子宮頸部高度異形成、治療の記録(写真付き)
ただいま!
長いこと月会費が引き落とされるだけになってなっていたnoteに、満を持して帰ってきました。
手術後すぐに、過去形であれこれまとめようと思っていたんですけど、なかなか過去のものにならなくて。
というのも、切り取る範囲を最小限に押さえてもらった(切りすぎると妊娠・出産に伴うリスクが上がる)ため、悪い部分が取りきれていない可能性が指摘されていたのです。
それが今月になってようやく、「もう心配ありませんよ。今回の治療はここで終了」となったので、今こうして過去形の文章を書き始めています。
この投稿がはじめましての方もいらっしゃるかもしれないので説明しますが、私は子宮頸部高度異形成(子宮頚がんの前がん状態)で、2021年5月に円錐切除術という手術を受けました。
手術のことは術後すぐのnoteに記してあります。ワケあって(いや、ないか?)8割パンツの話ですが、よかったらご覧ください。
さてさてそんなこんなで、検査に引っかかってから、完治までの経過を写真付きで記録として残しておきますね。
先に言っておくと読み物としてのオモシロ要素はないのですが、同じ診断が下され不安の中にいる女性や、そのご家族、パートナー、お友達など、情報を欲している人に届けば幸いです。
2020年06月
今からちょうど2年前、近所のクリニックで自治体の子宮けいがん検診を受診しました。
【結果】
郵便受けに入っていた要精密検査のお知らせ。これがすべての始まりでした。
2020年7月
精密検査のために、再度クリニックへ。
この時の私は、子宮頸部にLSIL「軽度異形成」という一番軽い状態の異形細胞が見つかっている状態。より詳しく診てもらうため、「コルポ診」と呼ばれる病変の疑いのある組織を切り取る検査を受けました。
ちなみに、嫌な印象を持たれがちな「コルポ診」ですが、実際は大したことありません。当日の運動や飲酒は避けるように言われますが、いつもとほぼ変わらない生活ができます。
個人差はあると思いますが、何度もこの検査を受けている私の場合
・痛いとの噂→痛み感じず
・切り取る時の音が怖いという噂→耳に指を突っ込んでゴソゴソ騒音を立てる方法を編み出して回避
で、いつ検査が始まったのか、そして終わったのかも分からないほどです。検査後も軽い出血と鈍痛程度で済みますから、怖くて精密検査に行けてない人は迷わず行ってくださいね。行かない方が怖いことになりますから!
【結果】
3ヶ所の組織を採ってもらい、その一部からCIN2「中等度異形成」の細胞が見つかりました。前回の「軽度異形成」より悪化しているものの、「ここから良くなることも多いから、きっと大丈夫。3ヶ月後にもう一度検査をしましょう」と先生。
2020年10月
再再検査。この時は「コルポ診」ではなく、ブラシで細胞を採る簡単な検査を受けました。
【結果】
HSIL, MODERATE DYSPLASIA(中等度異形成)の細胞が見つかり、残念ながら改善していないことが発覚。「それでも、悪化のリスクより改善の可能性の方が高いのよ」と先生に言われ、経過観察を継続することに。
2021年3月上旬
再再再検査。3度目の正直なるか!?
【結果】
HSIL, MODERATE DYSPLASIA「中等度異形成」。「良くならないね。こうなるとうちのクリニックではやれることがないわ」ということで、大きな病院を紹介されました。
2021年3月下旬
紹介状を持って、大きな病院の産婦人科へ。「見た感じ悪そうじゃないんだよね」と言われながら、コルポ診で念入りに検査。前回と同じく、耳元ガサガサ騒音作戦で乗り切りました。
【結果】
見た目に反し、CIN3 「高度異形成」の診断。「中等度異形成」までは経過観察対象だけど、「高度異形成」は治療対象。というわけで、手術決定!
