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精子の酸化ストレスが高いとどうなるのか?


【ご質問原文】

いつも参考になるお話ありがとうございます。

精子の分別法についてお伺いしたいのですが、精子の酸化ストレス(?)をみてくれる施設があると聞きます。

酸化ストレスが高いとどうなるんでしょうか?
酸化ストレスが高い精子を選ばずに体外受精をすることはできますか?

【回答】

ご質問ありがとうございます。

精子が酸化ストレスに曝されると、精子の運動率の低下DNAダメージの原因となります。

特に、精子のDNAがダメージを受けると、受精後の受精卵の染色体異常率が増加や、胚発育率の低下、流産率の増加など大きく影響することが知られています。

酸化ストレスは原因ですので、
「酸化ストレスが高い精子を選ばないようにする」
のではなく
「精子が酸化ストレスに曝されないようにする」
と言うのが正しいと思います。

そして、選ばないようにすべき精子はDNAダメージを受けた精子であり、これらの精子を選別する方法はいくつか臨床利用されています。

顕微授精となってしまいますが、IMSIやPICSI、zymotなどのスパームセパレーターは、DNAダメージを受けていない精子を選別できる方法として利用されています。

また、精子が酸化ストレスに曝されないようにするのも重要です。

酸化ストレスを低下させるためには、禁煙、減量、精巣の熱や電磁波を避ける、野菜食を増やすなどの生活習慣が影響すると言われています。

抗酸化サプリメントも一定の効果が報告されているので、合わせて摂取するのも良いかと思います。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

Sperm DNA damage caused by oxidative stress: modifiable clinical, lifestyle and nutritional factors in male infertility

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