見出し画像

467.【ネクステ・ノベルセラピーWS ~誕生日のプレゼント~(2)】

3つの物語のどれもが、〈つながっている〉〈シンクロしている〉というだけでなく、〈あわせて一つになる〉という感覚が、とても深い。

ノベルセラピーは、自分で創る物語世界だけでも、気づきや、驚きや、癒しや、自己信頼の力が生まれるものだけど、仲間の創る物語からも、たくさんの贈り物がある「グループセラピー」だ。

ワークショップで、即興で語ったのちに、「文字化」していく作業は、イメージの世界で体験したことを、(今に活かしていけるように)現実の肉体に宿す作業だと感じている。

または、船が流されないように錨をおろしたり、ふくらんだ風船が飛んでいかないように、ひもをつけて結ぶような、そんな作業かもしれない。

Tさんから届いた物語は、私の創った物語の「鏡の向こう」であり、「氷山モデルの海の下の部分」であり、「余白」や「行間」であり、ネクステ・ノベルセラピーのテーマが投げかけてくれたものを、さらに豊かに振動させてくれるものだ。

(本文より)

******


Tさんと創った最初の物語のテーマは、「龍の上昇感を体感するノベルセラピー」
ノベルセラピストは、創始者のオジャさん

ネクステ・ノベルセラピーは、ノベルマラソンとも言われ、1日で3人の講師をまわって、3つの物語を創ることができるイベントだ。

(続けて、3つも物語を創るなんて、できるのだろうか?)
(疲れて、何にも思い浮かばなくなるのでは?)

と、最初は心配していたけれど、心配無用だった。

大好きなテーマパークの新しいアトラクションに乗車するように、どの物語の入口も、きらきらと輝き、ワクワクしながら最後まで進んでいける。
乗れば乗るほど楽しくなって、3つ乗っても、まだまだ乗りたくなる。

ノベルセラピーの入口では、アトラクションが始まる前の小部屋のように、テーマによって、物語の背景となる状況の説明や、誘導瞑想、写真、イメージ画像などが用意されている。

そこから入っていく世界は、ノベルセラピストが示す質問という灯に導かれ、想像もつかない展開が始まり、自分の中から飛び出してきた世界観に、とまどう。

(ここから、いったい、どうなる(どうする)のだろう?)

と、心配になるけれど、道しるべのように質問が灯され、次の展開も、ちゃんと「直感」という乗り物でやってきて、物語は続いていく。

迷子になることはなく、(それしかない)と信じる道を、進んでいる。

◆主人公の名前

ノベルセラピーで、必ず登場するのが、主人公だ。
最初に決めるのが、主人公の名前

主人公は、人間とは限らないし、性別も国籍も年齢も自由。
住んでいるところだって、地球とは限らない。

ノベルセラピストから同じ質問を受け取り、生まれていく物語は、参加者それぞれにちがっていて、聴かせていただくたびに、広がっていく世界観の多様さに、はっとしたり、感動したり、飛び上がりそうにワクワクしたり、感情がゆさぶられたりする。

Tさんの物語は、主人公の性別と名前、年齢が語られた瞬間から、やられっぱなしだった。

Tさんの主人公は、女性・60歳。
私の主人公は、男性・27歳。

オジャさんから、最初にノベルの設定を聴いたときから、その状況に該当するのは〈男性〉だと思い込んでいたので、気づかないうちに型にはまっている自分を知って、愕然とした。

続いて、耳に飛び込んできた主人公の名前に魅了される。

その名前が持つ調べというか、奏でというか、美しい和音のような振動を体感し、胸を打たれる。

「リベラリタン」という名前は、私には、ぜったいに思いつけない響きだ。

「ら行」の音の転がるようなリズムと、凛として、革新的な響きに、主人公の女性のたたずまいや、在り方が予感される気がした。

名前の音には、使命が宿る。
Tさんの主人公の名前との出逢いは、たくさんのスイッチを押してくれた。

また、物語の中で、主人公は、自分に足りないもの、必要なものを探しにいくのだけど、Tさんが設定されたのは、「目」
リベラリタンは、「目」を探しに行く。

この表現にも、はっとする。
「目」という響きが投げかけるニュアンスは、私の中のさまざまなレイヤーに届き、

(私も「目」が欲しい!)

と感じたのだ。

ちなみに、私の主人公が探しにいったのは、禊をする「滝」

Tさんの主人公は、大きな岩が落ちて陥没した穴に落ち、穴を掘り進んで脱出し、探していたものを見つけるのだけど、私の主人公は、崩れ落ちた岩山を乗り越えて、探していたものを見つけるので、どちらも「岩」に阻まれる点がシンクロしていることに、驚く。

(つながっている)

なにより、感銘を受けたのは、Tさんの物語は、主人公の女性の夫が2年前に家を出たきり、行方不明という状況で、ラストは、帰ってきた夫と主人公が微笑みあうシーン。

私の物語は、妻子を置いて修行に出かけた主人公が、修行によって覚醒し、大切なものを受け取るもので、ラストシーンは、修行をおさめて、妻子のもとへ帰っていく姿。

Tさんの物語を聴いて、私の物語では、残してきた妻子のことが描かれていないことに気がつき、Tさんの物語の主人公の心の成長は、残してきた妻が、どのように過ごしていたのかを教えてくれたようだと、感じる。

