採血を失敗するといくらの損失?

大学院の講義で実際にディスカッションした内容です。

大学院の講義はディスカッションがとても面白かったです。それは周りの人との経験の違いなどからくるものが大きかったと書きました。

他にも理由がありまして、そもそものテーマ自体が自分に新しい視点をくれるものだったんです。

タイトルに書いたものもそのひとつです。看護師として経験の浅かった自分はコストに対する感覚が全くといっていいほどなかったんです。なのでその質問を受けたときに何も考えるためのデータが無かったんです。針の値段を知らない。スピッツの値段を知らない。ホルダーの値段を知らない。自分自身の時間あたりの給料もわかっていない。昇給のシステムも全然知らないから、先輩に依頼したときの余分にかかるコストもわからない。入院患者さんが採血に対して支払っている値段もわからない。採血を失敗される苦痛も知らない(これは後に知りました(笑))。

簡単そうな質問なんですが、自分の無知をおもいっきり知りました。おどろくほど意識していなかったんですね、お金のことを。このことをディスカッションしたときに、初めて物品の値段や自分自身の労働価値みたいなものを意識するようになりました。

自分がいくらの物品を使っていて、自分の技術にはいくらの価値があって、患者さんはそれに対してどれくらい支払ってくれているのか、自分には無い視点でした。

新人のときとかは特になんですけど、「自分が仕事できていないせいだから残業申請はやめとこう」とか「患者さんのために無償でいいからサービス残業でプラスアルファのことをしよう」みたいなことをしてたんですよね。

それに対する見方も変わりました。国家資格を持って勤務していることに対してお金のことを度外視しているのは「プロとして」どうかと思うようになったんですね。

自分の労働価値みたいなものを意識するようになったきっかけでもありましたね。ほんの少しのディスカッションだったのですが、とても貴重な経験でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?