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謎解き・バナナフィッシュにうってつけの日11「足への接吻」


dig フカボリスト。口がわるい。


e-minor 当ブログ管理人eminusの別人格。


☆☆☆☆☆☆☆


 どうもe-minorです。


 digだよ。


 今回は前置きなしで本文にいこうか。すこし戻って……

 浮き輪がふたたび水平になると、シビルは濡れた髪の平べったい帯を自分の手で目から払って、「いま一匹見えたよ」と報告した。
「何が見えたって? お嬢ちゃん」
「バナナフィッシュ」
「ああ神よ、まさか」若い男はいった。「彼は口にバナナをくわえてたかい?」
「うん」シビルはいった。「6本」
 若い男はいきなり浮き輪から垂れているシビルの濡れた足の片っぽを手にとって、その土踏まずに接吻した。
「ヘイ!」と足の持ち主はふりむいて言った。
「ヘイ、はそっちさ! さあ帰るよ。満足しただろ?」
「やだ!」
「わるいね」彼はいい、シビルが下りるまで浮き輪を岸に向かって押した。そのあとは手で持っていった。
「さよなら」シビルはいい、未練げもなくホテルのほうに走っていった。

 ……というわけで、第2幕はこれでおしまい。


 ここで「洗礼者」としてのシーモアと「被洗礼者」だったシビルとの立場が逆転したのがわかるかな。

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全13回にて完結しています。

サリンジャーの短編「バナナフィッシュにうってつけの日」の謎を対話形式で解読。

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