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大豆田とわ子と三人の元夫 第7話

衝撃的なかごめの死。その葬式の後から1年後の世界が描かれた。その一年でとわ子の環境はどのように変わったのかに注目したい。

【かごめの存在】

前回、6話で三人の元夫は、現在、三人の女性との関係は終わった。とわ子がいなくてもとわ子の周りの人達の関係性を語ることによってとわ子について詳しく描かれたのが前回だ。それに対して、7話では、かごめが亡くなったのにも関わらず、その存在が物語の節々に現れたのが、今回だ。それは、かごめのことを深く知らない元夫にも影響を及ぼすことになる。

鹿太郎「僕たちには何ができるんだろう」

社会の何処かで起きたこと、誰かの存在は回り回って誰かの元に届くのだ。

【謎の男X】

第5話で登場した3回離婚した男は仕事とプライベートを同じように扱っていた。しかし、今回の謎の男(小鳥遊)は、仕事とプライベートを全く別のものとして扱う。しかし、そのプライベートの感覚はどこかとわ子に似ているのだ。数学的な思考で日常を楽しむことはとわ子も好きだったのだろう。そこで、ある言葉にとわ子は涙をこぼす。

【肯定する】

小鳥遊「ないと思いますよ?人間にはやり残したことなんてないと思います。その人はあなたの幼なじみだったんですよね。じゃあ10歳のときのかごめさんも20歳のときのかごめさんも30歳のときのかごめさんも知ってる。あの、過去とか未来とか現在とかそういうのってどっかの誰かが勝手に決めたものだと思うんです。時間って別に過ぎていくものじゃなくて。場所っていうか別のところにあるものだと思うんです。人間は現在だけを生きてるんじゃない。5歳10歳20歳3040そのときそのときを人は懸命に生きてて。それは別に過ぎ去ってしまったものなんかじゃなくて。だからあなたが笑ってる彼女を見たことがあるなら、彼女は今も笑ってるし。5歳のあなたと5歳の彼女は今も手を繋いでいて。今からだっていつだって気持ちを伝えることができる。人生って小説や映画じゃない。幸せな結末も悲しい結末もやり残したこともない。あるのはその人がどう言う人だったかということだけです。だから人生には2つルールがある。亡くなった人を不幸だと思ってはならない。生きてる人は幸せを目指さなければならない。人は時々寂しくなるけど、人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる。」

つまり、肯定だ。過去も現在も未来も残っていて、残るものでそれを肯定してあげるのだ。これは、坂元作品でずっと語られてきたことだ。だからこそ、亡くなったかごめも救うことができる。こういう状況の人を支える言葉になる。これこそが坂元作品の魅力ではないのだろうか。

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