中には、どうでもいい他人のことでいちいちうるさく意見する人がいて、ほんとみんな暇なんだなって思う。
こないだの、ぺこ&りゅうちぇるの離婚もそう。
先日の、しみけん&はあちゅうさんの離婚もそう。
周りがなんといおうと、本人たちが一生懸命悩んで出した結論なのだし、当人達やお子さんが幸せだったり納得してたりするなら全然いいじゃんか、て思うんやけど。
最近、「新しい家族のかたち」みたいなフレーズで、いろんなパートナーシップがあるなと思っていて。
ちょっと前に「ポリアモリー」という言葉をTwitterで知って、「所有しない愛」のことを考える機会があったのよね。
らしい。
ポリアモリーの考えでは、常に自分と相手は対等な関係だし、相手を独占することもなく、所有もしない。この「所有しない」というところが、自分の中ではすごく理想だし、平和で良いなぁ〜!と思っていて、とてもとても好き。
あと、めちゃくちゃ大事なのが、「関係者と合意を得る」のところ。
隠れてコソコソするわけじゃない。
「わたしはこう思うんだけど、あなたは?」という作業を、とても丁寧にすすめていくのだと思う。
自分と相手がいて、なにか別の可能性が出てきたときに、話し合いをする。これって、一見当たり前のように見えて、世の中のパートナーたちでそれを本当にできている人たちって少ないのではないかなと感じている。
みんな「話し合い」が苦手なんだ、きっと。
相手から意見を言われると、怒る人が多い。
感情としての「怒り」はしょうがないからいいとして、そこからコミュニケーションを断絶させることが多い、というほうが正確かも。
わかりやすく返事をしないとか、もうその話題を出させないように不機嫌になるとか、相手に話す気がなくなるような応対をすること、これらはすべて、相手を尊重している行為ではなく、ただ自分の意見を曲げたくないから相手からの意見を入れないように防御しているだけ。
総じて、「相手を黙らせる」ことをしている人は、コミュニケーションがへたくそだと思う。だって、対話を引き出していないもの。
わたしが臨床で出会う人たちも、ネットで知り合う人たちも、パートナーとのあいだに何か問題を抱えているとしたら、「相手とうまく話し合いができない」という一点に集約されると思うんだよね。
もしその話し合いが、険悪な雰囲気でおわったとき、
「もうあんなふうに傷つきたくない/相手のことも傷つけたくない」
「また頭を使って話さないといけないのか……めんどくさいなあ」
「いやな気持ちになることは避けたい。疲れるし」
って思ったとしたら、結婚生活なんてただの「作業」にならない?
毎日同じように生活して、生活に必要な連絡だけ情報交換して、買い物行って、お金稼いで、ご飯食べて寝る。それを快適にするためにお互いの関係性があって、なるべくそれが良好になるように努力する、てのがきっと理想なんやけど。
良好、ってのが、「めんどくさいことを心に押し込めて過ごす」ことではないんよなぁ。
ポリアモリーの皆さんも、自分がそれに該当するって気づくまでにいろいろあったと思う。自分の価値観と相手の価値観、お互いの気持ち、何度も再確認してきたと思う。そういう作業をしてきて、何かの結論を出した人たちを、わたしは総じてとっても尊敬している。
ってえらそうに書いてるんだけど、昔の自分がよくわからなかった「執着」や「所有欲」に関しては、最近のほうがよく自覚するようになってきた。
たとえばセックス中の「噛む」って行為についてなんだけど、
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しあわせに生きて、しあわせに死ぬまで
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