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私の就活日記「弱点」


私が一番苦手なことは、感情表現だ。

随分と前から自覚している。ひょっとしたら自覚し始めて10年くらい経つかもしれない。


「気持ちがこもっていない」 

「本当にそう思ってる?」

「何を考えているのかわからない」


こんなセリフをこれまで何度言われてきただろうか。数えきれないほど言われてきた。


中学2年生の文化祭の劇で、大根役者だとみんなの笑いものにされた。自分は言葉に感情が乗せられないのだとはっきりと自覚した。

大学1年生の時していたアルバイトで、接客態度が悪いと名指しでクレームが入った。私の態度が人を不愉快にさせるほどだと知り、かなり悩んだ。

悔しかったけれど、このままではいけないと思ったから、マネージャーや同僚に相談して、どうしたらもっと気持ちがこもった話し方ができるようになるのか試行錯誤した。

自分が思っている以上に大きな声で、ハキハキと、抑揚をつけて、トーンを上げて。

みんなが意識しなくても当たり前にできることを、私は必死に意識して努力して身につけようとした。少しは改善できたと思っていた。


でも違ったようだ。

今日、第一志望の最終面接だった。

「普段からそんなに落ち着いた感じなんですか?」と、話がひと段落したところで唐突に言われた。嫌な予感がした。

案の定、「熱意が伝わってこない」と指摘された。私の言葉を丁寧に拾えば伝わってくるけれど、言葉以外の部分からは熱意が伝わらない、と。


この指摘は、うちの会社じゃなくてもいいのでは?とか、そんなものよりも重たく私にのしかかった。

明るく話している「つもり」、ハキハキ話している「つもり」、感情を込めている「つもり」。全部「つもり」だった。

結局、これまで私が努力して意識して変えたつもりになっていたものは、何も変わってなんかいなかった。


これから先、もっと努力をすれば変えられるかもしれないとも思うけれど、きっと私は辛くなってしまうだろう。

これまでもしっかり自覚して、改善しようと何年も努力してきたのに、ちっとも改善できていないのだから。


「努力しても変えられないこと」

自分のことに関して言えばそんなものは無いと思っていたけれど、そうではないみたいだ。いくら努力しても変わらない自分がいる。

だから、これが私なのだと受け入れて、違う解決策を見つけた方がいいのかもしれないと思った。


感情が表に出ない私でも、今までたくさんの人と仲良くなれたし、たくさんの人に愛された。それはきっと、はっきりと見えて聞こえるものではなくて、私の内側にある感情をみんながしっかりと拾ってくれたからで、それを伝えられる何かが私にあるからだと思う。


弱点に悩まされるのは疲れてしまうから、違う方向から考えてみよう。


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