融解後にAHAができない胚盤胞への対処
【ご質問原文】
こんばんは。
先日、5日目凍結胚盤胞4BBをホルモン補充周期で移植しました。
AHAを希望していたのですが、移植時間になった際に受付で 「中身がパンパンに拡張していてAHAが出来ていない。収縮のタイミングを待っている」と言われました。
結局私の尿溜めが限界だったこともあり、しばらくしてから手術室に入り、中身を収縮させてAHAを行ったと説明を受けました。
施術後はいっぱいいっぱいで聞けなかったのですが、こういったAHAが出来ないことはよくありますか?
また、人為的に収縮させることは卵に悪影響は無いのでしょうか?
また、一般論でいいのですが、AHAは解凍後すぐにやるものですか?それとも移植直前にやるものですか?
【回答】
ご質問ありがとうございます。
質問と回答の順番が前後しますがご了承ください。
凍結融解胚移植のアシステッドハッチング(AHA)のタイミングですが、融解操作中に実施、凍結時に実施、融解操作終了後に実施のいずれがで実施している施設がほとんどだと思います。
融解中または直後に胚盤胞の拡張が強く、透明帯と細胞との間に隙間がない場合は、収縮させてからAHAをしないと細胞にダメージを与えてしまう可能性があるため、人為的に収縮させます。
こういった胚は多数ではありませんが、頻度としてはそこそこあります。
だいたい融解した胚盤胞の10〜30%くらいでしょうか。
収縮させる方法にもいくつか種類があり、スクロースの様な高浸透圧の培養液で処理をして収縮させる方法や、細胞と細胞の繋ぎ目にレーザーを当てる方法、針を刺して胞胚腔液を吸い取る方法などがあります。
どの方法でも胚へのダメージとしてはそこまで大きくはないと思いますし、人為的に収縮させたからといって妊娠率が低下するという報告はありません。
いずれにせよ、なんとかしてAHAは行う施設がほとんどですし、実施できないパターンはほとんどないと考えて良いと思います。
以上です。
ご参考になれば嬉しいです。
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