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【パワーストーンの買い方で産地表記について事前に知っておきたいこと】

こんにちは。


スピリチュアルカウンセラーの冥賀都子(エマ)です。


パワーストーンをリーディングしながら、プロの販売者として起業してから14年目になります。


石を販売するにあたって、世界中から買い付け、またもちろん日本の業者さんからも買い付けもします。



今日は、石の産地についてのご質問に回答したいと思います。


よく、


「産地はどこですか?」


と聞かれることがあります。


最近、全国でミネラルショーなども開催されることが多いですが、「偽物」か「本物」かのトラブルもあると聞いています。

意外と知られていないのが「業界内」では「これが普通」という常識。

例えば、

水晶には「練り水晶」「人工水晶」「天然」の3つがあります。

このうち、「練り水晶」は水晶を研磨したときにでた水晶の粉を樹脂で固めたもので、樹脂が使われているとはいえ、素材としては「天然」なので「天然水晶」という表記で売られているものも存在します。天然の水晶がベースになっていることには変わりありませんので、嘘ではない、という考えをする業者さんもいます。

なので、「もしかして?」と思ったら、「オンリー ナチュラル?」と英語で聞いてみることをおすすめします。

たいていの業者さんは英語を話します(日本で開催される展示会では日本語ももちろん話ますが、微妙なニュアンスが通じない時は英語のほうが伝わりやすいです)。

これから書くことがお買い物の際の参考になれば幸いです。

まずは「産地」についてのお話です。

石の産地表記は売主の「推し」の意味もある


先ほどの「産地はどこか?」につきまして結論から言いますと、


産地表記があるものは


売主が仕入れの際に確固たる証拠(直接仕入れた時、間違いなく、ここが原産という確信)を持っている場合でかつ、その産地が売値に反映されるほどの価値がある場合に表記されています。


例えば、


・直接、鉱山主の顔を知っているとか、そのツテがあるとか、手元に届くまでのルートを知っている
・宝石学的、鉱物学的な知識から、その石の特徴を熟知していて、〇〇産ということに確固たる自信がある
・仕入れ時に産地の証明書を見ている(確認済) ・産地によって取引価格が大幅に変わる
・レアストーン

といったことです。


私の経験上、


産地表記がない場合は、以下の2つの場合がほとんどだと思います。


・産地を特別に書かなくても良いと判断された石(理由は一般的にたくさん流通していてあえて書くほどでもない、と判断されたもの。確証がいらない石、産地がだいたいわかっている石、例えば、水晶とか。いちいち値札に書く手間が大変、などのお店の判断。)
・バイヤーの経験上でだいたいの憶測で産地がわかっている石、あるいは過去に何度も鑑別にだしたことがある、鑑別にだせば結果は明白な石


仕入れの際に産地の確証が得られなかった石の場合は、

仕入れ先(卸元)に聞いても、おそらく~、というあいまいな回答の場合で明確に表記しにくいというのが理由もあるかと思います(もちろん正真正銘の天然石でまったく偽物ではないけれど、産地に関しては「産地推し」、というわけでもないから産地はだいたい想像してわかってはいるけれど、あえて書かなくてもいいよね、という売り手の考え)。


皆さんもお店で店員さんに聞けば、きっと「おそらく〇〇だと思います」という回答は得られるものの、はっきりとは教えてもらえないという経験をされたことのある方も多いと思います。


店員さんが把握しきれていない背景には、そのお店が大量に入荷する場合などに、例えば棚の「ここからここまで」という買い付けの仕方をした場合に、ひとつひとつの産地を把握しきれなかった、などのそのお店の仕入れの仕方にもよります。

なので、店員さんが産地が書いていなくて「おそらく~」と答えた石はある程度の数が流通していると考えられる石です。また、レアストーンなのに「おそらく」で、安価すぎるものは偽物(人工石)を疑ってもいいかもしれません。(ごく稀に、卸さんも気づいていないレアストーンがあって、おそろしくお安く売られているものもあります。こういうものを「掘り出し物」と言います♪出すところに出せば、高値になる可能性のある石です。)


それから、海外からの業者さんの場合は出展者の国籍で産地表記がなくても判断できることも多いです。

中国からの業者さんが販売する翡翠はおそらく、中国産です。

ブラジルからの業者が販売しているアメジストはブラジル産です。

それぞれに特産があり、自国のものを持ってきて販売しています。

希少石なら、表記がなくても「色」で産地がわかる場合もある

希少石などは鑑別機関に出せば「産地」がわかることもあります。


例えば、その色の石はそこでしか採れない、という場合です。

鑑別すれば、産地割り出しの判断材料のひとつにできると思います。


ただ、本当にそこから産出されたのかは写真でもない限り、確証はないので、あくまでも鉱山主のお墨付きルートやなんらかの根拠を裏付ける証拠がない限り、絶対とは言えないので「100%ではないにしても限りなく近い」という感じになるかもしれません。


