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491.【スピ活】ドライブ旅 京都のお茶処 和束町~信楽 陶芸の森~MIHO MUSEUM(2024.5.19)

みんな、住んでいる場所も、環境も、年齢もちがうけれど、それぞれの岐路に、まっすぐ向き合って、決断して、前に進んでいる。

誰かにとっては、初めてのことが、誰かにとっては、経験したことだったり、聴いてもらえるだけで、勇気がでたり、応援したくなったり、ひとりじゃないって思えたり、なんて尊いのだろうって思えた。

女たちは、昔から、手仕事をしながら、話すことや、聴くことや、怒ることや、泣くことや、笑うことをして、浄化したり、紡がれてきた智慧を伝えたり、受け取ったりして、循環してきたのだと思う。

***

風のように、波のように、花のように、それぞれの場所で、それぞれのタイミングで、それぞれの人と、たいせつなことを話せたように、思う。
話している人のことも、そんな時間も、

(だいすきだ)

と思えて、それがとても、よかった。

(本文より)

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◆集合 JR加茂駅

スピプロ10期のゆみえちゃんと、ちそのちゃんが企画してくれた、ドライブ旅に参加した。
総勢8名!
集合場所は、ゆみえちゃんが育った、京都府木津川市のJR加茂駅だ。
このあたりは、奈良時代の一時期、都(恭仁京)が置かれた歴史があり、豊かな自然の中に歴史遺産が点在するスポット。

昨年は、この駅から、ゆみえちゃんが企画してくれた「当尾の里 古寺と石仏の道」を巡るバス旅に出かけた。
(そのときの旅のレポートは末尾のリンクで)

「去年も、この駅に集合したよね!」

と、集まった顔を見渡すと、あれあれあれ…… 古寺と石仏を巡ったメンバーは、ゆみえちゃんと自分だけだとわかって、びっくり。
そのくらい、いつも、会って、笑って、話したりして、一緒にいる気がする。

(心の距離が近い)

実際は、SNSの投稿で、みんながさまざまなことをしているのを見ているだけで、同じ空間にはいないのに。
そんなふうになっているのは、不思議。

(スピプロの3ヵ月を共にした仲間)

オンライン講座とはいえ、参加者が200名くらいいたマンモスな10期。
ギャラリービューが何画面もあって、海外在住の人もたくさんいて、話したことがない人や、顔を見たことがない人が大半という中で、講座が終わって何年も経ってから、お話するようになったり、リアルに会えたりして、静かに確かに反応が続いているのは、なんて素敵なアルケミーなのだろう。

◆和束茶カフェ

今回訪れるのは、初めての場所ばかり。
和束町の美しい茶畑は、写真で見たことがあり、一度訪れたいと思っていた。
ゆみえちゃんの運転する車と、ちそのちゃんの運転する車に別れて、出発。

前日まで、熱中症対策が必要なほどの夏日が続いていたのに、この日の加茂町は、朝から小雨が降る、肌寒い気候。
だけど、その天候のおかげで、車窓から見る山は、雨に洗われ、マイナスイオンがいっぱい。木々の種類や遠近によって織りなされる、緑のグラデーションが、色鮮やかに際立ち、立体的に迫ってくるのを、次々に楽しめた。並走する川の流れが、美しい。

30分ほどで、1番目の目的地の「和束茶カフェ」に到着。
ここは、茶源郷と言われる和束町の茶畑を巡るウォーキングや、史跡めぐりの拠点となる場所で、併設された直売所には、生産者のこだわりのお茶が一堂に並んでいる。

まずは、カフェタイム。
お抹茶をいただくか、ほうじ茶をいただくかで、さんざん悩んで、あたたかいほうじ茶と、ゆみえちゃんおすすめの茶団子に決定。


茶団子は、あたたかく蒸してくださり、ほかほかのもちもち。少し手間をかけてくださる、おこころづかいがしみる。
ほうじ茶は、なつかしく、やさしく、あたたかい。お茶は、水や、煎れる人の心によって、味わいが各段にちがうと思う。