離れていた夫と妻が再び出逢う、それぞれのラストシーンは、〈二極の統合〉
そして、Tさんと私の物語は、〈あわせて1つ〉だという感慨で、胸がいっぱいになる。

◆「言葉という入口」

2つ目の物語のテーマは、【内なる神を起動するためのノベルセラピー】
ノベルセラピストは、かおるさん

この物語で、Tさんの主人公は、男性で、ニューヨークに住む、18歳の大学生。
私の主人公は、女性で、日本に住む22歳の大学生。

Tさんの主人公が必要だと感じ、探しにいくのは、「言葉という入口」
ラストシーンでは、「言葉という入口」に出逢い、それを介して、両親と向き合っていく主人公が描かれている。

私の主人公が探しに行くのは、「言葉ではない言葉で会話し、繋がりあう力」
その力を持って会話をしていた幼少の記憶がよみがえり、心の傷や、家族との間にあった確執がとけていくというラストシーン。

物語の中で、主人公たちは「言葉という入口」に立ち、それぞれ、逆向きのベクトルに進んでいく。

Tさんの主人公は、「言葉」を手にし、私の主人公は、「言葉」を手放す。
二人が求めている到達点は同じ。

伝えたいものは言葉ではなく、受け取りたいものも言葉ではない。
言葉を介して、言葉を超え、言葉ではないものにひらいていく。

◆HARA

3つ目の物語のテーマは、【心に豊かさをもたらすノベルセラピー】
ノベルセラピストは、ゆみこさん

Tさんの主人公は、ニュージーランドの海辺に住む16歳の女子高生。ボートで「海」に出て、キーワードを探しに行く。

私の主人公は、日本に住む17歳の男子高生。子供のころに遊んだ小学校の「裏山」に、キーワードを探しに行く。

女性と男性。海と山。

この回でも、Tさんの物語と私の物語は、対を成すように展開する。
Tさんの物語で、主人公の乗るボートは、海の中から出てきた巨大な亀によって転覆し、主人公は亀の背に乗って、島に運ばれる。

たどりついた砂浜で、ひっくりかえっている亀のお腹に、「HARA」という文字が浮き出している……という状況を聴いたとき、アメリカの著名なヒーラーであるバーバラ・ブレナン氏の提唱する「ハラライン」のことが即座に結びついた。

バーバラ・ブレナン式のヒーリングでは、人間の存在状態には「肉体次元・オーラ次元・ハラ次元・コアスター次元」の4つの次元があるとされていて、「意図・魂の目的の次元」である「ハラ次元」には、体の中心を通って、大地と宇宙に繋がるライン(ハラライン)が存在するとされている。

私は、ヒーラーの認定は有していないけれど、バーバラ・ブレナンヒーリング・スクールの認定ヒーラーとなっているかたや、スクールで学ばれているかたにご縁があり、講座でハララインのお話を聴く機会が多く、自分なりに日々のグラウンディングで意識しているので、「ハラ」といえば、中心軸。

また、「亀の腹に浮き上がる文字」というのは、ミヒャエル・エンデ氏の『モモ』という物語に登場するカシオペイアという亀の、甲羅に浮かぶ文字が思い出される。

そして、「時間の花」が描かれたシーンのバイブレーションは、グラウンディングでつながる本質の世界だと感じていて、大好きで、大切で、守りたいもの。

Tさんが語る物語を、目をとじて聴きながら、この回でも、私の中で、たくさんのスイッチが押され、目覚めるのを感じていた。

私が創った物語は、主人公の少年が、「魂の記憶」と、自分の生まれた星に還る宇宙開発に携わる「将来の夢」を受け取る話なので、大地と宇宙に繋がる「ハラライン」と共鳴していて、Tさんの物語とのつながりを感じる。

***

3つの物語のどれもが、〈つながっている〉〈シンクロしている〉というだけでなく、〈あわせて一つになる〉という感覚が、とても深い。

ノベルセラピーは、自分で創る物語世界だけでも、気づきや、驚きや、癒しや、自己信頼の力が生まれるものだけど、仲間の創る物語からも、たくさんの贈り物がある「グループセラピー」だ。

ワークショップで、即興で語ったのちに、「文字化」していく作業は、イメージの世界で体験したことを、(今に活かしていけるように)現実の肉体に宿す作業だと感じている。

または、船が流されないように錨をおろしたり、ふくらんだ風船が飛んでいかないように、ひもをつけて結ぶような、そんな作業かもしれない。

Tさんから届いた物語は、私の創った物語の「鏡の向こう」であり、「氷山モデルの海の下の部分」であり、「余白」「行間」であり、ネクステ・ノベルセラピーのテーマが投げかけてくれたものを、さらに豊かに振動させてくれるものだ。

(なんて、すてきな誕生日プレゼント)

Tさんからいただくプレゼントは、まだあるのです。
つづきます。

浜田えみな

前回の記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?