ピンクダイヤモンドがその例で、ピンクダイヤモンドというのは世界でほぼほぼ、オーストラリアのアーガイル鉱山でしか採れません。(ピンクダイヤモンドの95%はここです)


そうなると、「ピンクダイヤモンド=アーガイル鉱山」(で採れた可能性が非常に高い)、ということになります。(本来なら、こういう希少石は高値で取引されるので、売る際に産地がわからない、ということはないと思うのですが)

ただし、このアーガイル鉱山、現在は閉山となっておりますので採掘できません。ということは今出回っているピンクダイヤモンドはかなり、希少性の高い石となり、実際良質なものは高値で取引されていますし、事前に鉱山が閉山するという情報が得られたバイヤーはこぞって集めたはずなので、個人的に一般の人が探してもなかなか見つからない石、となります。(もちろん、店頭では売られていますがミネラルショーなどで掘り出し物的に見つけるのは無理かなと思います。バイヤーでさえ、血眼になって探していますから。)


こうして、トレジャーハンターと呼ばれる人達は(私もかな、笑)希少石などは新しい鉱山が見つからない限り、いつか枯渇することを知っているので、なかり前もって動いています。希少石はストックしておいて、店頭に出さない場合もあります。(鉱物標本として手元に置く貴重な資料になるからです)

ちなみに、翡翠なども「色」(正確には色味です)で産地がある程度わかる石のひとつです。

バイヤーで経験者なら、

見た時に、「あ、ミャンマーだな」「あ、中国だな」「あ、糸魚川だな」くらいの区別はつくと思います。

水晶はクラスター「形状」であれば、「あ、中国だな」「あ、ブラジルだな」「あ、ヒマラヤだな」という区別はつきます。

海外ですと、仕入れの際に表記がなくても、仕入れ先の人に「これ、中国だよね?」とか確認してから仕入れることはよくあります。(先ほど書きましたように面倒だから書いてない、という人も多いので)

石の産地表記のあるなしにこだわるならば、売主の価値観(コンセプト)を知る


ただし、誤解してほしくないことは、「産地表記」がないからといって、決して悪い石とかそういうのではありません。


たとえ、安価な石でも素晴らしいエネルギーの子はたくさんあります。


「産地表記」をすることで、値段が大きく違ってしまうような石でない限り、そこはあまりこだわっていないというお店も実際多いと思います。


産地を区別して表記することにメリットを感じない、などです。(これは本当にお店のポリシーによります)


余談ですが、私の場合、産地表記をすることでかえってお客様が選びにくいだろうな、という石はあえて表記しません。

例えば、ターコイズ。アメリカ産が多く、種類も鉱山の数だけ沢山あります。

スリーピングビューティー鉱山からキングマン鉱山から・・・。試しに、「アメリカ ターコイズ 鉱山」でググってみてください。

その中で特に鉱物学的な美しさで評価されている「スリーピングビューティー産」は表記するメリットがあったとしても(見た目が美しい!!)、特に表記したことによってかえって皆さんに「ここの産地だとターコイズのエネルギーや意味が違うのかな?」と不安にさせてしまう恐れがある場合は「アリゾナ産」とざっくりと表記したりしています。

例えば、ナンバーエイト、ローンマウンテン、ランダブルー というのはネバダ州の鉱山の名前ですが、おそらくよほどのターコイズコレクターでなければ知らない名前だと思います。

(↑ペルシャターコイズ)

(こんなにあるので、札を見ないと、ターコイズの種類はわかりません)

(↑この写真は2月に私がアメリカに買い付けに行った際のものですが、ターコイズ売り場の一部ですが、一部とはいえ、こんなに種類があります)


つまり、「表記」の差はそのお店が何にこだわっているかにもよります。


私の場合は、水晶でも「ブラジル産」と「ヒマラヤ産」では浄化のエネルギーが断然違うので、そこは明記します。

浄化に関しては「ヒマラヤ産」のほうが他の産地の水晶よりも即効性が高いので、魔除けが目的の人には「ヒマラヤ産」をおすすめしますし、インテリアとしての美しさと開運や才能開花を求める方には「ブラジル産」をおすすめしています。特にブラジルではミナスジェライス州のゼッカデソウザ産やトマスゴンサガ産を「美しさ」ではおすすめします(両手で持ち上げた瞬間に第7チャクラがパッカンと開く感覚があります)。

