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レスキューICSIが実施されなかった理由、採卵数が少ない理由

【ご質問原文】

いつも拝見させていただいております。 
私は現在26歳で、今月初めての採卵を行いました。

D2のAFCは25だったのですが、採卵時の卵胞の数は8個、実際の採卵数は5つで1個変性卵、1個未成熟卵、3個あった成熟卵はIVFで1つしか受精しませんでした。

まず質問の1つ目として、レスキューICSIをお願い していましたが、未授精で終了した2つについてはレスキューICSIを行わなかったようで、どのような原因が考えられますでしょうか?

その受精した1個に関しても、6日目でギリギリ凍結するか悩ましい進捗のかなり初期の胚盤胞という状況らしく、仮にこの胚盤胞を凍結できたとして、妊娠できる可能性はあまり見込めないでしょうか?

来月、再度採卵を行うか、もしも凍結できた場合に移植をするか悩んでいます。

そして冒頭の採卵数に話は戻りますが、 最終的な卵胞の数が8個であった事に対しては元々1 0個前後の採卵を目標としていたので問題ないと思っていますが、 実際の採卵数が5個であったこと(=3つは空砲ですよね)は年齢的には少ないのではないかと不安があります。

一度だけの採卵ではわからないというのは理解しているのですが、年齢関係なく卵巣機能が悪いという可能性はありますでしょうか。

【回答】

ご質問ありがとうございます。

まず、レスキューICSIについてですが、実施しなかった考えられる理由は以下の通りです。

・1個でも受精兆候が見られていれば実施しない方針だった。

・全て受精の兆候はあったが、実際は受精していなかった。

・採卵当日は未熟卵であり、翌日に成熟した。

レスキューICSIのタイミングでは、受精しているかどうかを完全には判定できないので、受精したと判定しても、不受精である場合があります。

また、人為的な多精子受精を避けるために、完全に受精障害の疑いがある場合のみしかレスキューICSIを実施しない方針のクリニックもあると思います。

そのため、レスキューICSIを希望したのにあまり受精卵が得られなかったという事は一定数起きてしまうと思います。

妊娠する胚か否かについてですが、6日目に初期胚盤胞(ステージ1や2)の胚盤胞の妊娠の可能性は0ではないですが、低いです。
私のクリニックでは、よほどの症例でなければ凍結や移植を行いません。

最後に、AFCが25個もある方が卵巣機能が悪いとは言えないと思います。

今回の採卵が、どの方法で卵巣刺激を行い、どのくらいの薬剤を使用したかわかりませんし、あまり培養士が強くは言えないのですが、おそらく卵巣刺激や採卵のタイミングがイマイチだったのではないかと思います。

次回の採卵の際は刺激法の種類を変えてみたり、採卵のタイミングをしっかり見極めて行う事で、成績が改善する可能性は大いにあると思います。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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