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モザイク胚と出生前診断

【ご質問原文】

いつも参考にさせていただいております。 
ありがとうございます。

モザイク胚についておしえてください。 Pgt-aの結果、 RISK OF MOSAIC (partial trisomy 10p) という胚ですが、 10番染色体の上半分が3本分ある細胞が混ざっているというモザイクで、モザイク率30%弱との説明を受けました。

①ぶらす室長さまは、この胚を移植する事についてどのように考えられますか? 

②第二子まで希望している場合、このモザイク胚プラス、正常胚をいくつ確保すべきだと考えますか? 
現在41歳2ヶ月で、正常胚1つ凍結ありです。
状況によっては1子のみになってしまっても仕方がない気持ちも少しあります。

また、このモザイク胚をもし移植して妊娠に至れば出生前検査を受けるよう遺伝カウンセラーさんから勧められたのですが、10番の染色体異常について出生前検査で何かわかるのかどうか、疑問に思っています。

③ぶらす室長さまは、妊娠後の検査についてどのようにお考えになりますか?

沢山の質問すみません。
どうぞ宜しくお願いいたします。

【回答】

ご質問ありがとうございます。

① モザイク胚は正常胚と異数性胚の間くらいの立ち位置にしてる場合が多いので、移植可能胚という扱いで良いかと思います。
部分モザイクは、偶発的に起きる場合と両親の染色体構造異常によって起こる場合がありますが、後者の場合は複数の胚で同じ染色体の箇所(今回で言えば10番染色体)で異常やモザイクが見られるため、今回は偶発的なものの可能性が高いのではないかと思います。

② 正常胚はいくつあっても良いですが、正常胚の妊娠率、出産率を考えると1子あたり最低でも2個、2子なら4個は必要かと思います。
(4個有れば必ず大丈夫という意味ではありません)

③ 出生前診断に関してですが、いくつか種類があり、母体血を用いたNIPTでは、特定の染色体番号の異常しか調べないので、10番染色体の異常はわかりません。

一方で、絨毛検査や羊水検査などは、検査の方法にもよりますがすべての染色体異常を調べますので10番染色体の異常があればわかるかと思います。

詳しくは、医師または遺伝カウンセラーにご確認ください。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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