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体育会系調理補助ー社員登用トライアル失敗ー

私は、調理補助パートをやっておりますが、
先日、社員に登用になるかもしれない顛末をnoteに書きました。

あれから だいぶ経ちますが、4月の末、社員登用トライアルらしきものがあったのです。

それまでの3日間。私は、自分なりに社員登用に必要な、作業のスピードを上げようと頑張ってました。

この頃、いつもより、15分ほどは早く 仕事をあげられます。このぶんなら、社員登用されるのは、大丈夫なようです。

いつもより早く、朝の配膳から帰ってきて、いつもより早く、最初の洗浄を終え、いつもより早く、盛り付けを終えて、再び洗浄にはいり、いつもより早く下膳に行って、最後の仕上げに入ります。仕上がりは、十分な10時半。

これなら、大丈夫でしょう。

10時半まで、30分間、昼のパートと重複する時間の間、事務員兼調理補助のサクラさんが盛り付けの一部を引き受けてくださっている間、私は朝番の仕事を上げてしまえば、十分それからの昼番パートにバトンを受け取ることができます。

このまま、いけば、なんとか朝昼続けてのパートは、務まりそうです。


しかし、・・・・・・。

私も、チーフも重要なことを忘れていたのです。

手間のかかる行事食や、重複工程のときはどうするのか、ということ。

行事食というのは、私が勤めているところが外科病院の厨房なので、正月、盆、ひな祭り、こどもの日、体育の日、春・秋分の日、敬老の日、文化の日、クリスマス・・・・・・その他思い当たるような行事の日には、凝った料理が提供されるのです。

普段より、かなりな時間がかかり、調理師も、朝番のパートもフル回転で臨みます。

盛り付けの工程も、いつもの5倍くらい。

花の形に切ったにんじん、巾着餅、こんにゃく、里芋などを、綺麗に整えて並べたり、それらを盛った特別な形の皿を、漆の塗られた四角い箱に詰めたりします。
桜色、黄色、クリーム色、などの飾り皿に盛られたご馳走を漆の箱に詰めての提供です。

私担当の 職員さん用の小鉢は、一つの器に、4つの具を並べ、ラップをかけます。

いつもより、手間がかかるのですが、意地で仕上げます。時間は、盛り付けはオーバーするのですが、その後の洗浄や、下膳などを気力を絞って超スピードでやると、プラスマイナスでなんとか終業に間に合わせることはできるのです。
ただ、盛り付けは20分くらいオーバーすることが多く、その時はチーフの掛け声が当然きついです。

この時のことを、社員登用の話が出た時に、チーフも私も忘れていました。このごろは、単純な工程が続き、私も時間が早くできていたので、大丈夫なように思っていたのです。

ところが、ぜんぜん大丈夫じゃなかった。

私は、行事食やその他、多工程の時のことを、トライアル初日で思い出しました。

登用の話し合いの時は、頭に糖分がなくなっていて、チーフも私も考える力がなかったです。

トライアル初日、私の工程は4倍工程。
かぼちゃの餡掛け、普段の4倍工程です。私は、一瞬血の気が引く思い。

かぼちゃを小鉢に盛り付けた上に、餡をかけ、グリーンピースを載せます。
さらに、温かい小鉢なので、温める時のことを考えてラップ。
4つほどの工程です。
手間が、いつもの4倍なので、4倍の時間がかかるのは、単純計算。時間オーバーすることは、茶飯事です。

この日も、最終的には、20分ほどオーバーしてしまいました。

話は変わりますが、ラップの入れ替え、キッチンペーパーの枯渇、作業用の「エンボス」や「ニトリル」というビニール手袋が切れてしまえば、その時点でその場面にぶつかった作業員が取り替えに行きます。
それが、三つも、四つも重複することも日常茶飯事で、その時は、空になった箱などの処分にも手間がかかることもあって、時間がかかります。

消毒アルコールなどが切れてしまうことや それらは、以前、パートが充実していない頃は多々あって、その頃は、私は、泣く泣く作業中に補充していました。その頃は仕方ありません。癌になりながらも勤めていた方もいて、後のパートさんは、まだ、慣れていなかったから。

そういうこともアリと考えないといけません。

今は、入り口の手拭きのキッチンペーパー類は、主に私が。次亜塩素酸消毒液は、中番パート。洗剤・アルコールは、夜番パートがやっているらしく、いつの間にか暗黙の担当が決まっていて、あまり時間が取られなくなりました。
ひどい時は、洗浄に入った時に洗剤が全くなく、水で薄めて2種類補充するので正直イライラしましたが、今は、朝来た時には、きちんと満杯に補充されてます。2年ほど前から入った夜番の方が、以前店を経営していたとかで、しっかり入れてくださるのでしょう。今は、だいぶ楽させて頂いてます。しかし、ラップなどは各自なので、重なると時間オーバーの憂き目に遭います。

話が逸れましたが、私担当の小鉢の盛り付け。

トライアルの次の日は、海鮮サラダでした。

きゅうり、レタス、赤パプリカ、黄パプリカ、わかめなどの海藻を盛り付ける・・・・・・

完全敗北。

私は、多工程や行事食のことを考え直して、トライアルの辞退を申し出に行きました。

「え?山田さん、諦める?」
と、チーフ。
「はあ・・・・・・」
「あちこち、掛け合って奔走したのに」
「・・・・・・お騒がせしました」
「『確定です。(希望は)』って言ってたじゃないか」
「はい・・・・・・」
「もう、聞かんよ?」
「すみません」

こうやって、もう二度と、社員の話も、時間延長もやって来ないだろう。
私のトライアルは失敗に終わった。 


主人は「僕が、掃除夫になって働くから」と慰めてくれました……。



トップ画像は、メイプル楓さんの
   「みんなのフォトギャラリー」より
    いつもお世話になっております🍀



©2023.5.29.山田えみこ






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