隣のテーブルは、お抹茶セットの割合が高かった。お抹茶に、あんこと白玉団子を入れた、斬新な抹茶善哉も、おいしそうだった。
こうして、お茶とお菓子とともに、誰かとすごす時間は、お茶の器を両手で抱えているだけで、やすらぎ、ゆるんでいく。
家で、ひとりでお茶を煎れても、こんなふうには、すごせない。

****

直売所で、お茶を選ぶ。選びたい。
ところが、あまりにもたくさんあって選べない。そもそも、お茶の種類も、味わいの違いもわからないのだから。

でも、絶対に、何か買おうと決めて、うろうろしていると、ちそのちゃんが、「今年デビューのお茶がある!」と教えてくれた。

2020年3月に畑に植え替えをして、今年で4年。すくすく育って、初めての収穫だという。手描きのポップで、「デビューのお茶は今年だけですよ!」と書いてある。その名も「さみどり」

買わずにはいられない。応援したい気持ちでいっぱいだ。生産者さんの気持ちが伝わってくる。

1つ選ぶと、弾みがついた。
お茶はあまり飲まないのに、飲み比べてみたくなる。

「かぶせ茶」という意味を、この直売所で初めて知った。「かぶせ」が何を指すのかも、実際に観た。茶畑の一部、または一定の区画全面に、黒い「かぶせ」がかかっている。そのことだった。
新芽が開き始めた頃に、一定期間、日光を遮断することによって、旨みや甘みは強くなり、苦みや渋みは少なくなり、香りよく、葉の緑が濃く鮮やかなお茶になるそうだ。

(「かぶせ茶」というのは、そういうお茶だったのか!)

と、意味がわかると、飲んでみたくなる。
茶畑の景観を損ねると思っていた「黒い被覆」は、手間暇かけておいしいお茶を作ろうとされている証であり、畝ごとに生産者さんの心がかけられていると思うと、一気によいものに思えてくる。

(黒い被覆がある時期は、行かないほうがいい)などと思っていた、あさはかな自分が恥ずかしい。

というわけで、「デビューのお茶」の隣に並べられていた、12日間遮光の「プレミアムかぶせ茶」を合わせて買う。「やぶきた」という品種だそうだ。

ふだん、お茶など飲まないくせに、弾みがついてしまい、続いて「番茶」に目が留まる。
まだ、記事を書いていないのだけど、4月の中旬に河内長野のカフェで、「阿波晩茶」という、徳島に伝わる特殊な製法で、乳酸発酵させた番茶を飲んで、その独特な癖のある、スモーキーな味わいの虜になっていたので、製法が異なることも忘れて、〈スモーキー〉という謳い文句が書かれていた「本格京番茶 農薬不使用」も、買ってしまう。これが、かさばる大きさで、まだ、ドライブ旅が始まって1カ所目なのに、すでにお土産だらけ。


◆信楽 陶芸の森

続いて、車は、やきものの里 信楽 陶芸の森へ。「山とおむすび 銀月舎」という施設内のカフェでランチする予定が、想像を絶する混雑で、いつまで待っても入れそうになかったので、テイクアウトのおむすびや、お味噌汁、焼き菓子などを買って、ゆみえちゃんが見つけてくれた、雨がしのげる東屋へ移動。


撮影 ゆみえちゃん

大きな木の机。木の椅子。土。草。木。雨の音。
テイクアウトのおにぎりは数人分しかなくて、おみそしるや、焼き菓子など、少しずつ分け合って食べて、輪になって、なんということのない話を、とりとめなく、する。

みんな、住んでいる場所も、環境も、年齢もちがうけれど、それぞれの岐路に、まっすぐ向き合って、決断して、前に進んでいる。

誰かにとっては、初めてのことが、誰かにとっては、経験したことだったり、聴いてもらえるだけで、勇気がでたり、応援したくなったり、ひとりじゃないって思えたり、なんて尊いのだろうって思えた。

女たちは、昔から、手仕事をしながら、話すことや、聴くことや、怒ることや、泣くことや、笑うことをして、浄化したり、紡がれてきた智慧を伝えたり、受け取ったりして、循環してきたのだと思う。

