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唯一の兄弟、陸へ。

4年ほどぶりにnoteを開いた。
それがこれがきっかけになるなんて思いもしなかった。

私にとって唯一の兄弟である、愛猫の陸が逝ってしまった。
7月20日生まれの陸は、18歳あと少しだったけど、17歳立派に生きて、
いつもいつもそばにいてくれた。

17年以上一緒にいた家族を失うなんて初めてで、
受け入れているようで、受け入れられていないような、
陸がいない日常に慣れるのにどれくらいかかるんだろうか。
どこかで慣れたくない自分もいるみたいだ。

写真や動画を見返すことしかできなくて、
ふと何分も、何時間も見入ってしまう。

なんといっても可愛いすぎるし、なんだか男前でかっこよすぎるし、
ずるいよ、陸さん。あなたのことが好きすぎます。

私がたぶん小学生の頃。鈴つけるの嫌がってたねえ。

私が小学3年生のときに陸はうちに来てくれた。
里親さんから譲っていただいて、興味深々で机にひょっこり乗ったりして。

私を獲物だと思っていた陸

仲良く甘えてくれるのかなあ、なんて思ってたけど
こんなに襲ってくるとは思っていなかった笑
ソファのうしろ、爪とぎの影、あらゆるところに隠れては
お尻をふりふりして、すごい勢いで飛びついてくる。
小さい頃しかしてくれなかったけど、たーくさん陸なりの
飛びつきハグをしてくれて、ありがとう。楽しかった。

とにかく私の足の間が好きすぎるひと
いつもぴたっと

私は小さい頃、特にピアノの練習とか、いろんな側面で親に怒られがちで
ひとりっこだから、怒られると逃げ場所がなかったし、
こっそり泣くのも恥ずかしいし、いつも一人で心細かった。
そんなとき、陸だけはさりげなーく寄ってきてくれて、
いつも通り甘えてくれた。ぴたーっとくっついてくれた。

これは私が大人になっても変わらなくて、
おじいちゃんが亡くなってしまいそうで心配で涙が止まらないときも、
仕事がうまくいかなくて一人で落ち込んでるときも、
失恋してなかなか立ち上がれないときも、
どんな時も、ぼたぼた垂れる涙をもふもふの毛で吸収してくれて
ずっと近くにいてくれて、しあわせそうな顔して甘えてくれた。

私の椅子を占領したいひと

私が社会人になって、在宅勤務が増えてからは、
私の椅子を横取りする名人。

何もないかのように平然とミーティングを進めていたとしても、
私のおしり周りはいつもこんな風でした笑
最初は遠慮がちに、椅子の後ろ半分に寝ているのに、
きもち良いのか、どんどん足でお尻をぐりぐりされて、
しまいにはほぼ立ち状態で椅子から落ちそうになることもありました。
陸なりに、私の運動不足と腹筋なしを助けてくれてたのかな。

仕事の邪魔する達人(褒めてる)

もちろん小さい頃の陸は、ねずみのおもちゃをちょいちょいしたり
走り回ったり可愛かったのだけど、大人猫になると、
それはそれでまた甘えん坊になったり、
こちらをクスっと笑わせてくれたりした気がする。

おしりごっつんこしてくる陸
どうしてそうなる…?
夕飯後はいつも一緒におひるね
私の膝の上で私の食べ物を狙う

******

こんなに幸せそうで、
こんなに元気に人の分まで食べたがっていて、
ころころいろんなところでお昼寝していて、
カリカリは飲むようにたべていて、
仕事中も夕飯中も椅子の上を占領していて、
元気そうだった陸が、リンパ腫になった。

長生きもしてくれていたし、
病気になることはしょうがない気もしていた。

でも、
いろんなところで粗相するようになってしまったり、
カリカリを食べながら急に鼻血を出してしまったり、
なかなか病院の注射を打ってても
新たに体調が悪くなっていってしまう様子は、信じられなかったし、なにより進行が早かった。

6月末、いつものごとく出張から帰ってくると
陸はカリカリをほぼ食べれなくなってしまってた。
そこから、たまに打ってもらえる注射で回復すると、すこーしだけ食べれたり、ヨーグルトをぺろぺろはしてくれたり。

でも、明らかに抱っこすると軽くなって
ほそーくなってしまって、
6月末、7月初めと急激に弱弱しくなってしまった。

ついこのあいだまでは、
夕飯のときに陸の手と食べものの取り合いしていたのに。
私が体調崩していると、ぴょんって飛び乗ってきて近くで一緒に寝てくれたのに。

私が一緒にいてあげたい、一緒にいてあげなきゃと立場が逆転してしまった。

陸が年老いたなぁと感じるようになってから、
寝ている時はお腹が動いているか確認する癖がついてたけれど、
ついにそれを看取るときがしてしまった。

いつもより確実に呼吸が荒くて、
なんだか危ない気がして1時間くらいそばにいて、手を握って、陸も握り返してくれた時間があった。

その30分後くらいには、お別れになってしまった。

******

わたしは26歳。26年間の人生のうち、
18年間ほど一緒に過ごしてくれた陸。

わたしの小学校、中学校、高校、大学、社会人、すべてのステップを見てきてくれた。

体もわたしのほうがだいぶ大きくなったし、
昔とは泣く理由も変わったし、
私なりにつらいことも乗り越えて、前に進んでるところも、近くで感じとってくれてきた。

昔はただ襲ってくる陸だったのに、
だんだんとお互いに甘え合ったり、支えあったり、食べ物を取り合ったり、愛情を伝えあったり、ほんとに兄弟のように一緒に生きてきた。

陸は17歳だけど、人間でいうと何歳なんだろう。きっとおじいちゃんなんだろうけど、私にとっては兄な面もありつつ、可愛い弟でもあった。

大切な、唯一の兄弟を失って、
どう生きていくよ。

どう生きていけるかわからないけど、
少なくとも、
陸が何も言わずに近くでそばで支えてくれたように、わたしも誰かをそんな風に支えたいし、
一緒に歩んできた18年ちかくの経験と思い出を糧に、陸の優しさと笑わせるチャーミングなところは、私も大切にしていきます。

家に来てくれてありがとう。
だいすき。

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