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流産の絨毛染色体検査の必要性について

【ご質問原文】

不妊治療中の31歳です。

5日目胚盤胞を3回移植しましたが、陰性で着床不全か異常胚が多いと言われましたが、何となくクリニックに不信感があり、転院して採卵からやり直ししました。

結果、 前院の倍の19個とれて、4AA×5個 と4AB×1個の5日目胚盤胞が育ちました。
転院して1度目の移植は心拍確認後自然排出、2度目の今回は6週後半で卵黄嚢さえ見えず、流産の疑いがあります。 どちらも週数より小さく、不育を疑っています。

今回流産が確定になれば、不育検査をしてから次の移植をしようと決意しています。 しかし、手術時に絨毛染色体検査も行うべきか迷っています。

不妊クリニックでは手術できないため、別の病院で行う事になるのですが、近所に手術時に病理検査だけできるところと、絨毛染色体検査が出来るところがあり悩ましいです。

不育検査を受けつつ、染色体検査も受けるのは過剰検査だと思いますか?

【回答】

ご質問ありがとうございます。

検査を行うべきかどうかは個人や医師の判断によると思います。

流産検体の絨毛染色体検査はその流産の原因が胎児(胚)によるものか、母体側によるものかを調べるために行います。

流産検体の絨毛染色体検査は、胎児の染色体に異常があったかどうかを検査します。
検査の結果から下記のように流産原因を疑う事になります。

◯ 胎児の染色体に異常がなかった場合

母体側の不育を疑う事になります。
仮に、先に不育症の検査をした場合は何らかの原因が見つかる場合があるため、結果として絨毛検査は不要だったという事になります。

◯ 胎児の染色体の数に異常があった場合

胚の染色体異常があった事による流産のため、母体側の不育の可能性が低下します。

仮に、先に不育症の検査をした場合、何も見つからず、不育症の検査は結果として不要だったという事になる可能性もあります。

◯ 胎児の染色体に異常があり、それが染色体の構造異常だった場合

夫婦から受け継いだ可能性が高くなるため、夫婦の染色体検査が望ましくなります。
仮に、先に不育症の検査で夫婦の染色体検査をしていれば異常が見つかるため、結果として絨毛染色体検査は不要だったという事になります。

流産の原因に予測がつけば、移植の前にどの対策や検査が必要かがわかるため、有益な情報が得られる可能性があります。

ただ、このように結果によって原因が変わり、検査の必要性も変わるため「ここまでの検査が必要かどうか」については個人や医師の判断によります。

また、今回は検査結果の解釈の一例であり、胚側に染色体異常があり、なおかつ子宮側にも不育の原因があるというパターンも存在します。

以上です。
ご参考になれば嬉しいです。

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