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495.【介活】レビー小体型認知症…パーキンソン症状!?

5月9日に庭先で転倒し、ケガをしてからの、父の歩行や運動機能の低下が激しく、気がつけばもう、手すりなしでは歩けなくなっているし、座った姿勢から立ち上がるのに、自力では無理な時があるし、ほんの少しの段差で足があがらないことがあるし、次に持つ場所や、手すりを教えなければ、どうしていいかわからず、立っているときがあるし、それでも、トイレには行こうとするので、自分で起き上がって歩こうという気力があるうちは、歩いてもらわなければ、寝たきりになってしまうと思い、横について見守りながら、手すりや支えになるものを頼りにしてもらって、時間がかかっても、父には1人で歩いてもらっている。

父は奥の部屋にいるので、気配に気をつけていて、ベッドから降りる音がしたら、様子を見に行く。そばについていないと、危なっかしくてしかたがない。私は、玄関横の部屋にいるのだけど、中断したくないことをしている時もあるので、トイレに何度も起きてくると、イラっとするし、漏らしながら歩かれると、イライラっとするし、「すべるから、拭いとけ」と言われると、ムカっとするし、そのうえ、おしっこで濡れている服を着替えるのを嫌がられると、優しくなどできない。平常心でもいられない。
……のだけれど、こうして文章にしていると、そのときの私の気持ちは、

「おしっこで濡れた服を着けていると気持ち悪いだろうから、着替えてさっぱりしようね」

という、父のことを思いやるものではなく、

「そのおしっこでぐしょぬれの服で、布団に入らんといて! 羽毛布団におしっこつけんといて!」

という、布団のことを思いやるものだと、冷静に分析する。

いつだったか、父が、うんこ付きのおむつを替えるのを嫌がって、どうしてもそのまま寝るというので、私は半泣きで頼みまくり、最後は土下座までして、「お願いだから着替えてください」と懇願したけど、きき入れてくれなくて、そればかりか、激昂した父に殴られそうになって、こんなことでケガをしたら割に合わない(父はそのことを忘れるので)と思い、あきらめたことがあった。

このときも、私が心配したのは、父のオシリがかぶれたりすることよりも、布団が汚れることで、うんこまみれのあれこれを片づける労力が、超絶イヤだったのだ、と思う。

話がそれたけど、急速に自力では歩けなくなっていく父に対して、感傷的な気持ちだけではなく、冷静な私が常にいて、このスピードで進むと、もはや立てなくなり、

(玄関や庭先の手すりをつけても、それを持つことがないのでは?)

という心配が頭をもたげ、住宅改修工事の介護保険適用の承認が下り、工事に着工する時点で、父はその手すりを持って歩くことができる状態なのか、手すりの設置は必要なのかどうか、検討しないといけない、と思ったときに、ふと、

(父は、レビー小体型認知症!)

ということを思い出し、これまで症状が出ていなかったので、忘れていたけれど、「パーキンソン症状」が特徴とされていることを思い出した。

最初の鑑別診断で、「レビー小体型認知症」とされ、その後、海馬の萎縮がみられて、「アルツハイマー型認知症」を合併していることがわかり、混合型認知症という病名がついた。
父には、レビー小体型認知症の症状である、幻覚や幻視があり、夢を見て大声で叫んだりもするけれど、徘徊傾向があって、長らく運動機能の低下は見られなかったから、すっかり忘れていた。

(もしも、パーキンソン症状なら、薬があるのでは?)

いてもたってもいられないのに、思いついたのが週末だったので、足踏みしながら月曜を待ち、受付開始とともに、病院に電話をかけた。
緊急に代理受診で話を聴いてくださることになり、不足するドーパミンを補う薬を処方してもらう。

本来は、父を連れていかないと、パーキンソン症状かどうかもわからないと言われたけど、とても連れていける状態ではないし、どんどん動けなくなっているので、藁をもつかむ思いだという気持ちをくんでくださった。

副作用としては、幻覚が激しくなる可能性があるとのことなので、最初は少量で、様子を見ながら増やしていくとのこと。

認知症に加えて、パーキンソン症状の可能性があるとしたら、私が想定していたよりも早く、自宅介護が大変になりそうだ。

いまのところ、顕著に動きが悪いのは下半身で、上半身は動かせるので、父は、手すりや支えに手を伸ばして、つかまり歩きをしているけれど、腕や指が動きづらくなると、手すりをつかめず、支えに届かなくなる。

少しでも、足が動くようになったら嬉しいと思い、デイサービスから帰った父に、さっそく薬を飲ませたけれど、数時間後、特に変化なし。

必ずしも、薬がいいということはないと思うけれど、父に関しては、認知症発症時の状態が、暴言暴力、妄想による攻撃性で、薬で抑えてもらわなくては、どうしようもなかったので、服用をやめるのが怖いし、手放せない。
また、一つ、飲ませる薬が増えた。

翌日の午前中は、レンタル手すりの業者さんが来て、契約手続きをする。
午後からは、市役所に、介護保険の負担限度額認定(ショートステイの料金が少し安くなる)の申請に行く。

手すりの工事後、セメントが乾くまで、3日間は触ってはいけないと言われたけれど、目の前に手すりがあったら、父は全力でつかむに決まっているので、この機会に「ショートステイ初体験」にチャレンジできたらと、準備中。

***

ところで、今、夜の11時なのだけど、父の部屋のテレビが点いている。
のぞきに行くと、ベッドで寝ていたはずなのに、椅子に座って、テレビを見ている!

(ドーパミン!?)

「おとうさん、今、夜やで。もう寝る時間」と、声をかける。

もしかして、さっさと歩くのでは? と思って見ていたのだけど、手すりをつかんで、ヨチヨチ歩き。歩行が改善された様子は、ない。

まだ、筋肉を動かすところまで、行き渡っていないのかもしれないけど、眠気はないみたいだ。

(ドーパミン!!)

さらに11時30分になっても寝付けないらしく、トイレに起きてきて、激しく服を濡らす。
ベッドまで連れていき、そこに座らせて着替えをする。
どんなやりかたをすれば、スウェットの「ウエスト」の部分からぐしょぬれになるのか? 
父は、やりかたを覚えているのだろうか?

おしっこまみれの服をまとめて持ち上げ、洗濯しようとしたら、「どこに持っていくねん。ここに干しておけ」というので、濡れた服を頭からかぶせてやろうかと思ったけれど、さすがにそれはできないと思い、でも、むかついたので、手に持っていたパンツ型おむつを床に投げつけた。
しかし、カサっというだけで手ごたえがなく、いっそう疲れた。

そのまま部屋を出てきたけれど(おむつは片付けた)、あの感じでは、父は寝ていないと思う。
起きているとトイレに行くので、また、汚される恐れあり。
着替えてくれただけでも感謝なのに、失敗した。

(ドーパミン!)

浜田えみな

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転倒

手すりをつける


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