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PGTの波形の乱れについて

【ご質問原文】

こんにちは。 
先日PGTAをして 5 日目と 6 日目で2つ正常胚が見つかりました。

グラフを見ると、片方は染色体の後半のグラフが少しガタガタしているように感じました。 
医師は直線な人はなかなかいないので問題ないとのことでしたが、3回流産している40歳のため、不安です。 

グラフの揺れよりも、 5日目か6日目かの方が重要でしょうか?よろしくお願いいたします。


【回答】

ご質問ありがとうございます。

現在のPGT-Aはほとんどの場合、次世代シークエンサーという機械を用いて解析しますが、この機器は素人が解説するのは難しいほど複雑なもので、私も素人なので、しっかりと解説できる自信はないです。

次世代シークエンサーの波形(グラフ)は、そもそもある程度乱れのある状態のものを相対的に「同じくらい」と補正をしてグラフ化しています。

つまり、2.0が正常値として、1.7、2.2、1.8、2.4のような数値は全て2.0という事にしているという感覚です。

その乱れ幅を点にするとガタついて見えますが、線にするとそこそこ真っ直ぐに見えます。

その中に、なんらかの原因で波形をさらに乱す要因が組み込まれたり、DNA増幅を妨げる要因が混入したりすると、波形の乱れが強くなります。

この乱れが出てしまう原因はおそらく無数にあると思いますが、採取した細胞数が少な過ぎたり、サンプルの輸送や保管状態が悪かったり、壊死した細胞(DNAがボロボロになった細胞)が混入したりする事によって引き起こされると考えられます。

検査会社はこの波形を専用ソフトで綺麗に補正する事もできます。

雑音だけを消去して、本来のクリアな音のみに補正するようなイメージです。

その補正をする技術や知識も検査会社によってまちまちです。

また、波形の乱れも臨床結果(つまり妊娠結果)に影響するとして評価に取り入れている検査会社もあります。

おそらく、波形の乱れが少ない方が「検査結果の信頼度が高い」という事になるのではないかと思います。

結論を言うと、今のところ我々には波形の乱れから何かを判断するのは難しいので、PGT-A結果とグレードや凍結日などの基準を組み合わせて、優先度を決定する事くらいしかできないのではないかと思います。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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