見出し画像

261.「星田リトリート」

〈リトリート〉

大自然の中にいるのではなく、部屋の中にいるのに、癒えていく体感に驚いた。

「カバラ」とは何か。
「イマジュリー」とは何か。
「夢見」とは何か。

そんな質問に、和さんは、ていねいに答えてくださった。
文字ではなく、耳で聴くこと。
身体で聴くこと。
ハートで聴くこと。
それが叶って、幸せだ。

(本文より)

******************

◆「夢(イメージ)」と「現」の体験が、つながりつづけている

4月3日から17日まで、3週連続で日曜日に開催された、大橋和さん主宰のワークショップ ~Woman~に参加したことで、これまで、ばらばらの点だったものが結ばれて線になり、線と線が結ばれて辺になり、みるみる起ち上って立体になり、鼓動を始めている。

「現」の世界で受け取った種を蒔く土壌を、「夢(イメージ)」の世界で、もくもくと耕しているような。
または、「夢(イメージ)」の世界で蒔いた種が、「現」世界で芽を出しているのを発見するような。

〈夢(イメージ)と現の体験が、つながりつづけている〉

そんなことを、いっそう感じた大橋 和さんの「星田リトリート」

お知らせには、こんなふうに書かれていた。

~サロンのサロンのある交野の地域は古代、星信仰がありました。
サロンでティーでも飲みながら、天空と響きあう私たちの内側をゆっくり感じて過ごしましょう。
お天気が悪くなければ、歩いて20分くらいの星田神社にも足を延ばしてみましょう~

◆星田神社

星田神社は、星田妙見宮とあわせて、ぜひ、お詣りするとよいと薦められて、2015年にお詣りしたことのある大阪府交野市の神社で、そのときは、何もわからず参拝した。

あらためて、神社の公式HPに書かれている「ご由緒」を読み、祀られている神様たちをみて、驚いた。

ご本殿には、住吉大神と総称される、底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神と、神功皇后。
摂津国一之宮の住吉大社にお祀りされている神様だ。

日本神話で、火の神を出産して、大やけどを負い、命を落とした最愛の妻イザナミを追いかけて、黄泉の国へ迎えに行ったイザナギが、連れて帰ることができずに戻ってきたときに、海(海の底のほう、海の中ほど、海面近く)で禊をしたときに生まれてきた神様だとされている。

ワークショップ ~Woman~ の1週目で、ギリシャ神話のペルセポネの神話に基づくイメージワークをして、のちに詳しく調べたときに、私の脳裏には、日本神話の数々のシーンが浮かんできた。

その一つが、イザナミとイザナギの黄泉の国のエピソードだった。

黄泉の世界にいる妻イザナミを迎えに行く夫のイザナギ。
黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、戻れなくなったイザナミ。
夫に、黄泉の国での姿を見られてしまったイザナミの嘆きと怒り。

黄泉の世界に連れ去られた娘ペルセポネを迎えに行く、母デメシス。
黄泉の国の食べ物を食べたぶんだけ、地上に戻れなくなったペルセポネ。

また、ペルセポネが黄泉の国にいる間、地上は光のない世界だと書かれた表記を読んだとき、日本神話のアマテラスの岩戸隠れの情景が浮かんできた。

アマテラスは、岩戸に入る前と後で、ひめ神から女神へと成長をとげている。

(岩戸が象徴しているのは、なんだろう)

ペルセポネの神話を読んだことで、そう感じ始めた。
すると、岩戸びらきに勢ぞろいした神様たちのふるまいさえ、これまでとは違う意味を運んでくる。

そして、ワークショップ ~Woman~ の三週目で、参加者のシェアから出てきた象徴的な言葉。

〈男性性も傷ついている〉

女性性と男性性は、どちらかしかないのではなく、どちらも共存している。
女性性が傷ついていると感じたとき、同じくらい、男性性も傷ついていることに気が付く。

〈男性性も傷ついている〉

黄泉の国から戻ってきたイザナギの禊について、これまでは、あまりよい印象をもっていなかったけれど、ワークに参加したことで、

〈傷ついた男性性の回復のための浄化〉

を感じ、イザナギをいたわる気持ちが湧いてきた。

また、ワークの2週目のテーマは「浄化」と「癒し」であった。

そんなことを感じているときに、リトリートで訪れる星田神社の主祭神が、海中での禊から生まれた「禊の神様たち」だと知って、この参拝に秘められたテーマに触れた気がした。

(大きな浄化)

ほかにも、私のイメージに登場した、たくさんの神様がお祀りされているので、驚いた。
リトリートに参加すると決めたのは、ワークが始まる前だったのに。

◆遅刻

リトリート当日は、ギリギリまで、ワークショップ ~Woman~ のブログを書いていて、電車の時間に遅れそうになり、あわてて飛び出したので、いろんなものを家に忘れた。
しかも、降車するのは、自宅最寄り駅から3つ目という近さだったので、気づいたときには既に乗り越していて、まさかの大遅刻。

