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壁の崩壊
2022年4月21日
結果通知を持って病院へ行き、待合室でテレビを観ながら待っていた。ある女優がMCを務めていて、珍しいなと思いながら、あれ?ふと自分の異変に気がつく。その女優はどちらかというと苦手であまり好きなタイプではなかった。それが今、いいキャスティングだなぁなんて思って観ている(偉そうに何目線だ)。
他の出演者も好きな芸能人が多く出ていて、番組自体が面白いというのももちろんあるのだが、なぜか司会がその女優というのがとても良いなと思った。
自分自身のこの心の変化に気が付いた時、なんだか穏やかな気持ちになった。
これはたぶん癒しの効果だ。自分の中の壁のようなものが崩れ、これまで受け入れられなかった何かを受け入れることができた事による癒しなのだと思う。嫌いだとか、苦手だとか、私は勝手に女優と戦っていたのだ(は?)完全な負け戦にも関わらず(笑)
いきなり何の話だって思われそうだが、この心の変化は、今回の病気がわかってこそのような気がしている。『入院リトリート』にも書いたように、病気がわかってから本当に自分の素直な感情と向き合えた。残りそう長くないかもしれない人生に想いを馳せると、無駄なものが自然と削がれていったように思う。考え方の変化というより、病気がわかってからは、意識的に副交感神経を優位にさせようと心がけていたからかもしれない。戦いモードにスイッチが入らないのだ。そもそもどうでもいい戦いだし笑
どちらにせよ心の中のブロックが外れ、おおらかに優しく受け入れられる気持ちの余裕ができた。それは、自分自身に対しても同じで、自己肯定感が上がり、以前より〝私〟自身の存在感が増したような気がする。
こんなにくだらないふとした気付きでも、心はすごく救われるのだ。
そんなことを思いながら静かに穏やかに、ただ番号が呼ばれるのを待っていた。
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