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調理補助!ー3月はいつも大変!ー

私は、東京のベッドタウンのある都市で、病院の調理補助をしています。もう5年目に入りました。細かいところに気を使いすぎてモタモタし、いつも怒られる調理補助です。
しかし、もう5年にもなるので、大体の仕事全体の持ち場のことがわかり、融通が効く方だと思います。

この頃、3月に入って加工食が増えました。(加工食というのは、おかずを刻んだり、「とろみ剤」というのを入れて、とろみを付けたり、ミキサーで細かくくだいたり、ソフトといってミキサーを更にゼリー状に固めたりする食品です)。

ミキサーが、同じ時期に5人分なんて前代未聞です。普段は、無いときが多いです。
私たち調理担当者は、とても苦戦しながらも、なんとか食事の時間に合わせて出します。
しかし、とにかく、ミキサー5人分というのはキツイ……
ミキサーというのは、器一つにおかずや味噌汁、お粥、ヨーグルトを混ぜてミキサーにかけるのと、おかず、味噌汁、お粥、(ヨーグルトはこのとき、対象外、理由は十分食べやすい、噛み砕ける(もしくは飲み込める)から)、を1つずつミキサーにかけて、一品ずつ出す種類のものがあります。
よくわからない方もいるでしょうが、要するにミキサーと言っても提供の仕方が2形式あるのです。

その、とっても手間のかかるミキサーが5人分。このため、3月に入ってから、いつも私たちパートは、四苦八苦。けれど、患者さんを見捨てるわけにはいきません。
中には、ミキサーから、1つの品でももとに戻って、お粥が提供できるまでになる人も出てきます。

ペテラン調理師のマサさん、
「えーっ!また、間違っちゃたよー!」
ストレス解消に周りと話しながら作業するのですが、その為ミスも多い。(けど、時間内にちゃんと間に合わせ、注文には正確に提供しているので、そこがすごいところ)。
サブチーフのシズ調理師さんは、いつもクールで仕事は、他の人のフォローに入るほど早い。
私のほうの早番は、「一番仕事内容がキツイ」と、栄養士のサクさんに評されていた。

私の早朝パートが今朝は、モタついた。今朝は、私の作業が手間取った。

配膳が遅れそうになったので、複数の作業を後送りにして患者さんへの配膳へ出発。

配膳から帰ってきて、巻き返そうと思ったら、

いつもは、やらない職員さんへ提供する味噌汁椀の盛り付けが、おまけにやらなければならなかった。

お味噌汁の具の盛り付けは、普段は職員提供係の調理補助(私ではない)がやるのだが、お麩など、具の数量が決まったものは、私(早番)の担当になる。それは、決まりだった。(そういうものなのだ)。

早朝の作業の残り、患者さんのトレーセット、ご飯やお粥の釜洗いの作業が残っている上に、味噌汁の具、それから普段やっている、保育室のおかずと味噌汁の具、さらに職員のおかずの盛り付け、これをわずか30分でやらなければならない。

おかずは、具をいれて、汁をいれて、ラップを1つずつの器かけての3段階、しかも、64人分、ああ、それからまかないもやらねばならなかったっけ……

とにかく、急いでとりかかる。64人分の汁椀とおかず。無心になって盛り付け続ける。始めたのは8時半。しかし、9時くらいには仕上げたい。

途中、介護士さんが、配膳車を3階病棟にあるエレベーターから、1階厨房におろしてくださる。本来、介護士さんの仕事ではないのだが、善意でやってくださる。泣けるほどありがたい。上に行っていたら、さらに10分は掛かるから……

集中せねば、と頑張って10分オーバー、9時10分で終わる。

普段なら、残ったおかずをより小さいボールに移し替えなければならないところを、サブチーフに断わって「時間がないのでよろしいでしょうか?」とお願いして、省略。
3階に行って洗濯ものを取ってくる。

さあ!食器の洗浄!

ワゴンから、シンクへ患者さんのトレーや、食器をシンクへ放り込むのだが、普段はキチンと「箸スプーンから」、「おかずを分類」、「ご飯をとりわけ」、「牛乳箱をとる」など、手間が掛かる。しかし、今の時間は既に9時25分。洗浄して9時45分に乾燥機に掛けないと、お昼のご飯、味噌汁盛り付けの開始しなければならない10時35分に間に合わない!けど、44人分いったいどうやって20分でやるの!?普段夫婦2人の我が家だって、そのくらい掛かるわよ!皿洗うのに!

ここで、5年働き続けた"ベテラン(?)"のひらめきが働く!

いつものやり方で、トレーを片付けていたのでは間に合わない。

箸や、少量残っているおかず小鉢ごとシンクにバシバシぶっ込む!!(普段、この「ハタキ」と呼ばれる作業だけで10分かかる、今回5分だった)。

お箸がシンクに沈んでも、どうせ後で、シンクの中で洗うのだから、その時かき集めればいい。
大きなシンクだから、多少の生ゴミは影響ない!

あとは、おかずの小皿を残して、ご飯の椀と、汁椀だけ洗って、乾燥機にセットする!!

完璧!!やったーー!!


と、言うわけで、そこまでやって、あとは中番に来た栄養士兼パートフォローのサクさんに、バトンタッチして、3階、職員配膳セットへ!!


その後、残りの作業を終え、終業……


考えてみれば、今日の患者さんの人数は、MAXに近く、職員さんも、多い方、さらに職員さんの味噌汁椀など、怒涛のメニュー……

思わず、ブータレてしまったが、栄養士のサクさんも「この時期、患者さん多いからね」と、「けど、メニューを替えてもいけないのよ」
そして、みんなで言ったが、「ミキサーがキツイからって患者さんを見捨てるわけにもいかないしね」と……、

私の担当時間は終って、

おおわらわな調理場をあとにした……。


毎年、3月の峠はキツイ……と嘆きながら……

患者さん、おだいじに……。



画像は、メイプル楓さんの
   「みんなのフォトギャラリー」より、
   いつもありがとうございます♥

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