でも、折り返しの電車を待つ15分で、気持ちが落ち着いた。
そうして、臨んだリトリート。

和さんのマンションのお部屋は、ほんとうに、よい氣に満ちていて、参加されたみなさんと、ただ、丸くなって座っているだけで、心地よくて癒された。
風がよく通り、ときおり、美しい音がするので見回すと、窓のそばに「コシチャイム」が吊るされていた。

◆「コシチャイム」

「コシチャイム」は、フランスのピレネー山脈のふもとで手作りされているもので、「コシ」というのは、会社の名前だそうだ。

画像1

共鳴管は、薄いいくつもの竹ベニアの層でできていて、中をのぞくと、さまざまな高さの金属の棒が8本立っていて、それにアクリルの円盤が当たって、クリスタルな音を奏でる仕組みだ。
なぜ知っているかというと、持っているからだ。

音色は、「テラ(大地)」「アクア(水)」「アリア(風)」「イグニス(火)」の4種類。
和さんのサロンにあるのは、どの音だろう。

ぐるぐるまわすと、音の虹が生まれる。
買ったばかりの時は、いろんな音を楽しみたくて、腰につけて歩いたりしていた。
仲良しになると、音がどんどん変わっていく。
どこかなつかしいその音は、ガラガラや、おきあがりこぼしの音に似ている……。
そんなふうに感じたことを、思い出した。

◆リトリート

大自然の中にいるのではなく、部屋の中にいるのに、癒えていく体感に驚いた。

「カバラ」とは何か。
「イマジュリー」とは何か。
「夢見」とは何か。

そんな質問に、和さんは、ていねいに答えてくださった。
文字ではなく、耳で聴くこと。
身体で聴くこと。
ハートで聴くこと。
それが叶って、幸せだ。

***

和さんのサロンにあった素敵なアイテムたち。
写真を撮ってもいいと言ってくださったので、撮ってみた。

◆「ギャッベ」

奥の部屋には、「ギャッベ」と呼ばれるイランの遊牧民「カシュガイ族」のウール100%の手織り絨毯が3枚置かれていた。

画像2

色の鮮やかさ、あたたかさ、モチーフの自由でユニークなデザインと、かわいらしさ。
すべて手作りなので、同じものは一つもなく、ずっと眺めていても飽きない。
カシュガイ族の女性の祈りがこめられている。

私がギャッベと出逢ったのは、2014年に参加したイベントの前に、たまたま入ったカフェの2階だ。
展示会が開催されていて、「赤」の魅力にひきこまれた。

力強いその色は、日本名で「茜」。
ペルシャ語では「ローナス」という植物の根を使ったもので、カシュガイ族の女性に 「命の色、勇気のローナス」と呼ばれて好まれる色だという。

展示会場で、大きな赤のラグに寝そべらせてもらうと、横たえた背中や、後頭部や、おしりや、ふとももや、ふくらはぎに、じんじんと、山岳の天と大地の「命と勇気」が注入されていく感じがした。

◆「いのちの花」

ワークショップ ~Woman~ で、ZOOMでお話する和さんの後ろに見えていた、草場一壽さんの「いのちの花」という作品も、観せていただくことができた。

画像3

いっぱいにひらいた花弁の中央に、燃えるように、踊るように、守るようにうごめく雄しべと、つややかな雌しべ。

男性性と女性性が、一つの花のなかに存在している。
受け取るために。与えるために。つながるために。

絵の前に置かれた大きな水晶の色がとても素敵だった。

◆「糸魚川の翡翠の勾玉」

翡翠の勾玉があまりに美しくて、目が離せない。
糸魚川の翡翠だと教えていただいた。

画像4

(勾玉のかたちに魅かれるのは、どうしてだろう)

夢の中の泉から湧き出した赤ちゃんのよう。
二つ並んでいることが、たまらなくいとおしく、その前にいるだけで、祈るような気持ちに包まれる。

◆「オークのチェスト(アンティーク)」

和さんがブログに書いていらした、オークのチェストも、大切に使われてきたことが伺える、ぬくもりのある存在感だった。

画像5

その美しい彫刻を見ていると、奈良ホテルに置かれている、アインシュタイン博士が来日したときに弾いたピアノの彫刻が思い出されてきた。

画像6

イメージの世界は、なんて、枠のない、なんの制限もない、過去も未来も瞬時に往き来できる、縦横無尽な世界なのだろう。

◆「セレナイトの剣」

チェストの棚には、たくさんのすてきなものが置かれていたが、圧倒的な存在感で飛び込んできたのは、「剣」だった。

画像7

剣は、日本神話によく登場し、不思議な力を宿し、神器とも呼ばれるものだが、私が連想したのは、アマテラスとスサノオの誓約で、スサノオの剣から生まれたイチキシマヒメ(弁天様)だ。

