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富士山頂バイト-雲の上の世界-
大学4年の夏休み、富士山頂で1ヶ月間を過ごした。富士山頂は僕が本格的に写真を撮り始めるきっかけとなった場所。
標高3700メートルを超える世界。バイト先の山小屋で寝泊まりして1度も山を降りることなく富士山頂で生活した。
常に雲の上の世界。圧倒的な光景が目の前にあった。特に好きだった時間帯は夕方。登山客が誰もいなくなった富士山頂で一人、雲と空を眺めている時間が好きだった。本当にぜいたくな時間だった。
富士山頂バイトが決まってからオリンパスの中古の一眼レフを買った。使い方は分からないけれど、とりあえず買って持って行った。
最初は全然分からないからうまく撮れなくて、富士山頂に着いて最初の1週間くらいはコンパクトカメラでずっと撮っていた。その方がうまく撮れるような気がしていた。
でも、そんなある日、いつものように空を見上げながら写真を撮っていたら、足元の石につまづいて転んでしまった。転んだひょうしに、カメラが石にぶつかり壊れて使えなくなった。
今から思えば、何かの導きだったように感じる。もし、あのとき転ぶことなく、カメラが壊れなかったならば、1ヶ月間もしかしたら一眼レフで写真を撮ることなく過ごしていたかもしれない。
半強制的に、一眼レフを使わざるを得ない状況が生まれたから、全く分からないけれど使い始めた。
目の前には圧倒的に美しい景色があったから、どうしても写真におさめたくて毎日写真を撮った。
だんだん少しずつ撮れるようになり、結局、1ヶ月の富士山頂バイトの間に4000枚ほどの写真を撮った。ぶれている写真もたくさんあるけれど、うまく撮れた写真もたくさんある。
以来、10年以上写真を撮り続けている。富士山にもほぼ毎年登って写真を撮っている。一眼レフを買って最初に写真を撮った場所が富士山頂だったからこそ、僕にとってひときわ想い入れのある場所になっている。
言葉にならないくらいに圧倒的に美しい富士山頂の世界。僕の写真から少しでも伝わったら嬉しい。
しばらくできていないけれど、富士山頂で撮った写真もだいぶ貯まったので、またどこかで個展をしたいと思っています。
最後に当時、富士山頂で撮った写真をまとめて載せます。
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