同じ国で採れても、値段が全然違う石があるのは鉱山が違うからです

希少石などの宝石をお求めでしたら、例えば、エメラルドは「コロンビア産」と「ブラジル産」では色味も違いますし、値段も全然違います。


同じ国で採れても、さらにどこの鉱山かまで重要となるのは宝石界では当然のことです。


最高峰の宝石と言えば、サファイアはインドカシミール産のコーンフラワーブルーエメラルドはコロンビアのムゾー鉱山で採れたもの、

そしてルビーは、ミャンマーのモゴック産のピジョンブラッド(色)です。

これらは博物館に展示されるクラス、この大きい宝石は王冠などに使われるクラス(ルーブル美術館とかに展示されているなど)と言えばわかりやすいでしょうか。

産地表記がないなら、仕入れルートを辿れるのか!?

では、産地表記がないなら、自分で調べられるかといえば、これはなかなか難しいかと思います。

田舎でよくある光景で、ご近所さんに野菜をいただく、というのがあると思います。

隣の人が「たくさんいただいたから、お裾分け」と言って、トマトを持ってきたとします。

そのトマトがどこの誰が作ったトマトなのか、探るのは難しいですよね。

実家のお父さんが作ったトマトなのか、スーパーで買ってきたトマトなのか、もらいもののそのまたもらいもののトマトなのか。

ただ、その隣の人がとても信頼できる人だったら、素直に受け取ると思います。

でも、その隣の人がいつも意地悪してくる性格の合わない人なら、やめておこう、となるかもしれません。

なので、表記がなかった場合に、仕入れルートがある程度わかっているか、あるいは信頼できる人から買ったほうが不安がなくていいと思います。

私も海外買い付けの際、必ず、一度は日本で鑑別機関に抜き打ちで出して、買い付け先の信用度を調査しています。

「〇〇って言ってたのに、ぜんぜん〇〇じゃない!!」

という事態は避けたいと、肝に命じて、そこは惜しみなく時間とお金を投入して勉強させていただいています。

(あ、こないだのツーソンでやらかしたのは、「パパラチアサファイア」と言われて買って鑑別に出したら限りなく近いけど「パパラチア」とは言えないね、ということで、撃沈。あの、インド人め~!!ということで、まあ、これも勉強代です。修行はつきませんね。頑張ります。

ちなみに、「パパラチア」とはシンハラ語で「蓮の花の色」という意味があります。蓮の花の色にもピンク~オレンジまであり、鑑定基準というか、どの程度までを「パパラチア」と言うのかは鑑定機関にもよります。実際に、タイで買付する時に「パパラチアを見せて」というとかなり濃い、ショッキングピンクに近い色のサファイアを出してくるのですが、もっとオレンジがかってないと「パパラチア」じゃないよ、と言うと、「う~ん、でもこれは僕らからするとパパラチアなんだけどね。日本では好まれない色なのかな。」みたいな会話になります。好みもあるのか、国によっての人気度というか、でも鑑別に出すのが一番だと思っています。ですので、そのインドの宝石商人も「これは、パパラチアって言ってもいいくらいの色だよ」ということだったのだと思いますが、私の信頼している鑑別機関からすれば、「う~ん、ちょっとね、惜しいけど、パパラチアの名をつけるにはもうちょっと・・・」というところだったという感じです。

つまり、鑑別書に「パパラチアサファイア」とは表記できません、ということ。この場合は「ピンクサファイア」表記になります。サファイアの場合、産地だけでなく、種別も大事。「パパラチア」がつくだけで3大レアストーンになりますから、値段も全然違ってくるのですよ。ちなみに、鑑別機関でもゆるいところとそうでないところ、若干の差があるそうです(国の差もあるのかな)。私が出しているのは、日本でも厳しい鑑別機関です。それだけに、自分の予想結果とマッチングした時は嬉しいですし、自信にもつながります。)

(サファイアにもいろんな色があります)

まとめ

そろそろまた長くなりますので、まとめます。

パワーストーン(石)の買い方で産地表記について事前に知っておいたほうが良いことは以下です。

・産地表記のある、なしは仕入れ方による
・お店のコンセプトなどで産地によって重要な違いがあれば、表記している ・あえて表記する、あえて表記しないというのはお客様の選びやすさと店舗運営上の効率性も考えてなど、店舗の方針にもよるので、自分が何を基準に石を選びたいのかを決めてから自分の価値観に合ったお店で買えば、表記のあるなしでの購入後の失敗がない

他に「処理」についても書きたいのですが、長くなりそうなのでまた別の機会に書きます。

今日はとりあえず、「産地」についてです。

是非、参考になればと思います!

本日も最後までお読みくださいまして、どうもありがとうございました。

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