私が学んだ、山下弘司先生のひめ神講座では、イチキシマヒメは「決断」のひめ神とされている。
神聖さを感じる剣(セレナイトだと教えていただいた)は、思いの具現化だと感じた。

(今日、大切なことを決めるのだ)

そして、剣の両刃は、「夢見」に私が感じている「魅力」と「危うさ」の、漠然とした両側面を表していることも。

◆「パピルスのタペストリー」

もう一つの部屋は、なぜか、写真を撮ったり、中に入ったりしてはいけないような、不思議なたたずまいを感じて、外から見ていたのだけど、写真を撮らずにいられなかったのが、パピルスに描かれた、エジプトのタペストリー。

画像8

週末は、エジプシャンオイルの講座の2回目を受講する。

◆「玄関」

入ってきたときは、遅刻してあわてていたので気がつかなかったけれど、玄関には、「花窟神社」の御朱印やお守りが飾られていた。

画像9


緑色の植物は、アメノウズメが、岩戸の前で踊ったときに身に着けていたという、ヒカゲノカズラだろうか?

ためいきが出そうな美しさの精麻のかざり。

画像10

みんなでサロンを出て、星田神社へ向かった。
このときは、「花窟神社」がどこにあるのか、どのような神社なのかも、知らずにいた。

◆つながっている

(気持ちいい)
(心地よい)
(爽やか~)

ただ、歩いているだけなのに。
風が吹いてきて。
陽ざしが、きらきらとまわりながらおりてきて。
祝福されているような。

(気持ちいい)
(心地よい)
(爽やか~)

(なんなんだ、これ)
(いつもは、ビルの中で仕事をしているから、知らなかっただけなのだろうか)
(太陽の下を歩くって、こんなに気持ちのよいものだったのか)

どこをどう歩いているのかもわからず、みんなの後ろをついていって、星田神社に到着した。

明るい氣が満ちた、ひらかれた境内。
本殿には、黄泉の国から戻ってきたイザナギが海の中で禊をしたときに生まれたという三柱の神様と、神宮皇后がお祀りされている。

主祭神 …… 底筒男命・中筒男命・表筒男命・神功皇后

(禊の神様。浄化の神様。航海の神様)

境内の中にある末社の神様たちの豪華なこと。

交野社 …… 天照国照天光櫛玉饒速日尊・建速須佐之男命・大雀命(仁徳天皇)

八幡社 …… 誉田別命(応神天皇)・息長帯姫命(神功皇后)・大雀命(仁徳天皇)・武内宿禰命(武内宿禰)

恵比寿・琴平社 …… 恵比寿大神、大国主命・三輪明神・市杵嶋姫命

天照社 …… 天照大御神・豊受大御神 

天満舎 …… 菅原道真公

立派な拝殿。
村のどこにも通じている、ひらかれた境内。

ここにお詣りすれば、伊勢神宮の内宮・外宮にお詣りしたことになり、七福神の宝船に乗っているおめでたい神様たちや、学問の神様もいらっしゃる。
地域における氏神、産土神として、大きな存在だったことが伺える。

リトリートは、この境内で、自由解散になった。

隣接の星田寺をお詣りするかた。
ゆっくり末社をお詣りするかた。
星田妙見宮へ向かわれるかた。
星田駅へ向かうかた。
三々五々。

帰宅して、リトリートをふりかえりつつ、花窟神社のことを調べて、驚いた。

火の神を出産し、命を落としたイザナミと、イザナミを死に追いやったとして、イザナギに殺されたカグツチが葬られている場所だったのだ。

そして、星田神社に祀られているのは、イザナミを連れて帰るという願いが叶わないまま、黄泉の国から戻ってきたイザナギが、禊をしたときに生まれた神様たち。

(ワークショップ ~Woman~ で、思い出した日本神話が、リアルにつながっている)

◆剣を遣う

最後に。
どうしても気になったセレナイトの剣について。

画像11

〈言葉にするとは、切り取ること〉だと、不意に実感した。

寝ているときも、起きているときも、エンドレスで続いている世界。
言葉にしても、しなくても、途切れることなく存在し続けている世界

その中から何を表現することを選び、言葉にするのか。
何を伝え、何を誰と共有するのか。

それを決める。
とりだす。
美しいセレナイトの剣を遣うように。
そのイメージを体感した。

風とひかりと祈りの中で。

浜田えみな

ワークショップ ~Woman~



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?