反復着床不全の原因考察

【ご質問原文】

※今回は、類似のご質問2つをまとめて回答しています。

質問1

はじめまして。 不妊治療中の33歳女性です。

今までに6回の胚移植 (胚盤胞8つ、初期胚2つ)を受けており、最初の5回は陰性、今回は判定日のhCG値が60台で「いけるかも?」 と判断保留になっていたのですが、結局化学流産となってしまいました。 ショックで立ち直れそうにありません。

検査は恐らく一通りやっており、医師にはこれ以上できる検査はないと言われています。

(PGT-Aはもう数回移植をしてから実施すると決めています)

染色体異常がここまで続くとは思えず、また子宮や卵巣にも異常がなく、さらに検査で見つかった着床の窓ズレなどにも対処してるのに授からないということで、自分の生活のせいではないかと責めるばかりです。

このまま採卵と移植を繰り返しても可能性はあるのでしょうか。
また、生活面に関して気を付けた方がいいこと があればご教示いただけると嬉しいです。

質問2

29歳、5回目の移植もダメでした。
今まで2段階、胚盤胞2個移植も試し、自費移植でタクロリムスも使ったのですが、カスリもしませんでした。

内膜炎の検査も陰性で、もうこれ以上何をしたらいいのか、この気持ちをどこにぶつけたらいいのか分からず苦しいです。

20代でここまで上手くいかないことあるのでしょうか。ひたすら胚を戻していく他ないのでしょうか。

【回答】

ご質問ありがとうございます。

今回のご質問はどちらも何度か移植しても着床しない、または着床する割合が極めて低い反復着床不全
(repeated embryo implantation failure : RIF
に分類されると思います。

一般的な定義では、正常な子宮に良好胚を3回以上移植しても着床に至らない場合を反復着床不全とし、何かしらの原因を疑うべきと言われています。

しかし、RIFの原因を特定する事は非常に困難であり、今回のご質問者さん達も「様々な検査をしたけれど、原因がわからない」という状態かと思います。

まず、原因について下記の3つを考察しますが、この原因に当てはまらない場合も少なくない事は知っておいて頂けたらと思います。

1、子宮側の要因
2、胚側の要因
3、クリニック側の要因

それぞれ解説します。


1、子宮側の要因

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