先生の説明によると……
子宮頸がんの元となるのはHPVという多くの女性が感染するウィルスで、ほとんどは自然に排出される。「軽度異形成」になっても90%が自然治癒、「中等度異形成」も90%が軽度に改善。
ところが私が感染していたのは、200を超えるウィルスの型の中で最も悪化リスクが高くなかなか排出されないHPV16という型で、手術の必要がある「高度異形成」にまで達してしまったとのこと。
「難しい手術ではありませんが、子宮頸管が短くなるので、妊娠や出産のリスクが上がる可能性があります」との説明を受けたあと、最短でこの日と言われた日に手術の予約を取りました。手術は一ヶ月半後。
2021年5月
手術当日。
(この日までに術前検査、入院説明、PCR検査などで複数回通院)
バタバタバタバタあれよあれよと言う間に手術終了。→「ドタバタ手術録」
手術で切除した細胞を調べてもらった結果がこちら。
【結果】
噛み砕いてお伝えすると
・やはりHPV16型の高度異形成だった
・がんには至っていなかった
そして
・切り取った部分の端の方にまで異形細胞が到達しているから、悪い部分が体内に残っているかも→残ってたらもう一度手術
可愛らしいイラストだけど、言ってることはなかなかシビア。
「今は傷口に触れるわけにいかないので、2か月後に検査しましょう」と先生。
2021年8月
「傷口はきれいに治ってますね。それでは細胞の検査をしましょう」
悪い部分が取り切れているだろうか……ドキドキ。
【結果】
NILM 「異常なし」。「今回の検査では異常は見つかりませんでしたが、まだ完治とは言い切れません。しっかり経過を見ていきましょう」
2021年11月
術後二度目の検査。
【結果】
NILM 「異常なし」。「異常なしが2回続いたので次は半年後でいいですよ」と先生。
2022年5月
半年ぶりの検査。「今日はブラシで細胞を取るだけです」と言われていたのに、「ちょっと怪しいところが見つかったので、切り取って検査に回します」とのこと。久しぶりの耳元ゴソゴソ「コルポ診」は何の苦もなかったけれど、いつもに増して結果が気になります。
スケジュールの関係もあり、結果を聞きに行けたのは6月半ば。検査から一ヶ月ほど時間があったので、最悪の事態でもオロオロせず済むよう、再手術の覚悟を決めて向かいました。
ところが
【結果】
No CIN lesion, uterine cervix「異形細胞なし」でした。怪しく見えた部分はただの炎症だった模様。
これと併わせて、子宮頸がんの原因となるHPVウィルスの検査もお願いしていたのですが
【結果】
私が感染していた一番リスクが高い16型、それに次ぐ18型、その他のハイリスクの型のいずれも陰性という思わぬ結果でした。
「もう他の方たちと同じように、1〜2年に一度の定期検査を受けるだけで大丈夫ですよ」とのこと。どうやら「完治」という認識で良いようです。
再手術に向けスケジュール調整もしていたし、すぐ手術じゃなくても「軽度異形成」や「中等度異形成」が見つかって治療を継続する覚悟でいました。いい意味で予想が外れ、治った実感が湧かずふわふわした気分で帰路につきました。
以上が、私の治療の記録です。約2年間、お疲れさま自分。
せっかく読んでもらってるのに、何のオモシロ味もない文字の羅列ばかりで気が引けるので、一枚写真を残しておきます。
手術が決まったあの日。診察室を出てから、聞いたばかりの妊娠・出産のリスクの話を考えていたら、前日に抱っこした友達の赤ちゃんの温もりが胸元に蘇ってきたんです。「私はそういう幸せ手放すのかな」って思ったら泣けてきちゃって、お手洗いに駆け込みました。
「これが母性ってやつ!?この感情覚えておこう」と撮った写真がこちら。お芝居の台本のト書に「号泣」って書いてあればボロボロ涙流しますが、自分都合でこんな風に泣くのは珍しいので、興味津々、観察対象ど真ん中だったのです。
右の目尻に、涙を拭いたトイレットペーパーが付いているのはご愛嬌……!
それにしても、この写真を載せられるような状態になってよかったです。
気にかけてくださった皆さん、たくさんの大きな大きな優しさをありがとうございました。
読んでいただきありがとうございます。もしよかったら直接感想お聞かせくださいね☆