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【小説習作】闘う!シナリオライター!!〜6〜(秘密の花園からの脱却)

⬇前回まで

ブログ配信アプリ「のーて」で、私はまねきさんという元編集者に会うまでは「emiko136」というアカウント名で、主に自分の調理補助パートのノンフィクションや自分哲学、音楽の紹介をしていた。


ある日、まねきさんがLINEで、こういった。
「えみちゃーん。アカウント名変えよう。アルファベット打ちにくい」
「は?」
うーん考えてみれば、言われる通り。打ちにくいと、コメントも書きにくいかな?しかし、私には 多少は思い入れがあった。

「emiko」という名前はだいすきだ。これは残したい。けど、アルファベットにこだわっているわけではない。でも、「136」とい数字には多少のこだわりがある。
「1」は、「導く人」「道徳」の意。「3」は「かわいい」「社交性」の意。「6」は「バランス」「仁」の意がある。自分なりに願いを込めてのことだった。だから、この名前はそれなりに気に入っていて、願いのこもったものだった。けど、・・・

コメントとかで、打ちにくかったら 悪くない?

んー、そうだよね・・・。

変えるか・・・(あっさり)。

そういうわけで、私は アカウント名を考えた。なるべく自分の本名に近い方が馴染んでて使いやすいかな・・・。今まで、漫画などを描いてて ペンネームを作っていたとき、どうしても何回作り直してもしっくりこなかった。では、私は今は結婚していて 名前が変わっている・・・今の名前は少し憚られるから、旧姓の名前にしようか・・・?

ジャジャーン!新アカウント名「鈴木江美子」。(あとで「山田えみこ」に変えたが)

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「ひーさんを迎えに行って」
まねきさんは、LINEで告げた。
「ひーさん、救いを求めている」
まねきさんは、文章に厳しく、そして果てしなく優しい人だった。困っている人、悲しい思いをしている人を放っておけない人だった。
「ひーさん」(同じく、ブログアプリ「のーて」のクリエイター)は、私がひーさんのアカウントを開けて過去記事を遡ると、きれいな文章、優しく人にチカラを与えようとする内容で、いい人らしいのがすぐ分かった。

「ひーさん」(当時「ひっとみー」さん。師匠がよく「ひーさん」と呼んでいたせいか、彼女は、現在この名のアカウントを名乗ってる)は、こころよく私たちのLINEグループ「のーてぐみ♥」に加わってくれた。ばちばちの理系女子で、臨床検査技師だった。

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さて、私のアカウント問題だが……

私にとって、その頃の「のーて」は、「秘密の花園」だった。誰にも知られず、現実世界の仕事やプライベートでの辛さを忘れて、自由に泳ぎ回れる場所だった。現実では、パートでキツくてつらい仕事をし、そして引っ越してばかりの私は 近所の噂に晒され、それなりにつらい思いもしていた。そのつらさに流されないように「のーて」を綴ったりしていた。編み物をしながら案を練り、思考を巡らせていた。
現実では、私はいじめられっ子の、明るいのに誤解されたままの子だったが、近所や仕事場では得体のしれないバケモノのように扱われていた。こんなに可愛いのに。(と、言うのは自分だけか? )

私は、よく人に誤解される。素直に周りに飛び込んでいけない。特に、近所付き合いを嫌っていた母の影響か、新しい今の土地に引っ越してから近所付き合いに出遅れていた。それに、小さい頃から色々人に馴染めない事情があって、なつこい顔をしているのに人に溶け込もうとしないので、かなり悪い印象を持たれる。

「まねきさん、アカウント名変えました」
「おかえり、えみちゃん。もう仮面被るのやめな。だいすき」



              つづく

トップ画像は、メイプル楓さんの
  「みんなのフォトギャラリー」より💝
  いつもありがとうございます♥✨

©山田えみこ.2023.2.18.

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