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『星を継ぐもの』

J・P・ホーガン著


私は小学生の頃から本の虫で、時間さえあれば本を読んでいる子どもでした。年齢が上がるにつれて本を手に取る時間は減っていましたが、去年の夏からまとまった時間が持てるようになり、また読書が身近になりました。

興味が児童書や文芸書ばかりだった頃と今とでは、読むものも大分変わりましたが、それでも本を読むことの楽しみは変わりません。その理由には未知の世界を知りたい、知識を得たい、という欲求があるからだと思います。

さて、『星を継ぐもの』は、数年前に古本屋の通りがかりに何となく惹かれて手にしたものです。当初なかなか集中できず、数ページだけ目を通して、そのままになっていました。

ずっと気にはなっていたので、先の手術で思い立ち、文庫本だし手に収まりも良いし疲れにくいかなということで一緒に入院してもらうことにしました。


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読み始めると、まあまあ頭を使うのです。

宇宙に関連して、文系の私には馴染みのない用語や数値などが頻出して、難しいのです。平易な内容だと頭の中で映像が滞りなく再生されていくのに、ここでは一時停止の連続です。

ところが気が付くと、心はすっかりチャーリーの世界に引き込まれていました。

ページをめくったその先に一体どんなストーリーが展開していくのか、うっかり読み飛ばしたい衝動に駆られながらも、はやる気持ちを抑え、情報を取りこぼさないように何度も反芻します。

そして次の行、また次へ。

徐々に謎が解明されていくドキドキの進展に、新たな展開も加わって、入院中ながら日中は痛みもさほど苦にならないほど集中して、気楽に過ごすことができました。


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退院の前日、読み終えたページの先に目をやると、1980年初版、2012年89版とあります。何という大ロングセラー。そしてこんなに増版された書籍にお目にかかるのは初めてのような。

40年という長きに渡り、読者を魅了することができるというのはやはり、そうさせる何かがあるのでしょう。

この本を読んで、私は、地球の史実を知らされたような思いがしました。宇宙の歴史の一部と言った方がよいでしょうか。

これは本当にフィクションなのでしょうか?


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ー End ー




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