◆MIHO MUSEUM

次の目的地は、MIHO MUSEUM
名前だけは知っていたけれど、写真で見ても、山の中の謎に包まれた秘境というイメージで、いったい、どこにあるのだろう? どうやって行くのだろう? と思っていた。

ナビの導くままに、到着。ほかには何もない山の中に、近未来的な建物が出現する。自動販売機でチケットを買う。ミュージアムはどうやら、別棟のようだ。
ミュージアム棟へ向かう道の両脇には、咲いたらどれだけすごいことになるのか、想像もできないほどの、桜の並木が続き、やがて、とてつもなく大きなトンネルが現れる。

外の景色が映りこむように、中はピカピカ。タイムトンネルのようだ。パレードが通れそうなほど、道幅も巨大で、高さもあり、長い。ようやく抜けると、大きな吊り橋。


(吊り橋!?)

思わず、振り返る。横手から下を見ると、確かに深い谷。いったい、どんな地形の上に、建設されているのだろう。

橋の先に、ようやく現れたミュージアム棟は、山に溶け込むように、ほんの一部しか見えていないけれど、中に入ると、ものすごく広い。


今回の展示は、「古代ガラス」

世界各地域の古代ガラスの美術品の宝庫だ。
館内は、それぞれのペースでまわる。映像作品も幾つかあった。順路を進みながら、一緒になった仲間と言葉を交わす。感想とか、たわいもないこととか。

最後の展示会場のみ、写真撮影がOKだったので、美しいガラス製品を記念に撮る。



見終わるころ、ちょうど閉館の音楽が鳴り始め、ミュージアム棟を後にする。

撮影 しいちゃん

オオヤマレンゲのつぼみを見つけた。いつも見つけるときはつぼみで、この花が咲いているのを、まだ見たことがない。


吊り橋とトンネルをくぐり、緑の桜並木を歩いて、駐車場へ。

◆解散 JR石山駅

MIHO MUSEUMから、解散場所の滋賀県大津市 JR石山駅まで、最後のドライブだ。
ゆみえちゃんの車は、さゆりちゃんと、典ちゃんと、私。
ちそのちゃんの車は、としえさんと、しいちゃんと、みさこちゃん。
石山駅でいったんお開きのあと、時間の許す人は、お茶タイム。

(いいなあ~)

父の介護がなければ、ここからまだまだ、お茶をしたり、晩御飯を食べたりして、帰宅が夜遅くなっても大丈夫なのに、残念。

京都駅から新幹線で帰る、しいちゃんと、ダッシュで乗り場へ。
私は、京都駅から近鉄電車に乗り換え、さらにJRに乗り換えて、帰宅。

なんという濃密な一日。
ホスピタリティあふれる、ゆみえちゃんの、至れり尽くせりの行程。
朝10時すぎに、JR加茂駅に集合したことが、数日前に思えるくらい、どの瞬間も、密度が濃くて、満足度が高い一日。
和束茶カフェも、陶芸の森も、MIHO MUSEUMも、車の中も、電車の中も。
風のように、波のように、花のように、それぞれの場所で、それぞれのタイミングで、それぞれの人と、たいせつなことを話せたように、思う。
話している人のことも、そんな時間も、

(だいすきだ)

と思えて、それがとても、よかった。

デビューのお茶も、プレミアムなかぶせ茶も、特別すぎて、気合が入りすぎて、まだ飲んでいないのだけど、京番茶はハードルが低く、その日の夜に、さっそく飲んだ。


スモーキーで癖が強いと感じる人もいるかもしれないけど、いぶしたような不思議な味が、なんだか、やみつきに。

企画して、運転してくれた、ゆみえちゃん ちそのちゃん 素敵なドライブ旅をありがとう。
ご一緒してくれたみなさん、ありがとう。
また、会いましょう!

浜田えみな

昨年のバス旅
当尾の里 古寺と石仏の道(前編) ~岩船寺~ 2023.5.13

 当尾の里 古寺と石仏の道(後編) ~石仏と浄瑠璃寺~ 2023.5.13


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